東野圭吾は、ガリレオシリーズや加賀恭一郎シリーズでお馴染みの大人気ミステリー作家だ。
東野圭吾は、ガリレオシリーズの『容疑者Xの献身』で直木賞を受賞している。『探偵ガリレオ』などガリレオシリーズは福山雅治主演でドラマ化され、かなり話題になった。他に有名な作品を列挙してみると『白夜行』とか『秘密』がある。
そんな大人気作家・東野圭吾だが、著作の国内累計発行部数が1億部を突破した。国内累計発行部数は2023年時点で1億77,380部である。
また、東野圭吾作品の人気は国内にとどまらず、海外でも幅広く翻訳されている。現在は37の国と地域で出版中のようだ。その推定累計発行部数は約6800万部で、全世界の推定累計発行部数は1億6,800万部を超える。
そんな東野圭吾の作品の数ある人気シリーズの中でも、雪山を舞台にしたのが雪山シリーズである。東野圭吾作品ではこういうタイプの主人公は珍しいのではないかと思う。東野圭吾自身が無類のスノーボード愛好家であることから生まれたシリーズだ。
映画化・ドラマ化されているシリーズでもある。
この記事では東野圭吾の雪山シリーズの全作品の紹介とシリーズの読む順番を紹介したい。
東野圭吾の雪山シリーズとは?
東野圭吾の「雪山シリーズ」は、スキー場を舞台にしたサスペンス小説シリーズ群である。シリーズは「白銀ジャック」、「疾風ロンド」、「恋のゴンドラ」、「雪煙チェイス」の4作品から成り立っており、それぞれが共通のスキー場が舞台となっている。
また、雪山シリーズの特徴だが、作品ごとにジャンルの色合いが微妙に異なる。『白銀ジャック』は緊迫感あふれるクライム・サスペンスであり、『疾風ロンド』はコミカルな要素を含んだ冒険活劇、『恋のゴンドラ』はビターな恋愛ミステリ、そして『雪煙チェイス』は王道の逃亡サスペンスである。
「白銀ジャック」では、スキー場に爆弾が仕掛けられ、年末の混雑したゲレンデでの緊迫した状況が描かれる。続く「疾風ロンド」では、生物兵器を巡るスリリングな展開が待ち受けており、読者を引き込む。「雪煙チェイス」では、無実の大学生がアリバイを証明するために奮闘する姿が描かれ、雪山の美しい風景と共に緊迫感あふれるストーリーが展開される。
このシリーズは、東野圭吾の巧みなプロットとキャラクター描写が光るシリーズで、スノーボードやスキーの知識が随所に盛り込まれているため、スノーボードファンにも楽しめる内容となっている。
東野圭吾は大のスノーボード好きで知られている。東野圭吾は「SNOWBOARD MASTERS(SBM)」というスノーボードの総合的な技術を競う大会を主催するほど愛好家である。そのスノーボード愛が高じて生まれたのがこの雪山シリーズなのかもしれない。
雪山シリーズの読む順番は?
東野圭吾の雪山シリーズの読む順番だが、各作品はそれぞれ独立した事件を描いており、一話完結しているので特にない。基本的にはどの順番から読んでも支障はない。
ただ、雪山シリーズを通じて登場している根津昇平と瀬利千晶というキャラクターがいて、二人の関係性の推移を見たいなら刊行順に読んだ方がいい。その場合の読む順番は「白銀ジャック」、「疾風ロンド」、「恋のゴンドラ」、「雪煙チェイス」である。
4作品はそれぞれ作風が微妙に違うのだが、舞台となる「里沢温泉スキー場(モデルは野沢温泉スキー場とされる)」は同じである。
①白銀ジャック
物語は、経営難に喘ぐ「新月高原スキー場」に届いた一通の脅迫メールから幕を開ける。「ゲレンデのどこかに爆弾を埋めた。爆発させたくなければ身代金を支払え」。犯人は、警察への通報を厳禁し、ゲレンデの地形や運営システムを知り尽くした者でなければ不可能な要求を次々と突きつけてくる。
