だいたい読んだ順、逐一メモってなかったので上にいくほど記憶があいまい。
うたかたの日々,ボリス・ヴィアン,光文社
訳は野崎歓。めっちゃよかった。比喩表現が字義通りに物質化されるような世界観。
著者はウリポ界隈の人で、文学だけでなくジャズミュージシャンでもあったがそれに加えてタイヤの特許も持っているってどんだけ多才なんだよ。
私のフランス語レベルは保育園以下級なので無理だが、読めるなら原語でよんだほうがいいのかも。
貴族故でもあるが、お前らどんだけ労働を蔑視するん?これフラグやろと思っていたら案の定……という展開。
しゃべるネズミ、春樹の初期作、羊の冒険などはここから影響を受けているのか?
生殖記,朝井リョウ,小学館
アンリミにて
敬体の饒舌体というのは珍しいのでは。普通饒舌体は文章を加速させるが、敬体でやると進行を遅延させる効果がある。小説なんてものは結論に至るまでの遅延行為にすぎないというひらきなおりなのかもしれない。この人の作品は読んだことがなく、桐島を映画で見ただけだがギミックを利かせるのが好きな感じ? 社会の需要にはよく応えられる達者なものかきなんだろうなという感想。なんとなく吉田修一を軽薄にしたような印象だがそれは軽蔑しすぎか。
黄色い家,川上未映子,中公新社
2日で一気に読んだ。
水商売シンママ世帯JK家出してスナック運営順調も、家事で店を失うなど不幸を経てカード詐欺共同生活にたどり着く。
川上未映子はデビュー作とその次の作品を当時読んだ。あんま話の内容は覚えていないが関西弁の饒舌体でよかった。
タイトルの黄色は風水の金運を呼び込む色、帆のガタリの発端である黄美子の黄、スナック「れもん」、そして狂気の色。補色の青は時間の経過、黄美子の墨など対照的な位置づけとして効果的に描写される。
黄美子の印象の変遷、冒頭ではネット記事で記憶に蘇ってきた恐るべき存在みたいな感じだが、それが肩透かしであったことがわかってくる。こたつぶあんを忘れていたり。
文体としてはかなやや多め、ややブロークンな語り口だが、饒舌体というほどではなくほどよく読みやすい感じ
新聞連載という媒体の制約もあってか非常に強力なページターナーでぐんぐん読めるが、読み終わってみると社会的な問題意識を含んでいるということはありつつも、優れたエンタメ作品だなという印象にとどまった。
続く
