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#4390 決算分析 : マイケル・ペイジ・インターナショナル・ジャパン株式会社 第25期決算 当期純利益 226百万円


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グローバル化が加速する現代の日本経済において、企業の成長を左右する最も重要な経営資源は「人材」です。特に、高度な専門知識を持つスペシャリストや、国際的なビジネス感覚を備えたバイリンガル人材の獲得競争は、業界を問わず激化の一途をたどっています。この「プロフェッショナル人材の争奪戦」の最前線で、企業と求職者の間に立ち、最適なマッチングを実現する存在が、外資系転職エージェントです。今回は、その中でも世界最大級の規模を誇るリクルーティングカンパニー、マイケル・ペイジ・インターナショナル・ジャパン株式会社の決算を分析。人材紹介ビジネスの収益構造と、グローバル市場で戦う企業の財務戦略に迫ります。

マイケル・ペイジインターナショナルジャパン決算

【決算ハイライト(第25期)】
資産合計: 2,212百万円 (約22.1億円)
負債合計: 1,134百万円 (約11.3億円)
純資産合計: 1,079百万円 (約10.8億円)

当期純利益: 226百万円 (約2.3億円)

自己資本比率: 約48.8%
利益剰余金: 799百万円 (約8.0億円)

【ひとこと】
人材という無形資産を扱うビジネスでありながら、2億円を超える高い当期純利益を計上しており、収益性の高さが際立っています。自己資本比率も48.8%と健全な水準を維持しており、世界的なブランド力と専門性を武器に、安定した経営基盤を築いていることがうかがえます。

【企業概要】
社名: マイケル・ペイジ・インターナショナル・ジャパン株式会社
設立: 2001年(日本オフィス)
事業内容: スペシャリストに特化した人材紹介(正社員、契約・派遣社員)、エグゼクティブサーチ
株主: 英国PageGroupの日本法人

www.michaelpage.co.jp


【事業構造の徹底解剖】
マイケル・ペイジは、1976年にロンドンで創業した世界的なリクルーティング企業「PageGroup」の日本拠点です。その事業モデルは、総合的な人材紹介とは一線を画す「専門分野への特化」という明確な戦略に基づいています。

✔専門特化型のリクルーティング
同社の最大の特徴は、コンサルタントが特定の職種・業界の専門家である点です。「経理・財務」「IT」「法務」「医療・ヘルスケア」など、14もの専門チームを擁し、各分野の深い知識とネットワークを持つコンサルタントが担当します。これにより、企業の専門的な採用ニーズと、求職者の高度なスキルやキャリアプランを的確に理解し、精度の高いマッチングを実現しています。

外資系・日系グローバル企業に強み
日本においては、特に外資系企業やグローバル展開を進める日系企業への人材紹介でマーケットリーダーとしての地位を確立しています。豊富なバイリンガル人材のデータベースは、国際的な人材を求める企業にとって大きな魅力となっています。近年は、この強みを活かし、国内の大手・ベンチャー企業へのサービス拡充も最優先戦略として掲げています。

✔多様な雇用形態に対応
正社員の紹介だけでなく、契約社員派遣社員の紹介も手掛けています。これにより、企業の多様な人材ニーズ(プロジェクト単位での専門家採用など)に柔軟に対応するとともに、求職者にも幅広い働き方を提案できる体制を整えています。

✔エグゼクティブサーチ「ペイジ・エグゼクティブ」
経営層や上級管理職といった、企業の将来を左右する重要なポジションの採用に特化した専門ブランド「ペイジ・エグゼクティブ」も展開しています。これは、人材紹介ビジネスの中でも特に高い専門性とコンサルティング能力が求められる、高付加価値なサービスです。


【財務状況等から見る経営戦略】
堅実な利益計上と健全な財務内容は、日本の労働市場の構造と、同社のビジネスモデルが巧みに噛み合っていることを示しています。

✔外部環境
現在の日本は、多くの専門分野で深刻な人材不足に直面しています。特に、IT/デジタル、ライフサイエンス、金融といった成長分野では、スキルの高い人材の獲得が企業の死活問題となっており、専門性の高い人材紹介会社への需要は非常に旺盛です。また、企業のグローバル化の進展は、語学力と専門性を兼ね備えた人材の価値を一層高めており、同社が得意とする市場は今後も拡大が見込まれます。一方で、景気の動向は企業の採用意欲に直結するため、経済全体の流れに業績が左右されやすいという側面もあります。

