ご訪問ありがとうございます!
解いた数学の問題を解説するブログです!管理人のRedchopperです!よろしくお願いします!
今回は基礎事項や定理に関するものをの解説をしていきたいと思います。
「数式見るのはイヤ!」って方もいるだろうと思いますので、できるだけ数式を使わないように問題をアレンジして出題してその問題の解説をしていきます!
解説では数式を使いますのでそこは許してください。m(_ _)m
今回はこのような問題を出すのが初めてなので、試験的に平行四辺形の性質に関する問題を出題して解説していこうかと思います。
目次
・今回の問題
・平行四辺形の性質
・平行四辺形の性質から導かれる事柄
・平行四辺形になる条件〜定理と定義の違い〜
・特別な平行四辺形
・まとめ
今回の問題
問題
次の文章を読み、後の設問に答えよ。
四角形のうち2組の向かい合う辺がそれぞれ平行であるものを平行四辺形という。①平行四辺形には次のような性質がある。
(1) 2組の向かい合う辺の長さは等しい
(2) 2組の向かい合う角の大きさは等しい
(3) 2本の対角線はそれぞれの中点で交わる
また、四角形が次のような性質を持てばその四角形は平行四辺形である。
(a) 2組の向かい合う辺がそれぞれ平行である
(b) 2組の向かい合う辺の長さがそれぞれ等しい
(c) 2組の向かい合う角の大きさがそれぞれ等しい
(d) 2本の対角線が中点で交わる
(e) 1組の向かい合う辺が平行でかつ長さが等しい
問1
下線部①について、平行四辺形の性質を導き出すために用いる事柄として適切ではないものを次の4つのうちから1つ選べ。
①三角形の合同条件
②平行線の公理
③二等辺三角形の性質
④平行四辺形の定義
問2
平行四辺形の性質(1)〜(3)から導かれるものとして適切なものを次の4つのうちから1つ選べ。
①平行四辺形の4つの辺が全て等しい
②平行四辺形の向かい合う角の和が
である
③平行四辺形の隣り合う角の和が
である。
④平行四辺形の2本の対角線の長さが等しい
問3
平行四辺形となる条件(a)〜(e)のうち、定理として導かれるものをすべて選べ。
問4
次の四角形のうち平行四辺形ではないものを1つ選べ。
①正方形
②長方形
③ひし形
④等脚台形
問1の解説
問2の解説
問3の解説
問4の解説
平行四辺形の性質
平行四辺形には次のような性質があります。
平行四辺形の性質
(1) 2組の向かい合う辺がそれぞれ平行(定義)
(2) 2組の向かい合う辺の長さがそれぞれ等しい
(3) 2組の向かい合う角の大きさがそれぞれ等しい
(4) 2本の対角線は中点で交わる
2組の向かい合う辺の長さがそれぞれ等しいことの証明
2組の向かい合う角の大きさがそれぞれ等しいことの証明
2本の対角線がそれぞれの中点で交わることの証明
問1の解答
上の(1)の条件を満たす四角形が平行四辺形となりますが、この性質から他の(2)〜(4)の性質を導くことができます。

↑参考のために図を貼り付けます。
2組の向かい合う辺の長さがそれぞれ等しいことの証明
平行四辺形の対角線を1本引きます。
今回は上の参考図の
を使うことにします。
そうすると
と
に分けることができます。
この2つの三角形が合同だったらなぁ…。と思いませんか?
この願望が通れば証明完了なのですが、やってみましょう!
と
が合同であることの証明
と
において
辺
と辺
は平行で錯角は等しいから
…①
辺
と辺
は平行で錯角は等しいから
…②
共通な辺なので
…③
①、②、③より1辺の長さとその両端の角の大きさがそれぞれ等しいので

これで願っていたことが正しいということが証明されました!
合同な図形の対応する辺の長さは等しいので

ということが導かれます。
これで平行四辺形の2組の向かい合う辺の長さがそれぞれ等しい、ということがわかります。
2組の向かい合う角の大きさがそれぞれ等しいことの証明
先程の証明で
であることは導くことができます。
あとの問題は
が本当に正しいか?というところになります。
今度は対角線
を使います。
そうすると
と
に分かれますので、この2つの三角形が合同であることが言えれば問題が解けそうです。
と
が合同であることの証明
と
において
辺
と辺
は平行で錯角は等しいから
…①
辺
と辺
は平行で錯角は等しいから
…②
共通な辺なので
…③
①、②、③より1辺の長さとその両端の角の大きさがそれぞれ等しいので

合同な図形の対応する角の大きさは等しいので
であることが言えます。
ということで、2組の向かい合う角の大きさがそれぞれ等しいということが導かれました。
2本の対角線がそれぞれの中点で交わることの証明
今度は2本の対角線がそれぞれの中点で交わっていることの証明を行います。
2本の対角線の交点を
とします。(この時点で点
は対角線の中点とは言っていないので注意!)
三角形が4つできますが、ここでは
と
で考えてみます。
この2つの三角形が合同であることが言えれば問題が解決されそうです。
と
が合同であることの証明
と
において
平行四辺形の向かい合う辺の長さは等しいので
…①
平行線の錯角は等しいので
…②
…③
①、②、③より、1辺の長さとその両端の角の大きさがそれぞれ等しいので

