「おはぎゃあ」は相手にしない方が投資はうまくいく
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Yahoo!ニュースに山崎俊輔氏による「おはぎゃあ! 投資でとんでもないマイナスを出した個人投資家がSNSで朝から叫んでも、あなたは叫ぶな」という記事が掲載されています。
この記事では、最近の相場下落局面で増えている「おはぎゃあ」投稿——朝に株価を確認してショックを受け、大幅な含み損を示す資産画面とともに絶望感をSNSでシェアする行為——についておもしろおかしく解説されています。ただ、「自分の経験値を増やす意味でも読み込んでみてください」と書いているのはいただけない。
私は「おはぎゃあ」投稿は読み込む必要などないばかりか、そのようなアカウントは相手にしない方がいいと考えています。場合によってはミュートやブロックを推奨します。
山崎氏が指摘するように、マイナスの金額的インパクトを強調するおはぎゃあ投稿の多くは「投資元本はいくらだったか」の情報が欠けています。たとえば「500万円のマイナス!」という数字だけが独り歩きし、それが資産全体の何パーセントなのかは不明です。
これは公的年金の運用について、マスメディアが損失金額のみを取り上げ、損益率を書かないで大騒ぎするのと構造的に同じです。損失金額だけを切り取った「公的年金、○兆円の損失!」という見出しが大々的に取り上げられ、小さく見える損益率を伏せ、200兆円を超える運用総額や、堅調な累計運用実績には触れない不適切なニュース報道が散見されます。
そのマスメディアのさらに劣化版コピーのようなSNSの煽り投稿を、わざわざ読み込むのは時間の無駄です。
また、山崎氏が指摘するように、下落時には大々的に「おはぎゃあ」投稿をしますが、その後株価が回復しても「おは安心」投稿をすることはあまりありません。つまり、市場の一時的な下落局面だけが不釣り合いに強調されることになります。
ここではっきりさせておきたいのは、下げ相場で感情的になって大騒ぎするのは、自分とまわりの投資家たちにとって思っている以上に有害だということです。
なぜなら、行動経済学(行動ファイナンス)のプロスペクト理論という研究で、人は同じ金額なら利益よりも損失に強く反応するバイアス(心の癖)を持っていて、感情のおもむくままに売買すると、利確はより早く損切りはより遅くなり、「利小損大」になりがちであるということが証明されているからです。そして、SNS投稿など外部からの感情的なノイズは、人が内部で持っているバイアスをさらに増幅してしまいます。
テレビや新聞の時代であれば、市場下落の情報から距離を置くということもある程度可能でしたが、現代のスマートフォン全盛時代においては、好むと好まざるとにかかわらず常時情報が手元に押し寄せてきます。市場下落の情報から逃れることはできないでしょう。
そこで投資家自身の意志の力や知識の力でなんとか冷静さを保つ必要があるのですが、そんな中、わざわざ自分で煽りSNS投稿を読み込みにいくなど論外です。
インデックスファンドの父と言われる故ジョン・ボーグルは「健全な長期投資にとって、直感こそが敵であり、理性こそが友である」と書き残しました。心を落ち着かせること、冷静でいることは、投資においてとても重要なのです。
「おはぎゃあ」は相手にしない方が投資はうまくいくと思います。朝起きてSNSの煽り投稿を読み込む暇があったら、コーヒーをゆっくり飲んだ方が健康にもよさそうです。
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