
V字型のダイポールアンテナを使ってきたが、テレスコープ形状のホイップの先端をワイヤーで結べばデルタループになることに気づいた。デルタループアンテナは1波長のエレメントを三角形などのループ状にしたもので受信性能に優れていると言われている。
これまで実験してきたV字型のホイップを使うこととして試作した。1波長(λ)を得るためには300÷周波数(MHz)の式で計算できる。直角三角形でこの長さのエレメントにするにはホイップの長さをnとすると(1+1+√2)n=λ になるので√2をおよそ1.4とすると λ ÷ 3.4 = nとなる。
18MHzではホイップの長さが4.9mほど、21MHzでは約4.2m、24MHzでは約3,5m、28MHzでは約3,1m となる。もっと低い周波数では5m以上になってしまいこのテレスコープ形状のホイップでは対応できない。
ホイップの先端を結ぶワイヤーの長さはホイップの長さの1.4倍のものを用意すれば全体で1波長のループになるはずである。実際のエレメント長には短縮率などが関係してくると思われるが、そこはテレスコープ形状のホイップは長さの調整はある程度自在である。整合の状況を見ながら調整することとする。
デルタループの場合給電点のインピーダンスが200Ω程度になるようで1:4のトランスフォーマーを入れる必要がある。トロイダルコアに巻いたものを取り付けて架設してみた。エレメントは樹木の枝に寄りかからせ給電部は地上高すれすれという状態で、周囲の影響を強く受ける設置である。整合の様子はとてもフラットで28MHzの場合はSWRは1に近い値が得られたが、21MHz、18MHzでは2を超える状態であった。
MLAのような急峻なSWRカーブが出るわけではなく平坦なカーブになっているので結構広帯域なのではと思える。そこで給電部にATUを取り付けてマルチバンドでの様子を試してみた。驚いたことに18MHz用のエレメントで7MHzから28MHzにおいてATUで整合を取ることができSWRはどのバンドでも1に近い値であった。7MHzと10MHzで運用してみたら聞こえは思いのほか良く聞こえた。呼び掛けたときはあまり良い感触ではなく飛びの方はそこそこのようである。それでもQRPでの交信をすることができた。
このアンテナは大がかりな設営になってしまうので移動運用では設営の条件が厳しいが、設営できる場所であるならATU使用という前提でマルチバンドでの運用ができそうである。試しに28MHzのエレメントでもATUで整合が得られるか試してみたが各バンドで良好なSWR値を得られた。1辺3m程度の直角二等辺三角形のループでも電波が出せそうである。ただし、アンテナの効率という面からの検証は出来ていない。
無手勝流の実験であるがいろいろ試してみる面白さで、これもアマチュア無線の楽しみ方である。





