手っ取り早く銘柄選定する方法?

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トウシルに「手っ取り早く銘柄選定する方法とは?」という記事が掲載されています。

手っ取り早く銘柄選定する方法とは? | トウシル 楽天証券の投資情報メディア

 株式投資において、どのように銘柄選定をしていったらよいか、悩まれている方もいるのではないでしょうか? 現在、上場企業は約3,800社あって、その中から銘柄を選定していくことは容易ではありません。 そこで、今回は、効率的に手っ取り早く銘柄…


詳しくは上記記事をご覧いただきたいのですが、ざっくりまとめると、手っ取り早く銘柄選定する方法は「投資信託の組入銘柄を参考にさせていただく」という方法とのこと。タイトルからして嫌な予感しかしなかったのですが、読んでみて、これはちょっとおすすめできない投資法だなと思いました。

他人の売買に便乗する投資法は昔からあり「コバンザメ投資法」などと呼ばれ、素人がやるよりはマシかもしれない方法として一定の評価はされていたように思います。しかし、著名個人投資家のきまぐれ情報公開以上に、投資信託の情報公開は遅すぎます。

投資信託の組入銘柄が運用報告書で公開されるのは通常年1回です。それも、決算が行われてから(公開する組入銘柄が決まってから)運用報告書が公開されるまでの間には1か月以上のタイムラグがあるのが普通です。

なによりも、アクティブファンドは同じ銘柄であっても株価水準によって激しく売買することが多い。売買の頻度は「売買高比率」と呼ばれていて、運用報告書で公開されています。たとえば、上記記事で例示されているアクティブファンド「新成長株ファンド」(明治安田アセットマネジメント)の直近の売買高比率は「1.29」です。これは1年間でファンドのすべての保有銘柄を入れ替えただけでなく、それプラスアルファで30%近い銘柄を激しく入れ替えたと読める数値です。

一般的に、他人の売買の後追いは、よほどピッタリ合わせたタイミングで行わない限り、他人がもう売りたい時に買うことにつながり、いわゆる「養分」となってしまう要素が大きくなります。ファンドの運用報告書が出た直後ならまだしも(それでも十分に遅いですが)、何か月も経ってから上位銘柄を参考に買っても、ファンドはそんな銘柄はとっくに売っぱらっているかもしれないし、もしかしたら、運用報告書を見て買うような人たちを狙って高値で売り抜ける準備をしているかもしれないのです。(あくまでも可能性の話ですが)

そもそも、「手っ取り早く」儲けられるかもしれない投資法は、「手っ取り早く」損するかもしれない投資法でもあります。リスクとリターンは表裏一体であり、リスクは低いのにリターンだけ高い投資法や商品は存在しません。大きなリターンを得るには、高いリスクを取るか、長い時間をかけるかのどちらかしかない。「手っ取り早く」の裏には高いリスクが隠れているはずだと疑うくらいの健全な猜疑心は投資において必要だと思います。

ただでさえ手間がかかって難しい個別株投資を志すのであれば、手っ取り早く銘柄選定できる投資法なんぞに飛びつくのではなく、銘柄選定と投資タイミングくらいは自ら判断できるようになるべき。

それすらできない投資家には、アクティブファンドの真似事をさせるよりも、市場平均であるインデックスファンドの積み立て投資をすすめる方が、よほど良心的なアドバイスではないかと私は思います。

ちなみに、毎年、アクティブファンドの7割~8割(年によってはそれ以上)がインデックスに負けていることは、洋の東西を問わず、知る人ぞ知る有名なデータです。覚えておいて損はない事実だと思いますよ。


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S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が毎年発表している「SPIVA」というアクティブ運用とパッシブ運用(インデックス)のパフォーマンス比較データがあります。直近2020年の結果を見てみます。SPIVAではグラフで1年、3年、5年の成績がインデックスに負けたアクティブ型投信の比率を国別に見せています。米国、カナダ、メキシコ、ブラジル、チリ、欧州、南アフリカ、インド、日本、オーストラリアの10カ国です。5年間の成績がイン...

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