
受験用のデッサンを始めたのは、
のろまな私らしく高校3年の夏。
進路なんてあんまり考えていなかったし、
なにせうちの学校は進学校なんかではなかった。
高校の美術の先生に言われて、
画塾に通うようになった。
始めてその教室に行った時の事。
九州でも有名な名門高校の近所にあったその
画塾は外観は煉瓦で間口の狭いビルだった。
1階はエレベーターの入り口と階段しかなく
2階は美容室で
3階には金融会社が入居していた。
4階が画塾(だったと思う)。
学費が払えないと生徒がぼやくと
「下で借りてくれば?」と先生が、
軽くブラックなジョークを言っていた気がする。
狭いけど奥には棚で仕切った先生の個室があって
制服姿の私は、棚をノックをして挨拶に入った。
先生は挨拶代わりに私に煙草を出して
「吸う?」と笑顔で聞いた。
言い方がとても自然で笑えなかったが、
「差別や区別はしないよ」って言われたみたいだった。
今日は何位??
←不思議な居場所を見つけた過去の私に、一つお願いします。