インカムゲインを狙うファンドは「常にプラスの収益効果」で根強い人気ってあなた…

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インカムゲインを狙うファンドは「常にプラスの収益効果」で根強い人気とのこと。投信評価会社のモーニングスターをしてこの認識なので、インカムゲインだけに着目して投資をしてしまう個人投資家が増えるのも無理はないですね。


当ブログでは何度も何度もくりかえし書いてきましたが、投資の評価はインカムゲインとキャピタルゲインを合計した「トータルリターン」で行います。モーニングスターもトータルリターンで投信を評価しています。

たしかに、配当・分配金といったインカムゲインは基本的にプラスしかありません。配当・分配金はもらえなくても最悪リターン0なだけでマイナスにはなりません。それに対して、運用元本部分の損益であるキャピタルゲインはプラスにもマイナスにもふらふらと動き回ります。

すべての投信は、分配金を出したら同じ金額分、基準価額が下がります。例外はありません。基準価額はいわゆる「分配金落ち」となります(個別株やREITの場合は「配当落ち」)。

いくらプラスのインカムゲインを得ても、運用元本部分のキャピタルゲインがその分下がってしまえば、何の意味もない。トータルリターンがプラスになって、初めて投資家は利益を得られます。にもかかわらず、都合が良いところ(マイナスにならないインカムゲイン)だけしか見ない投資家が一定数いるし、モーニングスターのコラムはそれを助長しています。

上記コラムでインカムゲインについて「常にプラスの収益効果」などと煽っておきながら、自サイトでの投信評価は、常にプラスとは限らないキャピタルゲインとインカムゲインを合算したトータルリターンで、涼しい顔で投信を評価しています。

モーニングスターは自社の投信評価基準とこのコラムの内容に、一貫性がないのではないかと私は思います。

上記のモーニングスター記事では、「インカムゲインに着目したファンド」として、

「ダイワ J-REITオープン(毎月分配型)」
「マニュライフ・円ハイブリッド債券インカム(年1回)」
「ピクテ・グローバル・インカム株式(毎月分配)」
「フィデリティ・USリートB(H無)」

の4銘柄のアクティブファンドが取り上げられています。



そのうち、何度も名前が登場していちばん言及されているのが「ダイワ J-REITオープン(毎月分配型)」ですが、掲載されているグラフを見ると、トータルリターンがマイナスです。

はぁ? なにそれ??

自己矛盾してませんかね。それならばと、グラフがいちばん右肩上がりに上がっている「フィデリティ・USリートB(H無)」は、けっこういい感じに見えます。

しかし、同じ資産クラスのインデックスファンドである「eMAXIS 米国リートインデックス」をトータルリターンで比較したグラフが以下のとおりです。

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(フィデリティ・USリート・ファンド B:チャート情報 - みんかぶ(投資信託) より引用)

分配金を出さないシンプルなインデックスファンドの方がトータルリターンが高いです。比較できる最大期間の5年で比べてみると、その差がさらに広がります。

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(フィデリティ・USリート・ファンド B:チャート情報 - みんかぶ(投資信託) より引用)

インカムゲインが「常にプラスの収益効果」というのは結構ですが、トータルリターンが相対的に高い低コスト投信を紹介せず、トータルリターンでマイナスの投信を取り上げてまで、いったい何を宣伝したいんですかね。せっかく貴重なデータをお持ちなのに、特定のアクティブファンドをすすめるコラムにおいては、度々ロジックが無理筋になるのはなぜなのでしょうか。

耳タコのくりかえしになりますが、投資の評価はインカムゲインとキャピタルゲインを合計した「トータルリターン」で行います。トータルリターンにインカム系もキャピタル系もないこと、トータルリターンをインデックスと比較して評価することを、個人投資家は覚えておいた方がいいと思います。


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