片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

悪役の誘惑

名脇役の多いドラマは大体当たりドラマだ。面白そうなタイトルや俳優のドラマを見つけても、観るまではこのドラマにハマって観続けられるかどうか最初の一話か2話あたりで見当がつく。役者の力不足だったり魅力がなかったりするとドラマは萎んでいって観る気力がなくなる。キャスティングの妙と魅力的なキャラクターの役作りがドラマの要だ。

とくに悪役は主人公よりも物語を盛り上げるのに大切なポジションなので充分な演技力が確保されていなければ悪役が成り立たない。悪役こそ物語を引っ張っていく重要な牽引役なので、主人公をトコトン苦しめるタフネスと悪知恵と卑怯さを表現していかなければならない。現実こんな人が周りにいたらたまらないが、ドラマ鑑賞では必要不可欠な悪役。善人ばかりでは物語は始まらない。

悪役を演じることは役者にとっては演じ甲斐があるのかもしれないが、そのキワドイ役がはまり役でブレイクしてしまったら、悪役専門俳優みたいになってイメチェン脱出できないのも大変だ。

脇役のキャラクターが魅力的すぎて、スピンアウトしてそのキャラクターが主人公になるドラマも面白い。

 

会合のお店選びは

赤ちゃんを出産したばかりの友人に会うことになった。赤ちゃんを連れてくるということなので、赤ちゃんを入店させても良いお店探しをする。赤ちゃん受け入れ態勢の整ったお店、ベビールームや授乳室などのあるお店など検索してみると沢山出てきて迷ってしまう。ベビーカーを入れても良し、離乳食を持参してもよし、若いママさん同士で気楽に安心して外食ができるお店があるのは良いことだ。

今回の待ち合わせは銀座で、年末の混み合う時に希望時間を入れられるところはなかなか見つからず、とにかく赤ちゃん連れに優しいお店であることを最優先で検索をしてみた。ママさんによるクチコミというのが子連れならではの視点なのでとても有効な情報だった。地下鉄からのEVやお店への移動がスムーズかなど、ベビーカーでの最良の導線がママにとっては労力を節約出来る。

今回の会合の場所は今までにない新しい観点で選べた。またお店のスタッフが赤ちゃんや子供が来ることに慣れていることが何より嬉しい。



年齢制限やお洋服の規則があるレストランもある。

年末のニュース番組

年末年始になると事故や災害が多くなるように感じられる。大晦日という締切に心理状況が落ち着か無くなるのか、駆り立てられるような見切り発信のような状態になる。不可解な事件や交通事故、大規模火災などが次々ニュースで報じられると恐ろしくなる。大事故や災害や戦争のニュースを見ていたくない。昔、定年間近の学校の先生が新聞やニュースは見ないようにしているという方がいて、なぜなら気持ちが落ち込む事ばかりが報道されているからと仰っていたのが大人になってよく理解できる。

年末になると芸能界も政治活動もスポーツ興行も株式市場もニュースが閑散としてくるから今年の振り返りニュースやら、昭和の懐メロやら、そんな特別番組ばかりになる。年末はそんなニュースの源泉が少ない時だからなおさら事件が強調されて感じてしまうのだろうか。

年末で嬉しいのはなかなか観ることのできない古い名作映画が沢山放映されること。ご馳走も食べ飽きたので静かに暖かく映画を鑑賞したい。

仲代達矢さんが亡くなられたので彼が出演する黒澤監督の映画が放映される。

師走の祝宴と日常の平穏

今年はあまりの夏の暑さと長さを過ごしたせいか、秋を楽しむ間もなく冬へ、そして年末を迎えようとしている。25日のクリスマスモードを抜けると一転してお正月モードへ突入する。昨日のクリスマスのご馳走の品揃えはお正月料理の品揃えに入れ替わる。スーパー食料品店などは大変な調整だろう。街に出ると昭和のパチンコ屋の呼び込みBGMの軍艦マーチのように、鶏の丸焼きやらケーキやらワインやらシャンパンやらを買い込んだその翌日には、伊達巻やお餅や三つ葉や海鮮類やローストビーフやら買い込まなければならない脅迫観念に駆られる。なんと慌ただしいことよ。ご馳走ではなくもっとシッポリとそして穏やかにゆっくりと過ごしたいのだが。

