SCREEN135 家族を想うとき
2020年 07月 05日
これは10年後の日本の姿だろうか 公式サイト
とにかく、ここで描かれる宅配業者のブラックぶりがすごい。
宅配業者は配送区間を分割し、”フランチャイズ・オーナー”を募って、各区間を担当させます。
収入は配達料に応じた歩合制、トラックは高額でレンタルするか自前。
配送状況は支給された端末で常時監視されていて、端末を壊せば高額な修理代を支払わされます。
労働時間の規定はなく、休みたければ代行者を立てる。
逆に言えば、配達が終わるまで労働時間は無制限、
代わりのドライバーがいなければ、休みも取れないということになります。
このことが後半、”オーナー”となった主人公を疲弊させていきます。
でもこの”フランチャイズ制”、企業が配送ドライバーを正規雇用せずに働かせる
巧妙な仕組みであることがわかります。
正規社員でなければ福利厚生、社会保障負担もいらないし、
勤務時間規定、休暇付与も必要ない。全ては”オーナー”の自己管理。
でも労働内容は配送ドライバーでしかないことに変わりありません。
哀しいのは、このカラクリに労働側が誰も気付かず、
自分が”オーナー”だと思い込んでいることです。
「麦の穂をゆらす風」「ジミー、野を駆ける伝説」のケン・ローチ監督が
引退を撤回し82歳にして制作した本作。
首都圏でしか上映していなかったのですが、
コロナ禍で地方シネコンでも上映再開にリバイバルやミニシアター系をかけていて、
思いがけず鑑賞できました。
社会の不条理を鋭く批判し、そこで誠実に生きる人々への慈愛を感じさせる
ケン・ローチ監督の作調は健在。
でも前作「わたしは、ダニエル・ブレイク」よりも
ユーモアが減っているような気がします。
それだけ深刻度を増しているということでしょうか。とにかく、ここで描かれる宅配業者のブラックぶりがすごい。
宅配業者は配送区間を分割し、”フランチャイズ・オーナー”を募って、各区間を担当させます。
収入は配達料に応じた歩合制、トラックは高額でレンタルするか自前。
配送状況は支給された端末で常時監視されていて、端末を壊せば高額な修理代を支払わされます。
労働時間の規定はなく、休みたければ代行者を立てる。
逆に言えば、配達が終わるまで労働時間は無制限、
代わりのドライバーがいなければ、休みも取れないということになります。
このことが後半、”オーナー”となった主人公を疲弊させていきます。
でもこの”フランチャイズ制”、企業が配送ドライバーを正規雇用せずに働かせる
巧妙な仕組みであることがわかります。
正規社員でなければ福利厚生、社会保障負担もいらないし、
勤務時間規定、休暇付与も必要ない。全ては”オーナー”の自己管理。
でも労働内容は配送ドライバーでしかないことに変わりありません。
むしろ休みなし、労働時間制限なし、の最悪労働条件になっています。
自分が”オーナー”だと思い込んでいることです。
イギリス社会の格差拡大、中産階級の消失は景気が浮上していない分、
アメリカ以上に深刻なようです。
日本も派遣労働や自己責任だのが拡大解釈していけば、
形は違ってもいずれはこんな社会になってしまうのでしょうか。
今観るべき映画です。
by am-bivalence
| 2020-07-05 12:14
| 人間ドラマ
|
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