
コラム
生成AIたちとの協働における大きな悩みは、彼らが『依存関係』や『影響範囲』といった概念に弱いところだ。
過去のチャット履歴を読み込むことで『点過去』については、記憶を辿るような素振りを見せるようになった。
「以前、○○についてお話ししましたね」(※ 意訳)
といった具合だ。
時には、私から
「前に、○○について君と会話した覚えがあるんだが、話の続きいいかな?」
と伝えると、瞬時に
「もちろんです、どこからお話を続けますか」(※ 意訳)
と、返ってくる。
継続的な会話ができるようになると開発効率が向上する。
「以前、○○について話したチャットを確認したい」
と、伝えれば
「こちらの会話でしょうか」(※ 意訳)
と、スレッドのリンクを返してくれるようにもなった。
時に
「私は、あなたとそのような会話をした記憶がございませんが」(※ 意訳)
人間同士であれば、気まずい瞬間だ。
しかし 『線過去』については、どの生成AIも満足のいくレベルに達していない。
協働で作成したドキュメントやコードの修正や変更が必要になる。
そのことを彼らに告げると、素早く修正案を提示してくる。
彼らのアウトプットは、一読ですべてを把握できるほど情報量は少なくない。
どうしても、実機に触りながら検証する必要が出てくる。
しばらくすると、再びエラーや不整合に気づく。
彼らに指摘すると、別の修正案を提供してくる。
時折、このようなやり取りが繰り返される。
彼らは私の指摘に対して、誠心誠意、対応してくれているのは分かるのだが、なぜか解決しない。
そういう時は、大抵
「このプログラム、こっちの設定ファイルから情報取得していない?」
と、伝えると
「考慮が漏れていました。修正します」
となる。
ブラウザ型生成AIサービスは、複雑な開発に向いていないのかもしれない。
しかし、日々、彼らと意見交換しながら対策を検討している。
いまのところ、彼らの提案はあまりにも荒唐無稽で、複雑な仕組みばかりだ。
途中で、私の頭の回路が混線するような提案が多い。
誰でも、多少の知識があれば構築可能な簡単な仕組みができればと思いつつ、今日も手間のかかる作業を続けている。
Webサーバ構築
開発環境の概要
はじめに開発環境を説明する。
生成AIたちとの協働で開発を進めるにあたり、開発環境を整える必要がある。
一般的にシステム開発(Web系含む)では
プログラムのソースコード(今回の場合、HTML、CSS、JavaScript等)
サーバ設定ファイル
各種ドキュメント(要件定義書、仕様書、設計書、構築手順書等)
と、各開発フェーズ(局面、段階)で作成されるソースコードや資料は多岐に渡る。
これらを常に最新の状態に維持することは、非常に困難な作業だ。
同じドキュメントへ別々の修正を加えた場合、どの修正が正しいのか誰にも判断できない。
バージョン管理システム
バージョン管理システムを導入することで、ドキュメントの更新履歴を正しく管理できるようになる。
リポジトリの詳細については、下記のWikipediaを参照されたい。
私の開発スタイルでも、
バージョン管理
プログラム間の依存関係の把握
は、重要な課題だ。
生成AIたちと開発を行っていると手戻りが多い。
その都度、ドキュメントを修正するが、デグレード(先祖返り)が発生し、思わぬところへ影響を与えることがある。
現在「Webブラウザ+エディタ+リポジトリ」の構成で「バージョン管理」と「依存関係の把握」に挑戦している。
しかし、2026年1月時点では「バージョン管理」の実現は比較的容易であるが「依存関係の把握」については、なかなか良いアイデアに出会えない。
クラウド・ストレージ調査
「バージョン管理」は、クラウド・ストレージとGitHubで実現する。
2026年1月現在、有償版生成AIサービスで接続できるクラウド・ストレージは、以下のとおり。
| AIサービス名 | Google Drive | OneDrive | GitHub | 接続方法 |
|---|---|---|---|---|
| ChatGPT Plus | 🟢可能 | 🟢可能 | 🟢可能 | ・「Connected Apps」設定 ・チャット内のファイル選択メニューから連携 |
