いよいよ2019年の「Superツアー」以来7年ぶりにペット・ショップ・ボーイズが来日します。
そのライブ前に、今回は「PSBにはあんな曲やこんな曲があるよ!」*1という紹介をしたく、「個人的ペット・ショップ・ボーイズ名曲選」を送ります。思いついた順なので、順番に特に意味はありません。(笑)
1. It’s a sin、2. Go West
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まずはペット・ショップ・ボーイズを象徴するこの2曲から。
ニール・テナントがカトリック学校に通っていたころの抑圧された気持ちを歌ったのが“It’s a sin”。
そしてヴィレッジ・ピープルのオリジナルを大胆にカバーした“Go West”。
オリジナルをさらに派手なディスコ・ヴァージョンにしただけと見せかけて、「東側諸国の崩壊」を皮肉ったり、ゲイたちのユートピアと思われた場所が(エイズのせいで)実はユートピアではなかったことへの悲嘆が込められていたり、二重三重に張り巡らされたメッセージが凄い。
3. New York City boy
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ヴィレッジ・ピープル式「〇〇賛歌」を作ろう、ということで作られた曲。自分が初めて知ったPSBの曲。
4. It’s alright
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元々は‘Acid Tracks’というコンピレーションに入っていたスターリング・ヴォイドの曲。今のご時世にはメッセージが鋭く突き刺さる。
アルバム‘Very’収録。女王とダイアナ妃の出てくる夢を見た、という曲。この曲の背景にもエイズあり。
6. The survivors
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アルバム‘Bilingual’収録。これも、「(エイズからの)生存者」ということで、背景にエイズあり。*2歌詞にface the musicとありますが、ミュージシャンとして文字通り「音楽と向き合う」ことと、イディオムの「受け入れがたい状況と向き合う」ことの二重の意味がかけられていると思っていつも聴いています。「受け入れがたい状況」とはもちろん、エイズの蔓延。
7. Leaving
ニールが両親の死に影響を受けて書いた歌詞。内省的な曲の多いアルバム‘Elysium’の中でもぶっちぎりの内省度。
8. Only the dark
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アルバム‘Hotspot’収録。初めて聴いた時からアルバムの中で一番好きな曲。
9. Before
アルバム‘Bilingual’の中でも屈指のダンサブル度。この曲をプロデュースしたダニー・テナグリアをはじめ、大量のリミックスが作られました。ニールの知り合いについての歌。クリスはこの曲の歌詞が一番好きだそう。
10. Baby (Demo)
元々ベスト盤‘PopArt’のために書かれ、後にスウェーデンの男女混合ユニットであるアルカサールに提供されました。男女の会話形式で進むこの曲はPSB版「木綿のハンカチーフ」と言えるかもしれません。
11. Numb
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アルバム‘Fundamental’からシングルカットされた、ダイアン・ウォーレン作のバラード。PVは古いロシアのニュース映像をコラージュして作られていて、『戦艦ポチョムキン』との繋がりも感じさせます。
12. Integral
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これもアルバム‘Fundamental’収録。日本でいうマイナンバーカードがイギリスで登場する際に、反対を表明するために書かれました。でもそんな政治的事情は関係なくアンセムとして名作。
13. Decide
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アルバム‘Hotspot’からのシングル“Burning the heather”のカップリング曲。クリスがボーカルを取る「関係の終わり」についての曲。
14. New boy
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これも‘Hotspot’からのシングル“I don’t wanna”のカップリング曲。“Rent”と同時期に書かれたPSBの中でも古い曲で、‘Please’や‘Actually’に入っていてもおかしくないアレンジになっています。
15. We all feel better in the dark
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クリスがラップ調のボーカルで歌う、シングル“Being boring”のカップリング曲。歌い出しの‘The secret...’はクリスがとある食料品店で購入したビデオがアイデアの元だそう。
16. The night I fell in love
アルバム‘Release’収録の、「同性愛嫌い」で有名だったエミネムとファンの男の子とのワンナイト・ラヴを描いた曲。曲中でエミネムの名前が出てくる訳ではないですが、“Stan”の歌詞を引用し、Dr. Dreも登場することで、曲中のラッパーがエミネムであることが示唆されています。
17. Being boring
アルバム‘Behaviour’からシングルカットされた、PSBの歴史の中でも最重要曲の一つと言ってもいいであろう曲。ゼルダ・フィッツジェラルドが引用され、エイズにより亡くなった友人との思い出について歌っています。
