月初恒例と言いつつ最近はすっかり中旬更新となったこちらの新刊チェック、今月はぎりぎり上旬かと思いきやもはや中旬でしょうか。まあとにかく今月も面白そうな本が目白押しです。この記事を作っていて楽しいのは個々の新刊だけでなく、やはり各著者や訳者の過去の刊行物を拾っている時です。みなさまもどんどんリンクをクリックしてもらえればと思います。(ちなみにアフィリエイトではないです)
2012年に発表され、ブラム・ストーカー賞、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞を受賞したサイコロジカル・ホラー。アイルランド出身でアメリカ在住の作者は他にローカス賞、世界幻想文学大賞も受賞している。入手困難だが他に『ベオウルフ: 呪われし勇者 (小学館文庫 キ 2-1)』の邦訳あり。訳者は他にスラデック『チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク (竹書房文庫)』を手掛ける。
様々なジャンルで活躍する韓国の作家による奇想短編集。本作が初の邦訳となる。訳者は同文庫より刊行のチョン・ボラ『呪いのウサギ』、『ポン・ジュノ映画術: 『ほえる犬は噛まない』から『パラサイト半地下の家族』まで』など手掛ける。
韓国の新世代作家によるクィア短編集。本作が初の邦訳となる。訳者の近訳書に『巫女 配信者シャーマンとハヨンの悪霊事件簿』『カウンターウェイト (ハヤカワ文庫SF)』『極めて私的な超能力 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)』など。
詩人としても活躍するアメリカの作家による、2017年に邦訳が刊行されていた長編が白水uブックス入り。やはり詩人を主人公とした小説。訳者は2025年に計5冊も訳書を刊行しており、他にパワーズ『プレイグラウンド』、カウフマン『アントカインド』、ララミ『ムーア人による報告 (エクス・リブリス)』、エヴェレット『ジェイムズ』。
『すべての見えない光 (ハヤカワepi文庫)』(同訳者により邦訳)でピュリッツァー賞を受賞した作家の2021年の長編。歴史と場所を超えて語り継がれる本の物語とのこと。訳者の近訳書に『ブリス・モンタージュ (エクス・リブリス)』『物語ることの反撃 パレスチナ・ガザ作品集』『ハーレム・シャッフル』『アクティング・クラス』など。
カフカやベケットと並び称される20世紀ロシアの「幻の作家」の選集が刊行開始。『ポトゥダニ川 (群像社ライブラリー)』『幸福なモスクワ (ロシア語文学のミノタウロスたち)』『チェヴェングール』などの邦訳が近年刊行されている。工藤順・古川哲編訳。
19世紀ドイツで発見された謎の人物カスパー・ハウザーを題材にした小説が岩波文庫から。訳者の近訳書にシーラッハ『午後』、ヘッセ『シッダールタ (光文社古典新訳文庫)』、ラーベ『19号室 〈刑事トム・バビロン〉シリーズ (創元推理文庫)』『17の鍵 〈刑事トム・バビロン〉シリーズ (創元推理文庫)』、ホフ『牡猫ムルの人生観』ほか多数。
ブローティガンが生前最後に残した、1985年に『ハンバーガー殺人事件』として邦訳されていた小説が改訳して文庫で復刊。近刊に『ここに素敵なものがある』『ブローティガン 東京日記 (平凡社ライブラリー)』など。訳者は他に『リー・ミラー: 自分を愛したヴィーナス』を手掛ける。
かぐやSFコンテスト出身、吉川英治文学賞新人賞受賞、芥川賞候補作家の新刊。他に『箱庭クロニクル』『海岸通り (文春e-book)』『嘘つき姫』がある。
創元SF短編賞出身作家の、同賞優秀賞受賞作を含む作品集。他の作品に『ギークに銃はいらない』。
ハヤカワSFコンテスト特別賞受賞作『ここはすべての夜明けまえ』でデビューした作者の二作目。
8人の主人公を描いた2022年の単行本が文庫化。近刊に『ピエタとトランジ (講談社文庫)』『私は幽霊を見ない (角川文庫)』『ぼくは』『来世の記憶 (角川書店単行本)』など。下記記事もご覧ください。