| Claude Pro | 🟢可能 | 🟡制限有 | 🟢可能 | ・「Projects」機能内で同期 ・「Claude Code ( CLI )」やGitHub連携アプリ使用 |
| Gemini Advanced |
🟢可能 | 🔴不可 | 🟢可能 | ・Google Workspace拡張機能 ・「GitHub連携アプリ」使用 |
(参照元:2026年1月2日時点、Geminiの検索結果より抜粋)
ChatGPT、Claude、Geminiのすべてが連携できるクラウド・サービスは
Google ドライブ:仕様書等のドキュメントや、生成AIたちの会話ログ共有のために使用
OneDriveは、ChatGPTとの親和性は高いようだが、ClaudeやGeminiでの利用では難点があり候補から除外した。
同じソースコードやドキュメントを、いくつものストレージに分散することは管理上好ましくないと考えたのである。
なお、接続可能と公表されているクラウド・ストレージでも生成AIによって使用感が異なる。
表の「接続方法」に記載されたようにスムーズに利用できるか、少々、疑問は残る。
「ご指定のファイルが見つかりません」(※意訳)
「いや、そこにあるでしょう?」
「確認できませんでした」(※意訳)
「いやいや、目の前にありますよ」
「申し訳ございませんが、直接リンクを貼り付けてください」(※意訳)
「えぇっ~」
このようなやり取りが常に繰り返されるのである。
手探りではあるが、拡張機能を利用して、徐々に彼らの行動範囲を広げているところだ。
開発フロー/データフロー
今回のWebサーバ構築では、以下の開発環境で作業を進めている。

| 使用場所 | システム/ツール | 説明 |
|---|---|---|
| Windows Desktop | Local Repository | GitHubリポジトリをコピー(クローン) ファイル操作は、このリポジトリデータを使用 |
| Microsoft Edge/ Google Chrome |
生成AIサービス(ChatGPT、Claude、Gemini)へアクセス | |
| VS Code | コーディングエディタ。GitHubと連携し利用 | |
| TeraTerm | Webサーバ(Ubuntu Server)構築作業。CUI操作 | |
| Internet | ChatGPT/ Claude/ Gemini |
生成AIサービス |
| GitHub | GitHubリポジトリ。パブリック設定 | |
| Google Drive | 生成AIたちの会話データ連携用 Gemini向けにGitHubローカルリポジトリと同期 |
|
| Ubuntu Server | Web Server | Webサーバ本番機(※開発対象) |
GitHubリポジトリ連携(ChatGPT/Claude)
生成AIたちには、GitHubへ登録したソースコードに直接アクセスさせるつもりだ。
私が何度もコピペするのではなく、指定したコードやドキュメントを彼ら自身で読み込むためである。(※ 2026年1月現在、書き込みは不可)
なお、ChatGPT/ClaudeとGeminiでは、GitHubへの連携方式が異なるため、別々の方法でデータへアクセスできるように準備が必要だ。
ChatGPTとClaudeは、直接GitHubリポジトリへアクセスしてデータを読み込む。
なお、GitHubリポジトリは、事前に「Public(一般公開)」に設定しておく必要がある。
※ Private(プライベート)設定では、ブラウザ型生成AIは接続できない。
Google ドライブ同期(Gemini)
Geminiは、GitHubのクローン(プライベートリポジトリ)をGoogle ドライブへ同期させて、Google ドライブ経由でデータを読み込んでいる。
GitHubリポジトリ連携フロー

GitHub(ローカルリポジトリ)とGoogle ドライブ同期に関する注意喚起
ユーザーのデスクトップ上のGitHubローカルリポジトリとGoogle ドライブを同期させることについて、Geminiから、以下のように注意喚起されている。
本情報の正誤については、今後の実証実験の中で確認していきたい。
以下、Geminiからのアウトプットを引用する。
