こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士・講師の瀬戸川礼子です。
今日のテーマはこちらです。
『顧客満足の失敗学』の資料から学ぶこと
年末の書類整理でこれが出てきました。
2008年に発刊した拙著『顧客満足の失敗学』の研究資料です。
法政大学専門職大学院での修士論文を
ビジネス書に書き直した渾身の一冊です。
顧客満足CSが高いと評判で、
「御社なら上場できますよ」と
証券会社が太鼓判を押した企業が
数年後には倒産しました。
何がこの会社に起きていたのか?
それを研究・取材してまとめた本です。
どのような切り口で探求しようかと考え、
経営者/教育/意思疎通/評価制度/チームワーク
5つの項目から実態を探ることにしました。
これは研究の途中でつくったものです。
この中に書いてある言葉を少しピックアップしてみます。
その後、心の教育を推進したが、
改革のバスから降りた」と表現。カタカナを好む。
質(心)ではなく、規模(金)
施工主の誕生日や住まいの誕生日は何もしなかった。
うーん、まろやかな表現が好まれる2026年の今 読み返すと、
当時2007~2008年はちょっときつい表現かな。
私の言葉と、元社員さん取材で聞いた言葉がまざっています。
(本では分けて書いてあります)
「ここが問題なんだ」と感じるメモがあります。
・「赤穂浪士はもともと300人いたが、
仇討ちに残ったのは47人(15%)。
確かに、数字はその通りです。
しかし、殿のために命を捧げる選択をした者が
15%は少なすぎる、と
殿にあたる経営者が自ら思い、
それを、はばからずに口に出してしまう。
この感覚を持つ者は真のリーダーではない、
と私は思うのです。
~ ~ ~
ただ、この経営者は人としてどうしようもない人
などではありません。
実際に新幹線に乗ってインタビューにうかがった際は、
お腹がすいたでしょうと、お弁当を用意しておいてくれました。
また、日帰りで来た私に、
「せめて桜を見て帰ってください」と、
駅まで車で送ってくれる道すがら、桜並木を通ってくれました。
さらに、その元経営者は、
私が手渡した大学院の修士論文を読んで、メールをくれました。
お渡しした修論は、冒頭で書いたとおり、
倒産したCRホームを事細かに研究したものです。
修論の締め切り前に、元経営者に辿り着くことはできず、
倒産前の記事や元社員さんの証言をもとに
教授と討論を重ねてようやく書き上げました。
倒産した会社って、HPも連絡先も消えてしまうし、
みなさんが散り散りになってしまうので、
取材がすごく難しいんです。
そんなわけで、ついに元経営者の連絡先をつかんだのは卒業後です。
ビジネス書に直したかったので、その了承と取材のために
東京から岡山まで会いに行ったのでした。
~ ~ ~
手渡した修論は、
元経営者が読めば、腹の立つ内容も多々あったと思います。
ですが元経営者は、
倒産した社名を公表して
ビジネス書に書き直すことを快諾してくれた上に、
こんなメールをくれました。
「瀬戸川さんの論文を読んで、自分の至らなさが
わかりました。最近はいつも持ち歩いて読んでいます」と。
会社を経営したことのない私が、
他人の会社をズバズバと切っている論文に対し、
こんな謙虚に受け止めてくれるのものかと、
感謝でいっぱいになりました。
その頃の私は、心身とも大変な時期でした。
大学院で1年間、日々、一生懸命学んで卒業し、
まあまあ燃え尽きているのにもかかわらず、
休みも取らずにすぐ修論をビジネス書に書き直し始めていました。
もとの素材を書き直すだけだから楽そうじゃないですか?
当初、私もそう思っていたのですが、大間違いでした。
全然ちがう作業なんです。
一から書き直すのとあまり変わらない…。
今思えば、心身ともに、いっぱいいっぱいでした。
そんなこともあり、
元経営者のメールに思わず涙が出たのをはっきり覚えています。
そして、何が何でも今年中に書き上げなければ!
と、がんばることができました。
私は断捨離、わりとできるほうなんですが、
この資料はやめておこう。
いろいろな記憶が、ここにつまっているから。
一人の経営者は、一人の人間であり、多面的な要素を持つ存在です。
残念な部分もあれば、素晴らしい部分もある。
それを感じる研究・取材でもありました。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士・講師の瀬戸川礼子でした。
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