藤野可織『ピエタとトランジ』 無敵の二人は変化に抵抗する - もう本でも読むしかない
長編でも短編でもなく、コント、掌編、ショートショートなど様々な名前で呼ばれる「ごく短い小説」から日本近代文学史を考察する試み。他の著書に『小説家、織田作之助 (阪大リーブル71)』など。
ソンタグの代表作が文庫化。近刊に『ラディカルな意志のスタイルズ[完全版]』『写真論』『イン・アメリカ』など。訳者の近訳書に『チャーチル――不屈の指導者の肖像』『新装版 放浪者メルモス』、著書に『シャーロック・ホームズの世紀末』『文学の福袋(漱石入り)』など。
『資本主義リアリズム』で知られるマーク・フィッシャーを中心に、大衆文化と関わりの深いイギリスの現代思想を紹介する論集。レイモンド・ウィリアムズ、ポール・ギルロイ、レイ・ブラシエなど登場。
フィッシャーについてはこちらもどうぞ。
マーク・フィッシャー『資本主義リアリズム』 資本主義の外部はどこにあるのか? - もう本でも読むしかない
イタリアのアクティビストは、「脱走こそ、唯一可能な倫理的選択にして合理的戦略である」と唱える。訳者は他に同著者の『フューチャビリティー: 不能の時代と可能性の地平 (叢書・ウニベルシタス 1101)』『大量殺人の“ダークヒーロー"――なぜ若者は、銃乱射や自爆テロに走るのか?』『第三の無意識: ウイルス時代の精神空間』も翻訳。ほか近刊に『蜂起』など。
生誕100年を記念した?新たなドゥルーズ入門が平凡社新書より。著者の近刊に『ミルトン・エリクソン〈新装版〉: 魔法使いの秘密の「ことば」』『オッペンハイマーの時代 核の傘の下で生きるということ』『絶滅の地球誌 (講談社選書メチエ)』など。檜垣立哉による同タイトルのちくま新書もあるので注意。
こちらは単行本で刊行のベルクソン入門。著者の共著に『ベルクソンー諸学と協働する哲学 (ワードマップ)』『人生の意味の哲学入門』など。
フーコーの初期に見られ、後に退いた「狂気」のテーマを追求する。他の著書に『危険な人間の系譜-選別と排除の思想』『司法精神医学と犯罪病理』など。精神医学関連の共著・編著多数。
デュシャンの作品をタロットカードに当てはめて語っていくという異色のデュシャン論。写真家でもある著者の近刊に『ヒルマ・アフ・クリント』『写真論――距離・他者・歴史 (中公選書)』『現代色彩論講義 本当の色を求めて』など。
ベンヤミン関連書を複数刊行している著者による本格的な論考。近著に『燃エガラからの思考 記憶の交差路としての広島へ』『断絶からの歴史 ー ベンヤミンの歴史哲学』『ヴァルター・ベンヤミン: 闇を歩く批評 (岩波新書 新赤版 1797)』など。
言葉では捕捉できない「情動」をキーワードに、脱構築や精神分析を駆使してモダニズムのテクストを読む。他の著書に『情動とモダニティ: 英米文学/精神分析/批評理論』『日本表象の地政学: 海洋・原爆・冷戦・ポップカルチャー (成蹊大学アジア太平洋研究センター叢書)』『死の欲動とモダニズム―イギリス戦間期の文学と精神分析』、訳書に『心の革命――精神分析の創造』など。
日本を代表するカント研究者による『判断力批判』の考察が文庫化(単行本は2017年)。近刊に『哲学史にしおりをはさむ』『極限の思想 サルトル 全世界を獲得するために (講談社選書メチエ)』『源氏物語=反復と模倣』など。訳書に作品社の『純粋理性批判』ほか三批判書、岩波文庫の『存在と時間』『全体性と無限』『物質と記憶』など。
80年代より活躍する批評家の選集が2冊同時刊行(1月に第3巻も)。近刊に『〈真理〉への勇気 現代作家たちの闘いの轟き』『ドゥル-ズ・映画・フ-コ-』『三島由紀夫とフ-コ-〈不在〉の思考』、訳書にシェフェール『映画を見に行く普通の男 (エートル叢書 20)』など。