合同な図形の対応する辺の長さは等しいので

であることが言えます。
これは2本の対角線がそれぞれの中点で交わっていることを意味しています。(点
がその中点になります)
平行四辺形の性質を導くのに用いたもの
ここまでやってきた証明は
(1) 平行四辺形の定義を使って
(2) 平行線の公理を用いて
(3) 三角形の合同条件を使って三角形の対応する辺の長さ、角の大きさが等しいことを導いた
ということを行ってきました。
ですので、問1の解答は③が正解となります。
対角線の長さが等しければ二等辺三角形の性質を使って平行四辺形の性質を導けそうですが、そうとは限りませんので使えなさそうです。
平行四辺形の性質から導かれるもの
ここまでで平行四辺形の定義から平行四辺形の性質を導き出しました。
この性質を使って、次のことを考えてみます。
①平行四辺形の4つの辺が全て等しい
②平行四辺形の向かい合う角の和が

である
③平行四辺形の隣り合う角の和が

である。
④平行四辺形の2本の対角線の長さが等しい
これら4つの事柄が必ず正しくなるかを検証してみましょう!
平行四辺形の4つの辺の長さはすべて等しいか?
平行四辺形の向かい合う角の大きさの和は必ず180°か?
平行四辺形の隣り合う角の大きさの和は必ず180°か?
平行四辺形の2本の対角線の長さは必ず等しいか?
検証結果(問2の解答)
平行四辺形の4つの辺の長さはすべて等しいか?
次の図形を用意してみました。

後ほど証明しますが、平行四辺形になる条件より、この図形は平行四辺形です。
長さも与えていますが、2組の向かい合う辺の長さは等しいですが、4つの辺は等しくないということがわかります。
ということで、違う例がありましたので平行四辺形の4つの辺の長さはすべて正しいということは必ずしも成り立ちません。
平行四辺形の向かい合う角の大きさの和は必ず
か?
先程の図をもう一度見てみます。
向かい合う角の大きさの和は
もしくは
です。
いずれの場合も向かい合う角の大きさの和が
となっていません。
ということで、違う例がありましたので平行四辺形の向かい合う角の大きさの和が必ず
になるとは限りません。
平行四辺形の隣り合う角の大きさの和は必ず
か?
先程の図を見てみましょう。
隣り合う角の大きさの和は
となっています。
なんか、正しそうな気がします。
心配になるのは「他に違う例が存在しないか」というところです。
そこで次の四角形を考えます。

ここで
とします。
平行四辺形になる条件から、この四角形は平行四辺形です。
四角形の内角の和は
ですので

となります。したがって

となります。
は隣り合う角の大きさの和ですので、平行四辺形の隣り合う角の大きさの和は必ず
であることが言えます。
平行四辺形の2本の対角線の長さは必ず等しいか?
先程の図を参考に対角線の長さを余弦定理を用いて求めてみます。
図には対角線の長さも計算で与えていますので、この図が違う例であります。
余弦定理を用いると


となります。
なので、上の計算結果から
ということがわかります。
よって、平行四辺形の対角線の大きさは等しいということは必ずしも成り立つとは限りません。
検証結果
平行四辺形の性質から言えることは
平行四辺形の隣り合う角の大きさの和は

である
ということが言えました。
よって問2の解答は③が正解です。
平行四辺形になる条件〜定理と定義の違い〜
平行四辺形になる条件として次のようなものがあります。
(a) 2組の向かい合う辺がそれぞれ平行である
(b) 2組の向かい合う辺の長さがそれぞれ等しい
(c) 2組の向かい合う角の大きさがそれぞれ等しい
(d) 2本の対角線が中点で交わる
(e) 1組の向かい合う辺が平行でかつ長さが等しい
(a)は平行四辺形の定義、その他は定理として導かれるものですので、(b)、(c)、(d)、(e)が問3の解答です。
「定義」という言葉と「定理」という言葉は似ていますが、意味は全く違います。
「定義」と「定理」という言葉を理解したうえで、平行四辺形になる条件が正しいことを証明していきたいと思います!
「定義」と「定理」の違い
2組の向かい合う辺の長さがそれぞれ等しい四角形は平行四辺形であることの証明
2組の向かい合う角の大きさがそれぞれ等しい四角形は平行四辺形であることの証明
2本の対角線がそれぞれの中点で交わる四角形は平行四辺形であることの証明
1組の向かい合う辺が平行でかつ長さが等しい四角形は平行四辺形であることの証明
「定義」と「定理」の違い
辞書には「定義」は次のように書いてあります。
「定義」
ある物や事柄をこういうものであると端的に伝えるための説明のことを意味する表現。
平行四辺形とは「2組の向かい合う辺のがそれぞれ平行である四角形」を言う。
というのが平行四辺形の定義です。(平行四辺形がどういうものかを説明したもの)
一方、「定理」は
「定理」
ある理論体系において、その公理や定義をもとにして証明された命題で、それ以降の推論の前提となるもの。
と書いてあります。
平行四辺形になる条件の(b)〜(e)は定義をもとにして証明されるので、定理ということができます。
平行四辺形になる条件の証明は四角形が条件を満たしていることから出発して、その四角形が平行四辺形の定義を満たしているということをチェックします。
証明については最初に貼り付けた参考図を参考に証明を進めていきます。
2組の向かい合う辺の長さがそれぞれ等しい四角形は平行四辺形
仮定は
、証明のゴールは錯角が等しいことを言うことです。
平行線の公理「錯角が等しい2つの直線は平行である」ということを用いれば良いということです。
証明
と
において
四角形の2組の向かい合う辺の長さが等しいので
…①
…②
共通の辺なので
…③
①、②、③より3辺の長さがそれぞれ等しいので

