やさしい義眼のつくりかた How to make artificial eye and prosthesis

顎顔面補綴という仕事を通じて身につけた義眼やエピテーゼの製作技術やその背景をご紹介。 あまり広く認知されていない技術ですが、どこかで誰かの役に立てればいいですね。 フィギュアなどの趣味にも生かせるように、なるべく特殊な材料や 道具を使わない方法も お伝えできればと思います。 How to make artificial eye and prosthesis.

How to make artificial eye and prosthesis.

2016年03月

人工乳房

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ホーリーウィークで4連休のフィリピンですが、私は今人工乳房の仕事で追い込まれています。

義眼作りのマニュアルよう写真をこの連休で全部撮ってしまう予定でしたが、もうしばらくお預けのようです。

写真は乳房の一部になる乳首の部分ですが、前回の製作時に忘れて乳首の部分だけ残っていたのを見つけました。

なんか乳房再建時の乳首に使えそうな気がしたので、自分の二の腕に貼ってみたものです。

母体のメディカルシリコンに色素を練り込んでいるので、ブラや衣服ですれても色が取れないところが私のこだわりです。

 

眼球の試適

10年以上開発を続けてきた人工乳房。

その時点では究極の完成形かなと思いながらも、新しい材料との出会いがあったり、
作り方や形状に工夫をみつけたりとなかなか進化してきました。

ここ最近急展開があり、というか蒔いてきた種がようやく芽が出だしたといった感じで、
にわかに忙しくなってきています。

おかげでマニュアルとそれに伴ってブログのほうもちとスローダウンしています。
いろいろとお待ちの方々には申し訳ありませんが、しばらくペースが落ちますことご理解くださいませ。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

今日はブラックディスクに虹彩も描け、クリアボタンとの合体研磨も済んだ後の作業を少し。

クリアダミーを試適し眼球の中心点を、患者さんの正面から観察し注意深く決定します。 
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油性マジックで印をつけます。 

ダミーを取り出し、印した部分にオキュラーワックスなどを少量溶かして盛り上げます。
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ここにクリアボタンの軸と同径の軸を取り付けます。

軸が金属であればちょっと熱してつけるのが確実です。
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ワックスを追加して補強しつつ滑らかにします。
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再度試適し、中心点と視線の方向を確認します。
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中心点があっていても虹彩の面が反対側と同じ向きでないと不自然になりますのでご注意。
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この後白目製作に向けて埋没作業に入りますが、クリアボタンと虹彩の合体が済んでいる場合の別の方法も紹介しておきます。

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ダミーの中心部を削りクリアボタンが入るスペースを確保します。
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白、もしくはなるべく透明に近いワックスで、ブラックディスクと合体の済んだ後のクリアボタンを接着します。
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表面に鋭い角などが残らないようにワックスで滑らかにし、再度試適します。

この方法だと出来上がりのイメージをつかみやすいですが、中心点や虹彩の向きを見つけ出すのに少し手作業が増えがちです。
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 写真は例のダミー君2号を使っていますが、実際には患者さんに装用してもらうことになります。

今日は走り書きのような内容で失礼しました。
 

置き去りの耳

しばらく前に作った耳のエピテーゼ。
患者さんは若いフィリピン人女性で、生まれつき片方の耳が小さい小耳症。

職を失ったばかりで、次の職を探すのに面接があるから耳を作りたいとのことでした。

女性なので髪も長く、普段はどちらの耳も見えないので、無理に作る必要はないのでは?
といったのだけれどやはりたって作りたいのだと。

別に気になったのが彼女の姓が日本人の名前でした。
同行してきたお父さんは純粋なフィリピン人のようだったので、失礼ながら事情を聴くと
日本人と結婚したのだけれど、旦那は日本に帰ったまま連絡が取れないのだとか。

正式な手続きを踏んで結婚しているようで、逆に彼女にとってはそれが仇になっているのではないだろうか。
というのもフィリピンでは離婚というのが認められていない。

よっぽどの事情があれば結婚事実の取り消しという方法がなくはないのだけれども、
結構な費用が掛かるのもあり、一般的なフィリピン人には現実的ではないし。

職探しに履歴書を出すとやはりこの日本人の姓が目を引くことになってしまう。

こちらでは就職するときにいろいろと出生証明や無犯罪証明など書類の提出を求められるので、
旧姓で通すということもできないのだろうと思う。

職をなくしたばかりでお金がないので・・・とかなり値切られたのだけれども、こういった事情も察せられ、しかもなんか日本人として変な責任も感じほとんど材料代で作ってあげることにした。

通常まず1個作って色合わせして、使ってもらいその後修正があれば修正してもう一個作り、
結果が良ければさらにスペアをもう一個作ってあげるのがいつもの私のスタイル。

一個でいいからその分半額にして、とよく言われるのだけれど、型を作るまでが一番の労力で、
型ができてしまえば同じものを作るのはそれほど手間ではないので、一個だから単純に半額にはできないのです。

この時はいろいろと条件がよく最初の一個でそのままいける状態でした。

シリコンの材料も新しいもので、柔らかさの具合がかなり改良された耳ができたし、
色合わせも例の水彩絵の具 でのサンプリングで、シリコンのベース色からかなり詰めて色合わせをすることができた。

実際に患者さんに装着しての最終的なステインもほんの少しのキャラクタライズだけで済みました。

そのまま様子見に装着して使ってもらうため1個渡して帰っていただきました。

その後電話で連絡もらったところ、特に問題なさそうだったのでスペアのもう一個を作って次の機会を待っていましたが、結局そのまま戻ってきませんでした。

こういうところもフィリピンならでは、ですね。

なんかもったいないので写真だけでも載せときましょう。

最終的な色合わせをする前なので、シリコンのベース色のみです。
それでもなかなか実際の耳の色に近いので少し自信作になりかけてたんですけどね。

IMG_2529

通常この後実際に患者さんにつけてもらって最終的なステインをします。

部分的な色のニュアンスを合わせたり、毛細血管を描いたりします。

今日は義眼とは関係ないのですが、耳のエピテーゼでした。

最近もっと大きなエピテーゼでじたばたしています・・・
マニュアルがまた延び延びになる・・・うう


顔面補綴マニュアル  やさしい義眼の作り方 How to make artificial eye
How to make Ear Prosthesis 英語版
エピテーゼのつくりかた 耳
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村井 さむ

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日本でのプレッシャーを逃れフィリピンに移住してはや10年、まだ生きてます。やさしい義眼の作り方

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