
高市氏の投稿を生活者目線で整理:「手取りは増える?」ただし“106万”と“178万”は同じ壁じゃない
高市氏がXで、いわゆる「年収の壁」見直しや、電気・ガス代、子育て、ガソリンなどの支援をまとめた投稿をしています。
★ここに高市氏のツイート★
所得税のいわゆる「年収の壁」の見直しについては、「働き控え」の解消と「手取り」の増加の観点から、基礎控除と給与所得控除を見直す議論を続けてまいりました。
— 高市早苗 (@takaichi_sanae) December 28, 2025
まず、「令和7年度税制改正法」により、今年の年末調整から、1人あたり2~4万円の所得税減税が納税者の皆様に届きます。… pic.twitter.com/DnnwRpeoFe
ただ、この手の話で一番混乱しやすいのが、コメント欄でもよく出てくる
「今年106万円になったのに、来年178万円ってどういうこと?」
という点。先に結論を書くと、これは同じ“壁”の話ではありません。
結論:「106万円」は社会保険、「178万円」は所得税(税金)

■ 106万円(いわゆる“106万の壁”)
これは主に社会保険(健康保険・厚生年金)の加入要件として意識されるラインです。所得税の話ではありません。
しかも厚生労働省は、いわゆる「年収106万円の壁」として意識されていた賃金要件(月8.8万円以上)を撤廃する方向を示しています(時期は「公布から3年以内」など条件付き)。
■ 178万円
こちらは所得税(税金)の話です。税制改正(令和8年度)で、課税最低限を178万円まで引き上げる方針が示されています。
ただしここは大事で、「方針(大綱)」=「実施確定」ではありません。実施には、税制改正法の成立など手続きが必要です。
高市総理の投稿内容を詳しく調べてみた!
1)所得税:年末調整から減税が反映(まずは令和7年分)

国税庁は、令和7年度税制改正で「基礎控除」「給与所得控除」などが見直され、令和7年12月(年末調整)以後の源泉徴収事務が変わると案内しています。
また、給与所得控除の最低保障額が55万円→65万円へ引き上げられるなど、低~中所得層の負担軽減につながる内容が示されています。
(政府広報のチラシでは「1人あたり2~4万円程度の減税」と表現されていますが、減税額は所得や家族構成などで変わるので“目安”として読むのが安全です。)
2)「160万円」「178万円」ってどう理解する?

- 令和7年度税制改正:財務省資料では課税最低限を160万円に引き上げた旨が説明されています(いわゆる「103万円の壁」の見直しとして語られる部分)。
- 令和8年度(来年以降):税制改正大綱で課税最低限178万円までを掲げています(実施は成立前提)。
政府広報チラシに載っている“暮らし支援”は何?(投稿の画像部分)

投稿の画像(政府広報チラシ)には、次のような項目がまとまっています。ここは制度の細部(対象・申請・時期など)が自治体や実施要領で変わることがあるので、私は「チラシの表現=概要」として受け止めるのがいいと思っています。

● 電気・ガス代支援
「1~3月の電気・ガス代支援で、3か月間で7,300円程度の負担軽減」という趣旨で書かれています(使用量で体感は変わります)。
● 物価高対応・子育て応援(手当)
子育て世帯向けに「子ども1人あたり2万円」という表現が入っています(対象や方法は制度詳細の確認が必要)。
● 重点支援:地方交付金の拡充
「世帯あたり平均1万円程度」+「1人あたり平均3,000円(例:4人家族で1.2万円相当)」など、目安が書かれています。実際の中身は自治体判断(現金、商品券、上乗せ等)になりやすいタイプです。
● ガソリン:暫定税率(当分の間税率)
資源エネルギー庁は、ガソリンの暫定税率が1リットル当たり25.1円であること、また廃止は2025年12月31日(ガソリン)等の方向で検討されていることをQ&Aで説明しています。
※「廃止=その日に店頭が一気に25.1円下がるわけではない」との注意書きもあります。
じゃあ結局、私たちの生活はどうなる?
所得税の見直しは、方向性としては「働いたら損」を減らす方向です。年末調整で反映されるので、給与明細や年末調整後に体感しやすい人もいると思います。
ただし、生活者目線で注意したいのはここ。
- 所得税(160万/178万)の話と、
- 社会保険(106万/130万など)の話は別。
「税は軽くなったけど、社会保険に入って保険料が増えて手取りの伸び方が変わった」ということも起こり得るので、ここを分けて考えるのが大事です。
参考リンク
- 国税庁:令和7年度税制改正(基礎控除・給与所得控除等)
- 国税庁PDF:基礎控除の見直し等Q&A(給与所得控除の最低保障額など)
- 財務省:令和7年度税制改正(課税最低限160万円などの説明)
- 財務省:令和8年度税制改正の大綱(課税最低限178万円など)
- 厚労省:年金・社会保険の加入対象拡大(106万円の壁の賃金要件撤廃方針)
- 資源エネルギー庁:ガソリン暫定税率(25.1円)と廃止の説明