合同な図形の対応する角の大きさは等しいので

錯角が等しいので

2組の向かい合う辺がそれぞれ平行なので、この四角形は平行四辺形である。
2組の向かい合う角の大きさがそれぞれ等しい四角形は平行四辺形
仮定は
、証明のゴールは錯角または同位角が等しいことを言うことです。
今回は辺を延長して補助線を引きます。
証明
辺
を
側から延長し、その延長線上の点を
とする。
仮定と四角形の内角の和が
であることから
…①
また、一直線上の角度は
なので
…②
①、②より
…③
同位角が等しいので
③と仮定より
錯角が等しいので
2組の向かい合う辺がそれぞれ平行なので、この四角形は平行四辺形である。
2本の対角線がそれぞれの中点で交わる四角形は平行四辺形
仮定は
、証明のゴールは錯角が等しいことを言うことです。
三角形の合同を証明するとできそうです。
証明
と
において
仮定より
…①
対頂角は等しいので
…②
①、②より2辺の長さとその間の角の大きさがそれぞれ等しいので

合同な図形の対応する角の大きさは等しいので

錯角が等しいので
と
において同様にすると

となるので
錯角が等しいので
2組の向かい合う辺がそれぞれ平行なので、この四角形は平行四辺形である。
1組の向かい合う辺が平行でかつ長さが等しい四角形は平行四辺形
仮定は
です。
2本の対角線がそれぞれの中点で交わることが言えれば、先程の証明で平行四辺形であることが言えます。
証明
と
において
仮定より
…①
平行線の錯角は等しいので
…②
①、②より1辺の長さとその両端の角の大きさがそれぞれ等しいので

合同な図形の対応する辺の長さは等しいので

この四角形の2本の対角線はそれぞれの中点で交わるので、この四角形は平行四辺形である。
特別な平行四辺形
平行四辺形の中には特別な性質を持つものがいます。
特別な性質というのはいわゆる良い性質を持ったものです。
例えば、すべての辺の長さが等しい、すべての角の大きさが等しいといったところです。
良い性質を持った図形には名前がついていることが多いです。
四角形であれば「正方形」「長方形」「ひし形」「等脚台形」が挙げられます。
これらが平行四辺形の性質を持っているかどうかを平行四辺形になる条件を満たしているかどうかを考えてみます!
正方形は平行四辺形か?
長方形は平行四辺形か?
ひし形は平行四辺形か?
等脚台形は平行四辺形か?
平行四辺形ではなかったものは?(問4の解答)
正方形
正方形は次のような四角形であることが言えます。
正方形
全ての辺の長さが等しく、全ての角の大きさが等しい四角形
この四角形は
・向かい合う2組の辺の長さがそれぞれ等しい
・向かい合う2組の角の大きさがそれぞれ等しい
という条件を満たしますので、平行四辺形であるということができます。
長方形
長方形は次のような四角形です。
長方形
全ての角の大きさが等しい四角形
この四角形は
・向かい合う2組の角の大きさがそれぞれ等しい
という条件を満たしますので、平行四辺形であるということができます。
ひし形
ひし形は次のような四角形です。
ひし形
全ての辺の長さが等しい四角形
この四角形は
・向かい合う2組の辺の長さがそれぞれ等しい
という条件を満たしますので、平行四辺形であるということができます。
等脚台形
等脚台形は次のような四角形のことを言います。
等脚台形
少なくとも1組の向かい合う辺が平行で、平行ではない1組の向かい合う辺の長さが等しい四角形
等脚台形の定義から、平行四辺形ではないということがわかります。
平行四辺形ではなかったのは?
正方形、長方形、ひし形、等脚台形のうち平行四辺形ではないものは等脚台形のみです。
ということで、問4の解答は④が正解です。
まとめ
平行四辺形にはいろいろな性質があります。
隣り合う角の大きさの和が
であることは意外でしたね。
演習問題や入試問題では平行四辺形の性質や平行四辺形になる条件を使って解く問題が出ることが多々あります。
中学で習うような内容ですが意外と馬鹿にはできないです。
ここに平行四辺形がありそう…と思ったらこの内容を思い出すと良いことがあるかもしれません。
それでは!またのお越しをお待ちしております!(^^)/
X(Twitter)で更新を報告しています!フォローよろしくお願いします(・ω・)
https://twitter.com/red_red_chopper