索道技術管理員の倉田玲司は、客の安全を第一に考え警察への通報を主張するが、経営陣は風評被害による倒産を恐れ、内密に事態を収拾しようとする。倉田は、若きパトロール隊員・根津昇平、スノーボードクロス選手・瀬利千晶ら現場のプロフェッショナルたちと共に、広大な雪山に隠された爆弾を捜索し、姿なき犯人との知能戦に挑む。犯人の動機は金か、それとも過去に起きた悲劇的な事故への復讐か。すべての鍵は、一年前に血に染まった「禁断のゲレンデ」にあった。
②疾風ロンド
大学の研究所から、違法に開発された強力な生物兵器「K-55」が盗み出される。犯人は研究所所長に対し3億円を要求するが、なんと交渉の直前に交通事故であっけなく死亡してしまう。残された手がかりは、犯人が死に際に持っていた受信機と、とあるスキー場で撮影された「テディベア」の写真のみ。
「K-55」は気温が上昇すると容器が破損し、致死性のウイルスが散布される仕掛けになっている。タイムリミットが迫る中、研究員の栗林和幸は、中学生の息子・秀人を連れ、写真の背景を頼りに日本最大級のスキー場「里沢温泉スキー場」へ向かう。スキー初心者の栗林は、パトロール隊員の根津とスノーボーダーの千晶の協力を仰ぎ、広大なゲレンデの中から埋められた生物兵器を探し出すという、無謀なミッションに挑む。
前作『白銀ジャック』の重厚なタッチから一転、本作は「犯人が冒頭で死ぬ」という意表を突く展開から始まり、全体を通してコミカルなトーンで描かれる。
③恋のゴンドラ
これまでの長編サスペンスとは異なり、本作は「恋愛」をテーマにした連作短編集である。舞台は同じく里沢温泉スキー場。
都内で働く広太は、同棲中の婚約者・美雪に「出張」と嘘をつき、合コンで知り合った桃実とスノボ旅行へ向かう。しかし、ゴンドラに乗り込んだ彼が遭遇したのは、ゴーグルとマスクで顔を隠した「声の聞き覚えのある女性」たちだった。
そのほかの話だが、プロポーズ大作戦を企てる男たちの滑稽な奮闘や、ゲレンデで見かけたイケメンをめぐる女性たちの腹の探り合いなどが描かれる。
一見バラバラに見えるエピソードだが、登場人物たちが微妙にリンクしており、最終的には一つの大きな人間関係の図絵が浮かび上がる構成となっている。各短編の結末には、東野ミステリらしい切れ味鋭い「オチ」が用意されている。
④雪煙チェイス
大学生の脇坂竜実は、ある日突然、強盗殺人の容疑者として警察に追われる身となる。彼のアリバイを証明できる唯一の人物は、事件当日に長野県のスキー場で出会った、正体不明の美人スノーボーダーだけだった。彼女の名前も連絡先も知らない竜実は、友人の波川と共に、彼女がホームゲレンデとしている里沢温泉スキー場へ向かうことを決意する。
それを追うのは、警視庁の刑事・小杉。小杉は本庁のエリートたちの手柄争いに巻き込まれ、所轄の刑事として竜実を追跡するよう命じられる。
「本庁より先に捕まえろ」。警察組織の理不尽な命令と、自らの正義感の間で揺れ動く小杉。そして、逮捕されれば人生が終わるという極限状態の中で、一縷の望みをかけて雪山を疾走する竜実。果たして竜実と波川は、警察の包囲網をかいくぐり、「女神」を見つけ出して無実を証明することができるのか。
映像化された雪山シリーズ
雪山シリーズだが、ほかの東野圭吾作品と同様にドラマ化・映画化されている。
白銀ジャックはドラマ化され、疾風ロンドは阿部寛が主演で映画化されている。
そして、『雪煙チェイス』だが、2026年1月にNHKでドラマ化予定だ。ムロツヨシ演じる小杉刑事と、細田佳央太演じる竜実の「追走劇」がどのように描かれるか気になるところだ。
まとめ
東野圭吾雪山シリーズは、東野圭吾のスノーボード好きが高じて生まれた雪山を舞台にしたシリーズだ。内容的に読む順番は固定されていないが、登場人物の成長や変化を追いたいなら刊行順に読むのが良いだろう。
雪山シリーズの刊行順は「白銀ジャック」、「疾風ロンド」、「恋のゴンドラ」、「雪煙チェイス」である。時間があれば、ぜひこの順番で読んでみてほしい。




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