国内ETFの「市場価格と基準価額の乖離」(24年6月末) 新興国株式に特大の異常値が今月も継続発生
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個人投資家の期待を集めながらも、「市場価格と基準価額の乖離」の大きさが課題と言われてきた国内ETF。
「市場価格と基準価額の乖離」とは、かんたんにいえば、ETFの中身に対して中身どおりの価格がついているか、それとも割高 or 割安な価格がついてしまっているかを表しています。いちばん良いのは、乖離率±0%状態です。
国際分散投資に活用できる主要な資産クラスの国内ETFについて、2024年6月末までの乖離率を調べました。
(1)「米国株式」クラスのETF
まずは、「米国株式」クラス(S&P500)のETFです。
1547 日興 上場S&P500米国株 (信託報酬 年0.165%) 乖離率+0.21%
1655 iシェアーズ S&P500 米国株 ETF (信託報酬 年0.066%) 乖離率+0.14%
2558 MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信 (信託報酬 年0.077%) 乖離率+0.11%
2633 NEXT FUNDS S&P 500 指数(為替ヘッジなし) (信託報酬 年0.066%) 乖離率+0.18%
米国株式クラスのウォッチ銘柄の市場価格と基準価額の乖離は、個人的許容範囲±1.0%に収まりました。ウォッチ銘柄で特に乖離率が小さく優秀だったのは、「MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信」(銘柄コード2558)の乖離率 +0.11% でした。
(2)「先進国株式」クラスのETF
次に、米国や欧州などの先進国(日本除く)に分散投資できる「先進国株式」クラスのETFです。
1680 日興 上場MSCIコクサイ株 (信託報酬 年0.264%) 乖離率-0.15%
1550 MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ) (信託報酬 年0.165%) 乖離率+0.23%
1657 iシェアーズ・コア MSCI 先進国株 (信託報酬 年0.209%) 乖離率+0.21%
2513 NEXT FUNDS 外国株式(為替ヘッジなし) (信託報酬 年0.187%) 乖離率+0.27%
先進国株式クラスのウォッチ銘柄の市場価格と基準価額の乖離は、個人的許容範囲±1.0%に収まりました。ウォッチ銘柄で特に乖離率が小さく優秀だったのは、「日興 上場MSCIコクサイ株」(銘柄コード1680)で、乖離率 -0.15% でした。
(3)「新興国株式」クラスのETF
次に、中国・ロシア・インドなどの新興国に分散投資できる「新興国株式」クラスのETFです。
1681 日興 上場MSCIエマージング株 (信託報酬 年0.264%) 乖離率+2.22%
1658 iシェアーズ・コア MSCI 新興国株 (信託報酬 年0.253%) 乖離率+0.64%
2520 NEXT FUNDS 新興国株式(為替ヘッジなし) (信託報酬 年0.209%) 乖離率+0.31%
新興国株式クラスのウォッチ銘柄の市場価格と基準価額の乖離は大荒れで、個人的許容範囲の±1.0%に収まらない銘柄が今月もありました。
「日興 上場MSCIエマージング株」(銘柄コード1681)は乖離率 +2.22% で、先月に引き続き特大の異常値が出ています。グラフからハミ出てます。日別で見ると1日で 5% 以上乖離している日もあり、明らかに異常な状態が2か月続いています。
ウォッチ銘柄で乖離率がまともだったのは、「NEXT FUNDS 新興国株式(為替ヘッジなし)」(銘柄コード2520)で、乖離率が +0.31% でした。
(4)「全世界株式」クラスのETF
次に、日本、先進国、新興国を含む全世界の株式に分散投資できる「全世界株式」クラスのETFです。
1554 日興 上場MSCI世界株 (信託報酬 年0.264%) 乖離率+0.60%
2559 MAXIS 全世界株式 (信託報酬 年0.0858%) 乖離率+0.24%
全世界株式クラスのウォッチ銘柄の市場価格と基準価額の乖離は、個人的許容範囲±1.0%に収まりました。ウォッチ銘柄で特に乖離率が小さく優秀だったのは、「MAXIS 全世界株式」(銘柄コード2559)で、乖離率が +0.24% でした。
(5)「日本株式」クラスのETF
「日本株式」クラスのETF(TOPIX・日経225)は、昔から東証での売買高も多く乖離が極めて小さいので、気にする必要はないと判断して当ブログでは掲載していません。売買の際に気になる場合は、東証のWEBサイトでETFの市場価格とインディカティブNAV(取引時間中のETFの推定価値)を調べることができます(しかも15秒ごとに更新)ので、チェックしてみてください。(6)今月のコメント
市場価格と基準価額の乖離について、新興国株式の1681で特大級の異常値が継続発生しています。東証や運用会社のお知らせを確認しましたが、乖離理由に関する情報は掲載されていませんでした。今は手を出さない方がよい状態といえそうです。他の米国株式、先進国株式、全世界株式の乖離は、まずまず低位安定していました。
国内ETFは、「iDeCo」や「つみたてNISA」に対応していて使い勝手の良いインデックスファンドと比較されます。すでに個別株投資(個々の企業の株式への投資)をやっているかたや、分配金を再投資するのではなく「使っていきたい」というかたが国際分散投資をしようとする場合は、インデックスファンドよりも国内ETFの方がなじみやすいでしょう。
なぜなら、国内ETFは、注文方法(成行・指値ほか)や税務処理などが個別株とまったく同じだからです。個別株から出てくる配当と同様に、国内ETFから出てくる分配金は現金で受け取れる。慣れ親しんだ感じです。
また、海外ETFと比べても、分配金に海外と日本の両方で二重課税されてしまう分を取り戻すのに確定申告(外国税額控除という作業)が必要なところ、国内ETFには二重課税調整制度に対応した銘柄があるので、それを選べば確定申告不要で楽ちんです。
ニーズはあるはずなので、国内ETFの市場価格は、買う時も売る時もフェアな価格であってほしい。投資家がいつでも安心して国内ETFを売買できるように、関係各所にはがんばってもらいたいです。
資産運用のコアになる国際分散投資に活用できる主要な国内ETFの「市場価格と基準価額の乖離」について、引き続き、毎月ウォッチしていきたいと思います。
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<ご参考>
当ブログによく質問が寄せられる「なぜ、市場価格と基準価額が乖離するのか?」については、下記の東証WEBサイトに端的な説明がありますのでご参照ください。
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