18. The dictator decides
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アルバム‘Super’収録。「独裁者でありたくないのに独裁者でいなければならない」人物になりきって歌われた、PSBらしい皮肉が効いた曲。
19. Sad robot world
これも‘Super’収録。ロボットを擬人化して歌っています。
20. The Sodom and Gomorrah show
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旧約聖書でお馴染みのテーマを元に現代社会について歌った、アルバム‘Fundamental’収録曲。
21. Delusions of grandeur
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シングル“A red letter day”カップリング曲。ヴェートーベンのソナタ「月光」のメロディを使った、かつて自分を虚仮にした人々へ復讐しようとする人物の歌。
22. King’s Cross
アルバム‘Actually’収録。今や『ハリー・ポッター』でおなじみになったキングス・クロス駅ですが、かつての上野駅のように、地方からロンドンへの玄関口となる駅でした。一方で浮浪者が溜まることも多く、サッチャリズムの「犠牲」になった人々について歌ったのがこの曲で、だからこそこの寂しげな曲なんですね。
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前回の来日直前にリリースされたEP‘Agenda’に収録。タイトル通り、SNSに振り回される人々を皮肉った曲。リリックビデオは旧Twitterを模したなかなかの秀作。
24. The forgotten child
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同じくEP‘Agenda’から、「忘れられた子ども」についての曲。これといった特定の子どもを指すわけではなく、難民危機が念頭にあったよう。
25. Happiness is an option
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アルバム‘Nightlife’収録。ラフマニノフの「ヴォカリーズ」のメロディにラップ調というか歌っているというよりは語っているニールのヴォーカルが乗った異色作。歌詞の中身はもはや哲学。
26. The way it used to be
アルバム‘Yes’収録。喪われた恋を思い出し感傷的になる歌。
27. One-Way street (Demo)
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再発盤‘Fundamental / Further listening: 2005–2007’に収録。バナナラマに提供されるはずでしたがお蔵入りになり、‘Further listening’のボーナストラックとして初お目見え。これも哲学的。
28. Fugitive
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アルバム‘Fundamental’リリース時ののボーナスディスク‘Fundamentalism’に収録された曲。自爆テロに向かうテロリストの兄弟もしくは姉妹の視点から歌われている。
29. In denial
アルバム‘Nightlife’収録。カイリー・ミノーグとのデュエット。
アルバム‘Bilingual’収録。ニールが自らのセクシュアリティについて赤裸々にラップする歌。
31. Burn
アルバム‘Super’収録。クールでかっこいい歌。
32. More than a dream
アルバム‘Yes’収録。we can change という歌詞はオバマのキャッチフレーズ“Yes, we can”を彷彿とさせる。
33. Will-o-the-wisp
アルバム‘Hotspot’の1曲目。タイトルはいわゆる「鬼火」。歌詞の内容はクリストファー・イシャーウッドと恋人に関するニールの作り話で、最初はアルバムに入らない可能性もありました。
34. Lies
アルバム‘Nightlife’からのシングル“You only tell me you love me when you’re drunk”のカップリング曲。数少ないクリスが「普通」に歌う曲。クリス本人は自分の歌声が好きじゃないらしいですが、かっこいい声なのにもったいない。
35. It couldn’t happen here
アルバム‘Actually’収録。エンリオ・モリコーネとの共作。この曲の歌詞の背景にもエイズあり。
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アルバム‘Nightlife’収録。温かみのあるサウンドがとても好きです。
37. Building a wall
アルバム‘Yes’収録。ニールとクリスの掛け合いが聞ける珍しい曲。
38. Where the streets have no name (I can’t take my eyes off you)
PSBのキャリア史上一番の「問題作」。U2の「約束の地」とディスコでおなじみ「君の瞳に恋してる」をハイ・エナジー・メドレーにしてしまうという荒業。そりゃボノもブチ切れるよ。(苦笑)
39. Up against it
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アルバム‘Bilingual’収録。WWII直後のイギリスが舞台の歌。ギターとコーラスにジョニー・マーが参加。
40. Closer to Heaven