✔内部環境
同社のビジネスモデルは、優秀なコンサルタントという「人的資本」が収益の源泉です。売上は、採用が決定した際に企業側から支払われる成功報酬(採用者の年収の一定割合)で構成されます。そのため、貸借対照表は製造業などとは異なり、大きな工場や設備といった固定資産は少なく、現金や売掛金などの流動資産が中心となります。今期2.3億円の純利益は、高い専門性を持つ人材を動かすことで、高い手数料率を維持し、収益を確保できていることを示しています。

✔安全性分析
自己資本比率48.8%は、サービス業として非常に健全な水準です。これは、事業から得た利益を着実に内部留保(利益剰余金は約8億円)として蓄積し、借入金に過度に依存しない安定した経営を行っている証拠です。流動資産(約17.9億円)が流動負債(約11.3億円)を上回っており(流動比率 約158%)、短期的な支払い能力にも全く問題はありません。景気の変動による一時的な業績の落ち込みにも十分耐えうる財務的な体力を有していると言えるでしょう。


SWOT分析で見る事業環境】
強み (Strengths)
・「マイケル・ペイジ」という世界的なブランド力と信頼性
・職種・業界ごとの専門特化による、質の高いマッチング能力
外資系・グローバル企業市場でのリーダー的地位と、豊富なバイリンガル人材データベース
・長年の黒字経営によって築かれた健全な財務基盤

弱み (Weaknesses)
景気変動による企業の採用意欲の増減に、業績が左右されやすい
・優秀なコンサルタントの確保と定着が、事業成長の鍵となる(人的資本への依存)

機会 (Opportunities)
・国内の専門人材(特にIT、医療、金融など)の恒常的な不足
・企業のグローバル化推進に伴う、バイリンガル人材需要のさらなる拡大
M&Aや事業再編の活発化に伴う、経営層や管理職の流動性向上
・テクノロジー(AIなど)を活用した、マッチング精度のさらなる向上

脅威 (Threats)
・国内外の競合人材紹介会社との競争激化
・LinkedInなどのビジネスSNSや、リファラル採用(社員紹介)の普及による、人材紹介会社の介在価値の相対的な低下
・深刻な景気後退による、企業の大規模な採用凍結


【今後の戦略として想像すること】
世界的なリクルーティングのプロフェッショナルとして、マイケル・ペイジ・ジャパンは今後、その専門性をさらに深化させていくことが予想されます。

✔短期的戦略
引き続き、得意とする外資系・グローバル企業市場でのシェアを維持・拡大するとともに、最優先戦略として掲げる日系企業へのサービス展開を加速させるでしょう。特に、人材獲得競争が激しいIT/デジタル、ライフサイエンスといった成長分野に、経験豊富なコンサルタントを重点的に配置し、収益機会を最大化していくと考えられます。

✔中長期的戦略
単なる人材のマッチングに留まらず、企業の採用戦略に関するコンサルティングや、市場の給与水準データ(同社は毎年「年収調査レポート」を発行)の提供といった、付加価値の高い情報サービスを強化していく可能性があります。また、グループのグローバルネットワークを最大限に活用し、海外で活躍する日本人や、日本での就業を希望する外国人材の流動をさらに活性化させることで、国境を越えたタレント・モビリティの中核を担う存在を目指していくでしょう。


【まとめ】
マイケル・ペイジ・インターナショナル・ジャパンは、単なる人材紹介会社ではありません。それは、企業の成長戦略と、個人のキャリアアップの志を繋ぐ、プロフェッショナルな「才能の仲介者」です。第25期決算で示された2億円超の純利益と健全な財務内容は、同社の提供する専門的なサービスが、現代の日本市場でいかに高い価値を持っているかを物語っています。少子高齢化グローバル化が同時に進む日本において、専門人材の最適配置という同社の役割は、今後ますます重要性を増していくはずです。これからも世界基準のサービスで、日本の人材市場の活性化に貢献していくことが期待されます。


【企業情報】
企業名: マイケル・ペイジ・インターナショナル・ジャパン株式会社
所在地: 東京都港区虎ノ門四丁目3番13号
代表者: 代表取締役 チョン・ジン・コー
設立: 2001年(日本オフィス)
資本金: 280,000千円
事業内容: 人材紹介事業(職業紹介事業:13-ユ-040405)、労働者派遣事業(般13-300434)

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