ひねくれくうみんさんの ブログ記事で知りました。高田郁「みをつくし料理帖」

神田御台所街の料理屋で店主に店を任されている 澪(みお)。
故郷大阪の味が、江戸の人々に受け入れられないことなどに苦労しながらも、人々の人情に支えられ研鑽を続けていく、、、というお話です。
NHKでドラマにもなりました。


ヒロイン澪は、大阪の水害で、わずか8歳の年に両親を亡くします。大きな料理屋「天満一兆庵」を営む夫妻に拾われ奉公人となりますが、その料理屋も火事で消滅。息子を頼って江戸に行く夫妻に付いては行ったものの頼みの息子は行方知れずだった。。。
不幸に続く不幸。なんですが、お話の折々、人々の人情に、また、心が折れそうになりながらも頑張る澪に、心があったまりました。
たとえば、澪がお稲荷さんにお供えした油揚げがいつの間にかになくなっていることを不思議に思うシーン。
「神狐はんが食べはったん?」
(中略)
見知らぬ誰かの食の情景に、澪の作ったものが混ざる。それを思うだけで、澪は胸の奥がじんと痛いような温かいような、不思議な感覚になる。
何かを美味しい、と思えれば生きることができる。たとえどれほど絶望的な状況にあったとしても、そう思えればひとは生きていける。そのことを澪は誰よりもよく知っていた。
---美味しいものを作りたい---美味しい料理の描写も良くって。心がほっこり。たとえば、澪が勉強のため日本橋の高級料理屋「登竜楼」に行き、吸い物を食すシーン。
ほどなく運ばれてきた椀は、龍蒔絵の吸い物椀。下から包むように触れる。漆の質感で、澪は店主の器選びの確かさを思った。
「ああ」
蓋を取った瞬間、上品は鰹の香りが広がる。つる屋で嗅ぎ慣れた濃厚な鰹出汁の香りとは全く別物だ。奥ゆかしく、そのくせ、うっとりするほど芳しい香り。
澪は夢中で椀に唇をつけて、その汁を吸った。口に含むと、鰹のほのかな香りが鼻へと抜けていく。ゆっくりと飲み込む。途端、澪は瞠目した。なんと抑制の利いた爽やかな味だろう。これが鰹出汁の本当の味なのか。雑多な日常に硬くなった心をほぐしてくれるような、秀逸な小説でした。シリーズで何冊も出ているようなので、次を図書館予約しなければ!(^o^)丿
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