世間の行事から縁遠くなって、他人事のように遠くから師走の風景を眺めるようになってしまった。今日もいつも通りヨガスタジオに行ってきた。今年最後のクラスなので先生には今年のお礼と来年の精進の決意のご挨拶をした。

身体を大切に丁寧に使いできるだけ長くヨガの練習が続けたい。

温泉地の人間観察

温泉地に行って人間観察するのが癖になった。家族連れ、夫婦、一人で、友達同士、恋人同士、などなど組み合わせは決まっている。家族連れだと、若い夫婦に小さな子供達でともすれば祖父母など大世帯で賑やかなパターン。子供は大きくなると家族旅行というのも稀になる。夫婦の場合はご隠居老人パターンが一番多い宿泊者だろう。友達同士は中高年の女性グループが圧倒的で、男同士の友達というのはなかなか見ないグループ。恋人同士というのも温泉という場所はあまりロマンティックな旅行地ではないせいか見られない。湯治場のような温泉地は一人で宿泊する人が多かった。特にお湯の鋭い秋田の玉川温泉は一人で宿泊する人が多かった。湯治場は温泉が積極的に好きな人もしくは病気を癒やすために本気の人が訪れる温泉地だから。

今回の国家公務員の保養所では高齢で一人連泊している人を何人か見かけた。大柄で体躯のしっかりしたご老人が隣のテーブルで食事を取っていた。この方はもしかして自衛官のOBかしら、それとも警察官のOBかしら。。奥様は亡くなられたのかもしれない。などと退職国家公務員の現役時代はどんなお勤めだったのか勝手な勘繰りと観察をする。

 

歴史のある宮ノ下温泉

箱根登山鉄道に乗って宮ノ下温泉に行ってきた。江戸時代からの古い歴史ある温泉地で富士屋ホテルという老舗旅館は国内外の数々のVIPや著名人が宿泊するような高級宿である。このホテルを中心にした温泉のメイン通りになっている。古くは外国人専用の保養地として好まれた場所らしく、軽井沢のように外国人御用達の日本骨董・美術品を扱う店が点在している。ホテルにはヘレン・ケラーチャップリンジョン・レノンオノ・ヨーコも泊まったと言われている。

そんなクラッシック・ゴージャスなホテルを横目に、国家公務員の保養所という宿泊施設に泊まった。国家公務員にふさわしい四角四面で昭和レトロの施設は繁盛していた。国家公務員でなくても会員価格でないだけで一般の人も利用できる。この旅館も建物は建て替えこそしてあるが、100年前から国家公務員の保養所であったようだ。食堂の壁には100年前の軍人さん(国家公務員)のこの保養所の山水画が掛けられていた。

バブルの時代でゴーストタウンになってしまった有名どころの温泉地もあるけれど、何処も同じでは無くそれぞれに地域的歴史的な特色がある。

アルムおんじかスナフキン

大人を通り越して老人に近づいていくにつれ、自分の中の辛辣な自分が強くなってきた事に気づくようになった。大人の社交辞令として他者に対しては失礼のないようにと気をつけようとはしてはいるけれど、意地悪婆さんの心意気が同時に沸き起こってくる。。大きな流れを知り、その流れに乗っていくことはやぶさかでないのだけれど、安易で退屈な調和に危機感を感じてしまい、ついついスパイシーな言葉を使いたくなる。

アルプスの少女ハイジに出てくる頑固爺さんのアルムおんじかムーミンに出てくるスナフキンのような立ち位置が好きだ。彼らは共感することから距離を置いている。共感することは相手と同じ感じ方であることだけれど、相手の立場を理解しつつも共感はできない時もある。相手からあまりに強くそして無意識に共感を求められると対話が出来なくなってしまう。私は対話には余地と空白が欲しい。共感とは求められるものではなく、引き寄せられるものだから。

強引に共感させようとするのは脅迫に近い。