好きな俳優の出る映画は必ずしも良い作品とは限らないけれど、好きな俳優が出演する作品は観たくなるのが人情だ。
トニー・レオンの出る映画は観るようにしている。
ゴールド・フィンガー(金手指)というトニー・レオンとアンディ・ラウ共演の作品を観た。
香港の80年代バブルの詐欺事件というのがテーマらしく、トニー・レオンがえげつない詐欺師を魅力的に演じている。
80年代の株式市場を舞台とした詐欺師の映画、ウルフ・オブ・ウォールストリートを思い出させる。
詐欺師と言うのはどの時点から詐欺師になってしまうのだろうか。
トニー・レオン演じる、チンは裸一貫で福建省から香港にやってくるのだが、望む職は得られず自分の才能は別であることに気づく。
商売をするにはハッタリも必要だろう。
ましてや何も元手を持たないものには。
そのハッタリの技術がいつの間にか詐欺に近づいていくのは、詐欺師は他者の期待を満たしながら、詐欺師と他者が共依存していくからだろう。
人間はハッタリや詐欺師のアプローチを無意識に望んでいる。

トニー・レオンの演技は素晴らしいのでもっと文学的な作品に出てほしい。ピウプより。