2025年の1月5日にでんぱ組.incが16年の活動のエンディングを迎えました。
かつて自分はでんぱにハマり現場に通っていました。"アイドル"を覚えた自分の人生は明確に「でんぱ以前」と「でんぱ以後」に別れています。

"萌えキュンソングを世界にお届け"を謳うでんぱ組.incを友達から勧められ、いつの間にか聴くようになっていました。
いじめられ 部屋にひきこもっていた
ゲーセンだけが 私の居場所だった(中略)
生きる場所なんてどこにもなかったんだ
今は夢の為に強く放て!
でんぱパトス!!!
自分じゃない誰かの為 歌え!
でんぱビッグバン!!!!「W.W.D」作詞:前山田健一
当時でんぱ組.incはアイドルにしては珍しくネガティブで暗い自分を(必要以上に)表に出していました。ネガティブを抱えつつも自分だけでなくファンを前に突き動かす曲が当時の自分には衝撃でした。
アイドルの伝統的な要素は疑似恋愛ですが、2013年頃は元気いっぱいで歌って踊れて元気を与えるアイドルのムーブメントがありました。でんぱ組.incも似た要素はありましたが、それ以上に暗い過去をバネに前を進む要素が強くありました。ステージに立って歌って踊る"クラスの一軍"のような仕事なのに、クラスの隅にいるような経歴を持つメンバー達に共感し勇気づけられていた人が多かったと思います。
STAR☆ットアップ Start up! 生まれかわって春瞬の旬だよ
BRIDGEだ 渡っちゃえ 何度目だっていいから
STAR☆ットアップ Start up! 生まれかわって春瞬の旬だよ
BRIDGEだ 渡っちゃえ…!「STAR☆ットしちゃうぜ春だしね」作詞:畑亜貴
そんなでんぱ組.incには皆を勇気づける歌が沢山あります。当時の自分は"アイドルかわいい〜"と下心で聴いていましたが、擦り込みで勇気づけられていたんだと思います。
だだだ大歓迎です老若男女 集合andレッツゴー
そして
じっちゃんばっちゃんかーちゃんとーちゃんにーちゃんねーちゃん
総動員で広げていくんだ 愛を「バリ3共和国」作詞:浅野尚志
当時自分は人生初の挫折に落ち込んでいた時期で、みんなも不幸になれば良いのにと思っていました。そんな時にでんぱの曲を聴くことで手を差し伸べられたようなポジティブな勘違いをしていました。ほんとに"萌えキュン"な曲も沢山ありましたが、サブリミナル効果のように差し込まれた博愛が自分に刷り込まれていたんだと思います。
つまりは 新しいって 最高だ
おまえら 道に迷わせない 行く先照らしてやんよ「ギラメタスでんぱスターズ 」作詞:前山田健一
ただ応援するわけではなく「ついて来い、一緒に行くぞ」という姿勢がありました。弱かった過去の自分をW.W.Dでさらけ出したでんぱ組だからこそ、その姿勢がファンに刺さったんだと思います。
叫んでんだよ!!息してんだよ!!
一番より 特別な
わたしなりに そう輝ける場所
今、ココで生きてる!!
あと少しだけ!!あと少しだけ!!
この青春がいつか過ぎ去っても
繋いだキモチ このまま冷めないで...
終んないでもう!! 終んないでもう!!
ずっと先も ココで会いたいから
この瞬間(トキ)が永遠ならいいな....「ノットボッチ...夏 」作詞:NOBE
アイドルの大事な水着曲でさえも"生きている"ことについて熱く歌っているのが印象的です。シンプルになぜこんな曲を⁉︎と思いましたが、そういうがむしゃらで熱いところもでんぱらしさでした。
悲しいことや争いごとが起きたら ああ
胸が痛くて涙止まらないよ (ah,ah,ah)
けど僕らはきっと一つになれるはずさ だってこの地球ででっかい愛を この命の輝きたちを見つけることができたのだから「いのちのよろこび」作詞:玉屋2060%
もはや萌えキュンとはという曲も。ヘンテコな曲だなと思いつつも聴いてると幸せになるようなみんなに優しくなれるような気がします。なんでこんなに世界平和を願ってるんだろ、宇宙を救うのがでんぱ組だからか。
会えない日は続くけど
いつかはいつかくるんさ
このバトル独りじゃない
我々はすでにファミリー「なんと!世界公認 引きこもり!」作詞:前山田健一
2020年4月のコロナ禍に公開されたこのMVを見た時は泣きそうになりました。今でも聴くと胸が熱くなります。インドア派のでんぱに合った状況と楽曲でした。こんな時でも人を照らすことができるのがアイドルたるでんぱ組.incなのかと感動したのを覚えたいます。
ハチャメチャだって大歓迎!
憧れるだけなんてもったいないよ!
ちょびっとの勇気が 明日を変える!
さあ 鍵をかけた夢を 解き放て!
夢は 運命に選ばれた人の限定品
なーんてこったない!
選ばれるの 待ってない
掴みにいくんだ「ドキ+ワク=パレード!」作詞:前山田健一
アイドルといえばファンに力を与える存在というイメージがありますが、ここまでわかりやすく応援してくれるアイドルって珍しい気がします。様々なアーティストからの楽曲提供にも関わらず応援歌が多いのは、でんぱ組.inc自身が人を元気づける存在であり、彼女たちに似合う曲はこれだと思ってくれているからではないでしょうか。
君の未来を明るく照らすなんて お茶の子さいさいさい
満月の下で踊りましょう
桜舞い散る季節と歌いましょう
君といつかまた出会うその日まで
だから意地っ張りさんも 照れ屋さんも 八百屋さんも あなたも
忘れないで ばいばいさようなら「サクラあっぱれーしょん」作詞:玉屋2060%
でんぱ組.incのエンディング、最後の曲はサクラあっぱれーしょんでした。初めてでんぱが日本武道館公演を行った2024年5月6日もこの曲が最後でした。桜の花びらが舞い散る中歌い踊るでんぱ組.incが印象的でしたが、その時とエンディングでは"さようなら"の意味合いがまったく違います。
この曲がリリースされたのは2014年3月。おそらく出会い別れの時期を意識して作られた曲で、楽しくて嬉しくて、でもすこし悲しい複雑な色を持つ曲です。当時はまだバリバリに活躍中でしたが、いつか来る物語の最後はこの曲で締めくくられるだろうと感じたのを覚えています。
僕らを明るく照らして去っていくでんぱ組.incはまるで太陽のようでした。最後に彼女たちは宇宙に魔法をかけていきました。
もうでんぱ組.incはいません。でも、これからもきっと大丈夫です。