映画監督2人と批評家による、演出をめぐる対話。濱口竜介の近著に『他なる映画と 1』『他なる映画と 2』、三浦哲哉の近著に『自炊者になるための26週』『サスペンス映画史 新装版』など。下記記事もご覧ください。
三浦哲哉『映画とは何か フランス映画思想史』 映画そのものの感動とは何か - もう本でも読むしかない
「大都市規範(メトロノーマティヴィティ)」、「クィアな時間性」などの概念を提示したクィアスタディーズの重要著作が邦訳。他の訳書に『失敗のクィアアート 反乱するアニメーション』がある。訳者は他に『感情のアーカイヴ トラウマ、セクシュアリティ、レズビアンの公的文化』『柔らかな舞台』を手掛け、著書に『クィア・シネマ 世界と時間に別の仕方で存在するために』『クィア・シネマ・スタディーズ』がある。
ゴダールやヒッチコックの作品を分析しつつ、フェミニズム映画批評の可能性を探る。他の著書に『映画と身体/性(日本映画史叢書 6)』、共著に『映画女優 若尾文子【新装版】』『男たちの絆、アジア映画 ホモソーシャルな欲望』など。
イタリアの歴史学者が現在のガザについて語る。他の訳書に『一人称の過去 歴史記述における〈私〉 (ポイエーシス叢書 76)』『ポピュリズムとファシズム: 21世紀の全体主義のゆくえ』『ヨーロッパの内戦 炎と血の時代1914-1945年』など。訳者の著書に『ふたりの世界の重なるところ (シリーズ〈哲学への扉〉)』がある。
ドイツ-イスラエル-パレスチナ関係についての論集。浅田進史・板橋拓己・香月恵里編著。
2024年に急逝した著者の遺稿集が一周忌を期して刊行。他の著書に『ヤンキーと地元 ――解体屋、風俗経営者、ヤミ業者になった沖縄の若者たち (ちくま文庫)』、共著に『〈生活-文脈〉理解のすすめ:他者と生きる日常生活に向けて』『地元を生きる―沖縄的共同性の社会学』『最強の社会調査入門』などがある。
2017年に刊行された単行本が、書きおろしを加えて文庫化。他の著書に『海をあげる』がある。
美学者による、「性的である」ということの分析。他の著書に『なぜ人は締め切りを守れないのか』『物語化批判の哲学 〈わたしの人生〉を遊びなおすために (講談社現代新書)』がある。
本来は別のものである「議会」と「民主主義」がいかに結びついたのか、その起源となったイギリスの事例から読み解く。著者の近著に『世界史のリテラシー イギリス国王とは、なにか 名誉革命』『君主制とはなんだろうか (ちくまプリマー新書)』、共著に『帝国で読み解く近現代史 (中公新書ラクレ 827)』など。
古代からルネサンスまでの歴史を建築学の視点から語る。他の著書に『世界の夢のルネサンス建築』『盛期ルネサンスの古代建築の解釈』、訳書に『イタリア・ルネサンス建築研究』がある。
ビザンツ帝国とその周辺についての2006年の単行本が文庫化。入手困難だが訳書に『ビザンツ帝国史 (文庫クセジュ 870)』などがある。
講談社選書メチエより、ケルト研究の現在を知らせる一冊。他に『民衆画と詞書』『民衆画の世界: 欧州と東アジアを比較する』『ケルトの解剖図鑑』『興亡の世界史 ケルトの水脈 (講談社学術文庫)』など。
2010年の単行本が文庫化。訳者は他にカルロ・ロヴェッリ『時間は存在しない』『世界は「関係」でできている: 美しくも過激な量子論』『規則より思いやりが大事な場所で 物理学者はいかに世界を見ているか』など手掛ける。
2009年の岩波新書が文庫化。近著に『物語伝承論』『物語の近代――王朝から帝国へ』『後醍醐天皇 (岩波新書)』、編著に『説経節 俊徳丸・小栗判官 他三篇 (岩波文庫)』など。
ではまた来月。













































































































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