パトカーまでもが追突被害。
千葉・市川大橋で4時間に8件もの事故が相次いだ理由とは。
2026年1月3日未明、千葉県市川市の市川大橋で異常事態が発生した。
路面凍結によるスリップ事故が、わずか4時間の間に8件も発生。
事故処理のため現場に駆けつけたパトカーまでもが追突される事態となった。
なぜ、これほど事故が連続したのか。
この記事でわかること
市川大橋で8件の連続事故、何が起きた?
2026年1月3日午前2時から6時にかけて、千葉県市川市にある国道357号線の市川大橋で、衝突事故が相次いだ。
TBS NEWS DIGの報道によると、この4時間の間に発生した事故は合計8件。
車同士が衝突したケースや、ガードレールにぶつかったケースなど、さまざまな形態の事故が立て続けに起きた。
約30分に1件というハイペース
NHKの報道では、現場で軽自動車が横転して道路をふさいでいる様子も確認されている。
幸いなことに、これだけの事故が発生しながらも、病院に搬送された人はいなかったという。
警察によると、当時の路面には雪が積もり、凍結した状態だった。
車がスリップしたことが事故の原因とみられている。
▼ 事故処理に駆けつけたパトカーまでもが、被害に巻き込まれた
パトカーも追突被害、事故処理中に何が?
事故処理のため現場に駆けつけたパトカーが、後続のトラックに追突された。
TBS NEWS DIGによると、追突が発生したのは午前2時10分頃。
車が衝突したとの通報を受けて駆けつけたパトカー1台が、トラックに追突されたという。
NHKの映像では、パトカーの後部が大きくつぶれている様子が映し出されていた。
警察車両でさえ被害を受けた = プロでも止まれない過酷な路面状況
凍結した路面では、通常の路面と比べて制動距離が大幅に伸びる。
乾燥した路面であれば時速40kmから約10mで停止できる車も、凍結路面では30m以上必要になることがある。
制動距離が3倍以上に伸びる計算だ。
さらに深夜帯という時間帯も影響した可能性がある。
暗闘の中では路面状況の視認が難しく、凍結に気づいたときにはすでに手遅れというケースも少なくない。
加えて、事故処理中の車両への追突は「二次災害」として知られるパターンだ。
先行車両の急停止や渋滞の最後尾に追突する事故は、凍結路面では特に発生しやすい。
今回のパトカー追突も、この構造的リスクが顕在化した形といえる。
▼ なぜ市川大橋は、これほど滑りやすい状態になっていたのか
なぜ橋の上だけ凍結する?科学的メカニズム
橋の上は「地熱が届かない」「風で冷やされる」「結露しやすい」の3条件が重なり、周囲の道路より凍結しやすい。
国土交通省中部地方整備局も、橋の上を「最も凍結しやすい危険な場所」として注意を呼びかけている。
🔬 橋が凍結しやすい3つの理由
【理由①】下が空洞で地熱が届かない
通常の道路は地面の上にある。地中の温度は年間を通じて比較的安定しており、冬でも地面からの熱(地熱)がわずかに路面を温めている。しかし橋の場合、下は川や道路といった空間になっているため、この地熱の恩恵を受けられない。
【理由②】風が吹き抜けて冷やされる
橋の上下左右は開けた空間であることが多く、冷たい風が吹き抜けやすい構造になっている。風が当たると体感温度が下がるのと同じで、路面からも熱が奪われていく。
【理由③】結露が発生しやすい
橋の上では周囲の大気との温度差が大きくなりやすく、空気中の水蒸気が路面で水滴となる。この結露が夜間の冷え込みで凍結し、アイスバーンを形成する。
JAFによると、周囲の道路は凍結していないのに、橋の上だけが凍結しているという状況は珍しくないという。
💡 つまり…
「橋に差し掛かるまでは普通に走れていたのに、橋の上で突然滑り出した」という事態が起こりうる。今回の市川大橋でも、こうしたメカニズムが働いていた可能性が高い。
▼ では、こうした凍結路面に遭遇したとき、ドライバーはどう対処すればよいのか
凍結路面での運転、3つの鉄則
凍結路面では「急のつく操作をしない」「車間距離を2倍以上」「橋の手前で減速」が鉄則だ。
