証券会社で働いて居ます

証券会社で働くOL達の在りふれた日常を描いた物語です♡

偶々席が隣り合った人とくちづけるまで

~ Bella giardino ~

 

 

 

女は日本へ帰国するのだという。

 

料理の勉強で、フランスに二年ほど住んでいたらしい。

 

 

僕の母親は、僕をコックにしたいらしく、

 

僕が望めば入りたい学校に入らせてやるし、

 

どんなレストランにでも修行に行かせてやると言っていた。

 

それなら試しにと、

 

近所の小さなレストランで

 

アルバイトのようなことをさせてもらっていたが、

 

僕はいつもその店の老店主に褒められた。

 

才能が在ると。

 

自分の若い頃よりもセンスが在ると。

 

その老店主は元々かなり有名な、実力の在る料理人だったらしいので

 

悪い気はしなかったけれど、

 

僕の両親がどんな企業に勤めているのかは、もちろん知っているわけだし、

 

話半分に聞き流すことにしていた。

 

けれど、

 

それでも料理は愉しくて、

 

本当に好きになった。

 

その店で老店主に料理を教えて貰うほどに、

 

自分に本当に才能が在るのか、

 

或いは無いのか、

 

それは解らないけれど、

 

もし本当になれるのであれば、

 

将来本当に、コックになっても良いかなと、

 

そう思うようになっていた。

 

 

女が、

 

パン・ド・カンパーニュを、酵母を起こすところからつくるのだ

 

 

言うので、

 

僕も自家製酵母チャバッタやフォカッチャをよく焼いていることや、

 

酸味の強い生地が好きなので、

 

ときどきわざと過発酵させたりして愉しんでいることなどを話すと、

 

とても喜び、

 

興味深げに他にも色々と訊いてきた。

 

話しが弾み、

 

僕たちの会話が途切れることは無く、

 

とても愉しい時間を過ごすことが出来た。

 

こういうのを意気投合というのだろうか?

 

兎に角、女と僕は、

 

とても気が合い打ち解けた。

 

僕は話しながら女の手を握ったり、

 

指をもてあそんだりしていたのだけれど、

 

女は気にする様子など全く見せず、

 

ずっと笑顔で喋っていた。

 

僕たちのことを知らない人が見れば、

 

きっと長くつきあっている恋人どうしだと思うに違いないと、

 

僕は思った。

 

機内食を食べながらワインでも吞もうかという話しになって、

 

最初にヴァンムスーとシャルドネ

 

両方ともフランスのものをグラスで一杯ずつ吞んだところで女が、

 

「ボトル頼んじゃわない?御馳走するよ」

 

 

言うので、

 

「え?良いの?嬉しい。ありがとう」

 

と、

 

答えた。

 

ワインが届くと女は、

 

あとはこちらでやるからと言ってカバンからソムリエナイフを取り出した。

 

偶然にも僕に料理を教えてくれていた老店主が持っていたものと同じ

 

ラギュオール社のもので、

 

現行モデルながらシックなデザインのそれは、

 

女の、ワインに対する気持ちが、

 

遊びやファッションで無いということを匂わせた。

 

女がハンカチでエチケットを隠しながらグラスに注ぎ、

 

いたずらっ子みたいな目で僕を見る。

 

そこまで詳しくはないのだけれど……、

 

当てられたら格好良いよなぁ……。

 

などと思いながら鼻先をグラスに近づけると……、あ……、

 

ラッキーかも?……。

 

スワリングすると、

 

『かも?』は『間違いない』に変った。

 

ブラックプラムやダークチェリーなどの黒い果実を思わせる香り、

 

くちに含むと酸が鮮やかでしっかりとしたミネラル感。

 

熟成度は中程度か……。

 

老店主の店でもサーヴィスしている、

 

呑み慣れた、

 

地元品種の赤ワイン……。

 

シチリアワインだね。

 品種はネロ・ダーヴォラ。

 たぶん5~6年の熟成じゃないかな?」

 

女は目を円くしてハンカチで隠していたエチケットを見せる。

 

とても驚き、暫くの間凄い凄いと言い続けていた。

 

女が僕を見る目付きがさっきまでとは明らかに変っていた。

 

僕が育った島、シチリアのワインでなければきっと、

 

ここまで当てることはできなかっただろう。

 

もちろんそのことは黙っておいた。

 

食事を終えてからも僕たちは、

 

ちびちびと残りのワインを呑みながら会話を愉しんだ。

 

時間と共に変化して行くワインの味わいや、

 

今この状態では何とマリアージュさせるのが良いかなど、

 

やや専門的な話しに付き合える知識を待っていて、本当に良かったと思った。

 

女は随分と酔ってきているらしく、

 

目付きがトロンとしてきて、

 

僕の耳に息が掛かるくらいの距離で話す……。

 

僕の左肩に頭をもたせかけてきたので、

 

左の頬に手を添えてくちづけたら、

 

一瞬目を丸くして、少し身体を離したのだけれど、

 

僕がもう一度手を伸ばして引き寄せると、

 

抵抗しないで目を閉じた……………………………………………………………

 

 

 

         TO BE COMUGIKO

 



 

 

「オイ朔乃………………

 クレソン発芽したって言ってたよな?……………………」

 



「えっ…………………

 えっとぉ………………………」

 

 

「ん?」

 

 

「あっ…あのっ…………………

 はっ…はい…………………

 言いました…………………………………」

 

 

「言いましたじゃねーだろ?………………………」

 

 

「えっと……………………

 でっ………………………………

ですよねぇ…………………………」

 

あの……バーテンダーさん………………………
イタリア人って蛸好きなイメージが在るんですけど……………………………
実際のところどーなんですか?…………………………

 

そうだなあ…………………………
どの地域の人達も………………………
たぶん嫌いではないと思うんだけど……………………
実際に蛸をよく食べて居るのは
南イタリアの人達に限定されるかな……………
今夜はシチリアの蛸料理を………………
日本人向けにアレンジしてみたよ…………………………

 

シチリアタコライス・タコの竹輪置き換えアレンジ☆

 

ステキ…………♪♡♡♡

 

イタリア人に怒られるよ?…………………