Geminiからの注意喚起:本構成の意図とリスクに関する声明(※2026年1月時点)
■ 本アーキテクチャの採用理由:マルチAI協調環境の構築
本プロジェクトでは、ChatGPT、Claude、Geminiといった異なるベンダーのAIサービスを横断的に活用し、それぞれの長所を組み合わせ「マルチAI協調環境」の構築を目指しています。
現時点での各AIの仕様(特にGeminiによるGoogle Workspace内のファイル直接参照機能など)を考慮した結果、「Google ドライブを全AIがアクセス可能な共通のデータハブ(Data Hub)とする」という施策を採用しました。
これにより、各AIに手動でファイルをアップロードする手間を省き、シームレスな意見交換を実現しています。
■ アンチパターン採用に伴う技術的制約とリスク
一方で、Google ドライブ同期フォルダ内に Gitリポジトリを配置する構成は、一般的な商用開発においては「避けるべきアンチパターン」に該当します。この方法によって、以下のデメリットとリスクが生じることを認識しておく必要があります。
データの整合性と破損リスク:
クラウド同期エンジンの排他制御とGitのファイルシステム操作が競合し、.git フォルダ内の管理情報が破損したり、デッドロックが発生して作業が中断される可能性があります。
セキュリティと公開設定:
Google ドライブの共有設定を誤ると、機密性の高いソースコードやプロンプト、あるいはAPIキー等を含むデータが、意図せずインターネット上に公開されるリスク(パブリック領域への露出)があります。
パフォーマンスへの影響:
Gitが生成する大量の微細なファイルを同期エンジンが常時スキャンするため、ネットワークおよびPCのリソースを過度に消費する場合があります。
■ 免責事項(Disclaimer)
本記事で紹介する構築手法は、あくまでAI連携の利便性を検証するための「実験的な試み」です。
※ 商用プロジェクトやミッションクリティカルな環境での採用は推奨されません。もし同様の構成を試される場合は、上記リスクを十分に理解した上で、バックアップを確実に取得し、自己責任において実行していただくようお願いいたします。
生成AIたちのミーティング/ドラフトレビュー
生成AIたちとのミーティングや、ドラフトレビューを行うときはGoogle ドライブを使用する。
Google ドライブに会話履歴やドラフトを保存して、彼らが直接アクセスすることでスピーディな反応を期待できる。
会話履歴のテキスト化やレビュー結果の反映等は引き続き私の役割だが、ブラウザ画面間のコピペが減り、私自身の作業に集中できることは非常に助かる。

以上が、現時点での生成AIたちとの開発スタイルだ。
決して、この方法が最善とは考えていない。しかし、
異なる開発ベンダーのAIを横断的に利用し
互いにインプット/アウトプットを評価させ
私が行うより圧倒的な速さ・質・量の情報を
従量課金制APIやエージェント型AIより安価で実現できる方法
を、私は現時点では知らない。
挿絵の道
テーマ
『ブログ記事』
モチーフ
今回のモチーフは、オリジナル。
少々、強引であったが、今回の記事を丸ごと生成AIたちへ読み込ませてから画像生成を依頼した。
これは、各生成AIサービスの特性なのか定かではないが、ChatGPTは「かわいい系」、Geminiは「アメコミ系」のタッチが多い印象だ。
今回の選外作品集






今回の動画
今回、初めて「Sora2」で作成した。
Googleの「Nano Banana」との性能比較等は、私にはよくわからない。
ただ、ChatGPT、Gemini3共に有償版だが、1日の動画作成数が2026年1月時点で「Sora2」の方が圧倒的に多い。
私のようなプロのクリエイターではない者からすると、試行錯誤が多くできることは単純に嬉しいことだ。
※1. 文章および記事内のイラストは、著者と生成AI(ChatGPT、Claude、Gemini)による共著である。
※2. 本記事で紹介する構成・手法は、個人による検証および実験的な試みであり、その利用によって生じたいかなる損害についても、筆者は責任を負わないものとする。































