前回に引き続きイタリアの合理的建築のご紹介です。夏の旅行で訪れたグラードの帰りに立ち寄りました。
Toraviscosa トラヴィスコーザ
イタリア北東部、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州にある小さな町、トラヴィスコーザ。1937年、ファシズム政権下の「自給自足(Autarky)」政策の一環として誕生したこの町は、民間のセルロース工場を中心に計画的に形成された産業都市のひとつです。
合理主義建築で統一された街並み、広場を中心に機能的に配置された施設群、そして今も残るモニュメントやスローガン - そのすべてが、歴史の一時代を静かに語りかけてきます。


労働は全てに打ち勝つ
(ラテン語)
私が訪れたのは金曜日の夕暮れ時。人の出入りは少なく、町全体にどこか不穏な空気が漂っていました。整然とした街並みの中に、時代の重みが静かに沈殿しているような感覚。観光地としての華やかさはないけれど、だからこそ“見過ごされる美”に気づける場所でもあります。
本来の目的地はジェラートでした
トラヴィスコーザは、合理主義建築とファシズムの痕跡が残る計画都市であると同時に、農業の町でもあります。町の中心から車で5分ほどの場所には、地元の酪農企業が経営する乳製品のお店があり、そこでは新鮮なミルクを使ったジェラートが味わえます。
お手頃価格で、驚くほど美味しい。
実はこのお店こそが、今回の旅の本来の目的地でしたけれど、ジェラートにたどり着くまでの道のりで、思いがけず歴史と建築に触れることができたのは、嬉しい“おまけ”のような体験。静かな町の夕暮れとともに、心に残る旅の締めくくりとなりました。

大好きなチョコチップジェラート
Bar Bianco Torvis
またしても本当に美味しいイタリア料理は郊外にあることが判明されました。
