本の覚書

本と語学のはなし

クリスマス・カロル/ディケンズ

 ダンテの『神曲』を読んでいたら、『クリスマス・カロル』のことを思い出した。
 過去、現在、未来のクリスマスの幽霊がスクルージを過去、現在、未来のクリスマスへと連れていく。それは、地獄から煉獄、そして天国へとめぐるダンテとは、逆の道行きであったかもしれない。
 もう何度も読んでいるが、何度読んでも楽しい。原書を読んだとき、ひょっとして誤訳だらけではないかと思ったものだが、そんなことも気にしない。最も感受性の強い時期に出会ったものだから、ひいき目に見てしまうのだろう。
 そういえば、映画も数種類見ているけれど、最初に見たモノクロのものが忘れがたい。
 毎年この時期には、活字であれ映像であれ、スクルージとともに絶望し、また希望することが必要なのではないだろうか。


 私が持っているのは、まだ『クリスマス・カロル』と表記されていた頃の本である。