鉄則① 急ブレーキ・急ハンドル・急発進を避ける
凍結路面ではタイヤと路面の摩擦が極端に低下している。急な操作をすると、タイヤがグリップを失ってスリップを引き起こす。ブレーキを踏む場合は、何回かに分けて踏む「ポンピングブレーキ」が有効。
鉄則② 車間距離は通常の2倍以上
制動距離が大幅に伸びる凍結路面では、前の車との距離を十分に確保することが不可欠。セゾン自動車火災保険も「通常の2倍以上」を推奨。
鉄則③ 橋・トンネル出口の手前で減速
橋やトンネル出口は路面状態が急変しやすい場所。橋に入る前から十分に速度を落としておくことで、万が一滑っても被害を最小限に抑えられる。
今回の事故現場を通過した人がSNSで「滑ったからってテンパってブレーキを強く踏まないように」と注意喚起していたが、まさにこの点を指摘している。
⚠️ ABSへの過信は危険
ABSは強くブレーキを踏んでもタイヤがロックしないようにする装置だが、凍結路面では必ずしも万能ではない。氷の上ではABSが作動しても制動距離が伸びてしまうケースがあり、「ABSがあるから大丈夫」という考えは危険。
凍結路面では「止まろうとする」より「滑っても制御できる速度を維持する」という心構えが重要になる。
▼ 根本的な対策として、スタッドレスタイヤの装着も検討すべきだ
「千葉だから大丈夫」の落とし穴
「千葉は雪国じゃないから大丈夫」という油断が、今回の連続事故を招いた可能性がある。
ウェザーニュースによると、1月2日夜から3日未明にかけて関東地方は降雪に見舞われた。
東京では平年より1日早い初雪を観測し、さいたま市では積雪3cmを記録。
千葉県でも雪が降り、明け方には気温が0℃前後まで下がった。
この「前日の降雪」と「朝の冷え込み」の組み合わせが、路面凍結を引き起こしたとみられる。
🗣️ SNSでの指摘(北海道在住ユーザー)
「これは路面凍結が原因じゃなく、冬なのに夏タイヤで走ってることが原因」
北海道や東北など降雪が日常的な地域では、冬季のスタッドレスタイヤ装着が当たり前になっている。
ドライバーも凍結路面での運転経験が豊富で、橋の上での減速や車間距離の確保が習慣化している。
一方、千葉や東京といった降雪頻度の低い地域では、スタッドレスタイヤを持っていない人も多い。
雪国じゃないからこそ、危険な場合もある
降雪経験が少ない地域のドライバーは、凍結路面での運転に慣れていない。
「いつもは大丈夫だから」という正常性バイアスが働き、スピードを落とさないまま橋に進入してしまうケースもある。
千葉県警は「橋の上は非常に凍結しやすい。スタッドレスタイヤをはくなどの対策をして運転してほしい」と注意を呼びかけている。
冬場の運転では、たとえ雪が積もっていなくても、橋やトンネル出口では警戒が必要だ。
とくに夜間から早朝にかけての時間帯は、路面凍結のリスクが高まる。
今回の事故でけが人がいなかったのは不幸中の幸いだった。
しかし、同じ状況は明日、別の場所でも起こりうる。
📝 まとめ
- 橋の上は地熱が届かず風で冷やされるため、周囲より凍結しやすい
- 雪が降っていなくても、橋の上だけ凍結していることがある
- 凍結路面では制動距離が通常の3倍以上に伸びることも
- 急ブレーキ・急ハンドルは厳禁、車間距離は2倍以上を確保
- 「千葉だから大丈夫」という油断が事故につながる
冬場の運転では、スタッドレスタイヤの装着を含めた事前対策と、橋やトンネル出口での慎重な運転を心がけたい。
よくある質問
Q. 市川大橋で何件の事故が発生した?
2026年1月3日午前2時から6時の4時間で、路面凍結による衝突事故が8件発生しました。
Q. なぜ橋の上は凍結しやすいの?
橋は下が空洞で地熱が届かず、風で冷やされやすく、結露が発生しやすい構造のためです。
Q. 凍結路面での運転で注意することは?
急ブレーキ・急ハンドルを避け、車間距離を通常の2倍以上確保し、橋の手前で減速することが重要です。
Q. 今回の事故でけが人はいた?
8件の事故が発生しましたが、病院に搬送された人はいませんでした。