アルバム‘Nightlife’収録。同名タイトルのミュージカルの曲でもある。この曲のかっこよさに衝撃を受けたのは今でも覚えています。
41. Breathing place
アルバム‘Elysium’収録。退避できる場所があること、についての歌。
42. I’m with stupid
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アルバム‘Fundamental’からシングルカットされた、ブレアとブッシュの関係を恋愛関係に置き換えて皮肉った歌。
43. The last to die
アルバム‘Electric’収録。ブルース・スプリングスティーンのカバー。原曲の泥臭さは消えたものの、カバーとしては一級品だと思います。
44. Thursday
アルバム‘Electric’からシングルカットされました。ラッパーのExampleがフィーチャーされています。なのにラジオ・エディットの中にはラップがカットされているものも……
45. Love comes quickly
アルバム‘Please’からのシングルカットされた、本当に美しい、誠実な曲。
46. Between two islands
アルバム‘Release’からのシングル“I get along”のカップリング曲。曲の終盤の歌詞とメロディにマーヴィン・ゲイの“I Want You”が引用されています。
47. I will fall
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EP‘Lost’収録。fallはfall in loveのことなので、ある意味歌詞の内容は“Love comes quickly”と似てるかも。
48. Miracles
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ベストアルバム‘PopArt’からのシングルカット。恋をすると世界が変わって見えるということを歌った歌。アン・ダドリーによるオーケストラアレンジが美しい。
49. Twentieth century
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アルバム‘Fundamental’に収録。20世紀というものをシニカルに捉えた歌。そしてクリスがアルバム中一番嫌いな歌。(苦笑)
50. King of Rome
アルバム‘Yes’収録。ナポレオン2世について歌った美しいバラード。
51.I’m not scared
元々はエイス・ワンダーに提供した曲のセルフカバーで、アルバム‘Introspective’に収録。
52. If Jesus had a sister
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アルバム‘Nonetheless’からのシングル“Dancing star”カップリング曲。ユダの視点で「イエスを止める妹さえいたら……」と嘆く曲。ある意味問題作。
53. Jack the lad
アルバム‘Please’からのシングル“Suburbia”のカップリング曲。アラビアのロレンスやキム・フィルビーが登場する、多分に歴史的な曲。
54. This must be the place I’ve waited years to leave
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アルバム‘Behaviour’収録。“It’s a sin”の内容をさらに推し進めて、ニールが学んだカトリック学校は「ずっと離れたかった場所」だと歌った曲。
55. One and one make five
アルバム‘Very’収録。
56. The samurai in autumn
アルバム‘Release’収録。アコースティックな曲が多い同アルバムの中でもエレクトロに振っている曲。‘Nightlife’期の金髪かつらと袴姿をドイツの新聞に「秋のサムライ」と書かれたのがインスピレーション元。
57. This used to be the future
アルバム‘Yes’の初回限定盤‘Yes, etc.’に収録。ゲストボーカルにヒューマン・リーグのフィル・オーキーが参加。ニール・クリス・フィルの3人で掛け合いながら曲が歌われます。
58. A face like that
アルバム‘Elysium’収録。「あまりにも美しすぎ相手ゆえに恋に落ちてしまう」という歌。
59. Left to my own devices
アルバム‘Introspective’からのシングルカット。ニールの自伝的な歌詞。
60. You know where you went wrong
シングル“It’s a sin”カップリング曲。クリスがコンヴェント・ガーデンを歩いている時に浮浪者が言っていたセリフがインスパイア元。
61. Miserablism
シングル“Was it worth it?”カップリング曲。ニールがモリッシーになりきって作った歌。
62. A certain “Je ne sais quoi”
アルバム‘Elysium’からのシングル“Winner”カップリング曲。元々カイリー・ミノーグに提供しようと作られた曲。ニールの弾くエレキギターがクールです。
63. Dreamland
アルバム‘Hotspot’からのシングル。イヤーズ&イヤーズをフィーチャー。難民について歌われているけど、“Go West”なんかと同じように「理想郷」について歌われているように感じます。
64. One night
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アルバム‘Elysium’からのシングル“Memory of the future”カップリング曲。これもカイリー・ミノーグに提供しようとして作られた曲。
