
マラソンシーズン真っ只中!レースに向けて調整に余念がない方も多いのではないでしょうか。さて、「RUNNET」を運営するアールビーズが、毎年恒例の「ランナー世論調査2025」(リンクは文末に記載)の結果を発表しました。本日はこの調査結果を読み解きながら、私たち市民ランナーの「今」とこれからのランニング市場、そしてマラソン大会がどう変わっていくのかについて、いちランナーの視点であれこれ考えてみたいと思います。
調査結果から見える「熱い」ランナー像
まずは今回の調査結果のハイライトをざっくりとご紹介します。とくに注目したのは以下の3点。
ハーフマラソン人気、完全復活の兆し
コロナ禍で一時期落ち込んでいたハーフマラソンの参加率が上昇し、62%(前年比3ポイント増)となったそうです。フルマラソン(69%)には及びませんが、その差は縮まってきています。
フルはちょっとハードルが高いけれど、そこそこ達成感は味わいたい。そんなランナーのニーズが戻ってきたのと同時に、初心者でも参加しやすい5km〜10kmのレース参加も増えているようです。
「週3日以上走る」が6割。習慣化が進む
回答者の約6割が週に3日以上走っているという結果に。ランニングが特別なものではなく、日々の生活の一部として定着している様子がうかがえます。テレワーク普及の余波で時間の使い方が変わったことも影響しているかもしれません。
真剣度アップ?記録更新への熱量が高まる
大会に参加する目的として、「記録更新」や「タイム短縮」を挙げるランナーの意欲が高まっているようです。
ただ楽しく走るだけでなく、「もっと速くなりたい」という向上心を持ったランナーが増えている。これは、後述するおサイフ事情にも関わってきそうなポイントです。
市民ランナーの「おサイフ事情」
では、そんな熱量の高いランナーたちは、何にお金を使っているのでしょうか。今回の調査結果には直接的な金額データはありませんが、昨今のランニングを取り巻く環境を見れば、ある程度の予測はつきます。
まず、誰もが感じているのが「大会参加費の高騰」。 都市型マラソンでは1万5千円〜2万円が当たり前になりつつあります。(いびがわマラソンが4,500円だった頃が懐かしい〜)警備費や人件費の上昇を考えれば仕方ない側面もありますが、年に何本も走るとなると、正直痛い出費かも・・・。
そして、もう一つが「高機能シューズ」の存在。 各メーカーが競い合うランニングシューズは記録更新の強力な武器になる一方で、一足2〜3万円台が当たり前に。「記録を狙うならこの投資は惜しくない」と考えるランナー層の増加が伺えます。これらの状況から予測できるのは、市民ランナーの支出における「選択」の厳格化です。
大会選びがよりシビアに
「この参加費を払う価値はあるか?」「記録が出やすいコースか?」「おもてなしは充実しているか?」「ビフォー&アフターレースは楽しめるか」などの見極め・選別がより厳しくなりそう。本命レースにはお金をかけ、調整レースは練習会の延長線上の安価な大会で済ませる、といったメリハリが進むでしょう。
ここぞというギアへの投資
日々の練習用シューズはコスパ重視で選びつつ、レース用には高価な勝負シューズを奮発する。ウェアやサプリメントも、本当に効果が実感できるものにお金をかける傾向が強まると考えられます。
ちなみに高価格帯のランニングシューズは上級者向けに留まりません。初心者向けの市場でも、素材にこだわり「疲れにくさ」を追求したシューズは上級者向けに負けず劣らず高額です。
これからのマラソン大会はどうなる?淘汰と進化の時代へ
ランナーの目が肥え、お財布の紐が固くなる中で、今後のマラソン大会はどうなっていくのでしょうか。明確な強みがない大会は淘汰されていく厳しい時代が来ると見ています。いえ、すでにその傾向は進んでいますが、今後はより加速するのではないでしょうか。
単に「走る場所を提供する」だけの大会では、高騰する参加費に見合う価値を感じてもらえなくなります。では、どんな大会が生き残り、愛されるのでしょうか?
「記録」か「体験」か、エッジの効いた大会
「公認コースでフラット、記録狙いならここ!」という競技志向に振り切った大会か、あるいは「地元の美食が食べ放題」「景色が最高で観光も楽しめる」といった、走ること以外の「体験」価値が高い大会。中途半端ではなく、どちらかに特化した大会が支持されるでしょう。
初心者・ファンラン層への手厚いフォロー
調査結果にもあったように、ハーフや短い距離の需要が高まっています。これからランニングを始める層や、フルはまだ不安という層を丁寧に取り込むことは、ランニング人口の裾野を広げるためにも不可欠です。制限時間を緩くしたり、完走サポートを充実させたりする工夫が求められます。
基本は変わらず「ホスピタリティ」の力
ランナーがもっとも嬉しく感じる要素のひとつは、沿道からの温かい応援やボランティアスタッフの笑顔、スムーズな運営といった「人の温かさ」を感じられる瞬間です。参加費が多少高くても、「またあの場所で走りたい」と思わせる“本物の”ホスピタリティこそが、昔も今も最強の差別化要因になるはずです。
・・・さて、「ランナー世論調査2025」からは、ランニングがコロナ禍を乗り越えて再び文化として定着し、ランナー自身もより賢く、より熱心に走りと向き合っている姿が見えてきました。
記録を追求する、旅ランを楽しむ、健康のためにのんびり走る・・・市場や大会の環境は変わっていきますが、大切なのは「自分がどう走りたいか」です。
あふれる情報やトレンドに流されすぎず、自分のスタイルとおサイフ事情に合わせて、賢く楽しくランニングを続けていきましょう!