65. Do I have to?
シングル“Always on my mind”カップリング曲。当時のクリスの口癖から取られたタイトル。
66. The pop kids
アルバム‘Super’からのシングルカット。「ポップ・キッズ」と呼ばれていたニールの友人と恋人についての歌。結果的にはポップ・ミュージックそのものを称える歌になっています。
67. Memory of the future
アルバム‘Elysium’からのシングルカット。「未来の記憶」という矛盾すら受け入れられるほどの愛する人の存在についての歌。
68. The lost room
EP‘Lost’収録。 ローベルト・ムージルの小説『士官候補生テルレスの惑い』と、それに基づいたドイツ映画“Young Törless”を題材にした歌詞。*3ダークな曲。
69. Minimal
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アルバム‘Fundamental’からのシングル。ただただポップ。
70. In slow motion (Demo)
再発盤‘Elysium / Further listening: 2011–2012’に収録。スローモーションで生きているように感じている人の歌。
71. Bullet for Narcissus
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アルバム‘Nonetheless’に収録。軽蔑している相手を守るために命を落とさなければならないSPの歌。「軽蔑している相手」とは、トランプ大統領。
72. New London boy
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アルバム‘Nonetheless’からのシングル。“Being boring”の2番と3番の間の出来事を歌っています。
73. All the young dudes
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デヴィッド・ボウイが提供したモット・ザ・フープルの曲のカバー。アルバム‘Nonetheless’のExpanded editionに収録、シングルにもなった。名カバー。
74. What have I done to deserve this?
アルバム‘Actually’からのシングル。ダスティ・スプリングフィールドとのデュエット。
75. Paninaro ’95
B面曲集‘Alternative’からのシングル。原曲“Paninaro”はシングル“Suburbia”のカップリング曲でした。クリスがヴォーカルを取り、中間部のラップでは恋人を喪った悲しみが歌われています。
76. West End girls
PSBのデビュー曲。全てはここから始まりました。リリースから40年経っても全く色褪せません。
77. Sorry (PSB Maxi-Mix)
ここからは他アーティストとのコラボレーション系。
まずはマドンナのアルバム‘Confessions on a Dance Floor’からのシングルのリミックス。ニールが新たにボーカルを乗せています。アルバムのライブではこのリミックス音源を使ったパフォーマンスが行われました。
78. Hallo Spaceboy (Pet Shop Boys remix)
デヴィッド・ボウイのアルバム‘1.Outside’からのシングルのミックス。これはもはやニールがボウイとデュエットしていて、TV番組などでも二組が一緒に出てパフォーマンスしていました。
79. Innocent Money (PSB King of the World Remix)
プライマル・スクリームのアルバム‘Come Ahead’収録曲のミックス。ミックスなのに、アルバムヴァージョンよりも短い。これも、ニールがヴォーカルを乗せています。
80. Disappointed
バーナード・サムナー(ニュー・オーダー)とジョニー・マーによるユニット、エレクトロニックにニールが参加したもの。ただただPSBの曲。(笑)
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