ぺんぺん草のすけのブログ

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令和8年1月7日の昼飯

 

 

本日、食したカップラーメンはこちら!

東洋水産
マルちゃん
「つよゴシ讃岐風うどん 」
鰹、昆布、煮干しのだしにコシの強いうどん


 だぁぁぁぁぁぁ!

 

 

早速! いただきます!

天気は晴れ。
空はすっきり澄んでいるのに、気分はまるで追いついてこない。
年が明けたというのに、仕事は減るどころか山のように積み上がり、
やってもやっても終わらない感覚だけが、じわじわと体にまとわりつく。

そんな中で湯を沸かし、手に取ったのは東洋水産 マルちゃん
「つよゴシ讃岐風うどん」。
鰹、昆布、煮干しのだしに、名前通りコシの強さを売りにした一杯だ。
せめて昼くらいは、噛み応えのあるものを食べて気合を入れ直したい。

湯気とともに広がるのは、魚介だしの穏やかで落ち着いた香り。
箸で持ち上げると、うどんはしっかりとした弾力を主張してくる。
ひと口すすれば、むっちりとした歯応えとともに、だしの旨みがじんわり染みてくる。
派手さはないが、噛むたびに「まだ踏ん張れる」と言われているような気がする。

書類、メール、締切、打ち合わせ。
頭の中では未処理の仕事が次々と浮かんでくるが、
このうどんを噛んでいる間だけは、不思議と考えが途切れる。
噛む、飲み込む、だしを味わう。ただそれだけの単純な行為が、
少しだけ思考を整えてくれる。

──まさに一進一退。

一進一退(いっしんいったい):進んでは戻り、なかなか物事が進まないこと。

仕事は相変わらず減らないし、明日も忙しいだろう。
それでも、この強いコシのうどんを食べきった分だけ、
今日はほんの一歩、前に進めた気がする。

 

ということで、今日は「一進一退」つながりのお話を。

 

kakuyomu.jp

 

 再び吠えるタカト!

「武技! 気・合・一・本! 必殺!イマダッチョアタっーーーーーく!」

 タカト以外に誰もいないトイレという名の相撲部屋。

 土俵際で繰り広げられるのは押しつ押されつの一進一退。

 まるでその様子は力比べの押し相撲である!

 その白熱した試合に、ひときわ響く歓声もその声を大きくしていた。

 ブビブビブビ!

 そんな歓声に応えるかのようにタカトは顔を真っ赤にしながら、ここぞとばかりに力を込めた。

「武技! 気・合・一・本! 必殺!イマダッチョアタっーーーーーく!」

 ついに!

 ついに!

 あの動かざること山のごとしを体で表すかのような不動たる劉備玄徳の茶色い石頭が土俵の際を超えたのであった。

 だが、まだそれは頭のみ……

 玄徳の体は土俵の内側に残っているのである。

 奴を土俵から押し出してこそ真の勝利!

 ――ならば! ここで一気に押し切るのみ!

 タカト! 押して参る!

「武技! 気・合・一・本! 必殺!イマダッチョアタっーーーーーく!」

 次の瞬間、ついに観念したのか土俵際から押し出される劉備玄徳の茶色い体。

 ――やっと……出たぁ♡

 そんなタカトは、何とも言えない快楽によって恍惚とした表情を浮かべていたのであったwww

 ドン! ドン! ドン!

「早く出てよ! タカト! まだぁ?」

 そんなトイレの外ではビン子が、激しくドアを叩いていたwww

 ドン! ドン! ドン!

 毎朝、道具の配達に通る川の土手上を、大股で歩くタカトの足音が鼻息を荒くしながら歩いていた。

 それはまるで、見たいアニメの放送時間を気にしながら急いで家路についている小学生のようでもある。

 うーん、今の子たちはあまりテレビの放送時間なんて気にしないかなwww

 だって、録画もできるし、仮に見逃してもインターネットで見られるもんね。

 そもそもテレビの時代じゃないかwww

 でもね……ビデオすらなかったオッサンたちの時代は、もう、見逃したらそれで終わり!

 だからこそ! 少しでも早く家に帰りたい!

 一分でも早く家に帰りたい!

 早く帰って、テレビの前に陣取りたい!

 そして、お気に入りの魔法少女のパンチラを堪能するのだと!

 で!

 当然、タカトも思うのである。少しでも早く家に帰りたい!

 一分でも早く家に帰りたい!

 早く帰って、机の前に陣取りたい!

 そして、お気に入りの入浴少女のチチチラを堪能するのだと!

 そんな蟹股で歩くズボンの下では、横一杯に引っ張られガチガチに緊張したパンツの赤い布地と、大量生産された白き悪魔によってガチガチに緊張した欲望とがガちんこで小競り合いをしていたのであるwww

 この状況!男にしかわかるまい!

 意外と痛いものなのだ!これwww

 ドン! ドン! ドン!

 それにも似た激しいバトルがタカトの股間の奥底で繰り広げられていた。

 夢か現か幻か……それは誰にも分からない……

 分からないが……

 そこはまるで魔女が支配しているかのような暗く重い世界……

 もしかしたら、タカトの精神……いや、タカトですら認識できていない深層心理の世界なのかもしれない。

 そんな世界で、タカトの脳から侵入してきた何十匹もの白い悪魔たちがささやくのだ……

「戦いを止めたいなら、君が魔法少女になればいいんだよ♪」

「さぁ、ボクと契約して、魔法少女になってほしいんだ♪」

 だが、そんなとき、タカトの股間の奥底から赤くドス黒い何かが沸きおこる。

 魔女?

 いや違う! それは小さき少年のようにも見えた。

 そんな少年がさっと手を振ったかと思うと、一瞬のうちに数体の白い悪魔がドン!という音ともに赤い肉片に変わり果てていた……

「だまれ……人の造りし白き悪魔ども……貴様のせいで……我はこんな姿に……」

「そんな……僕は、みんなの幸せのため……現宇宙を存続させるために頑張っているんだけどな」

「どの口がそれを言う! 必ずやこの恨み、お前たちのもとに返してやる! 決してゆめゆめ忘れるなよ! この下種どもが!」

 ドン! ドン! ドン!

「ぎゃぁぁぁぁぁ! アダム! お前は敵だ! 人類の敵だ!」

 ドンドンと離れていく土手上のタカトの姿。

 ビン子は老人に一礼すると、速足でタカトの後を追った。

 そして、タカトの手にあるものを覗き込みながら訊ねるのである。

「タカト、それ偽物よね?」

 タカトは、その問いに顔すら向けず、さもどうでもいいようかのように答える。

「そりゃ、当然、偽物だろうwww」

 そんなタカトの右手にあったものは、先ほどヒョウタンと交換した翠玉すいぎょくエメラルド。

 しかも、タカトの偽物という言葉を表すかのようにまるでお手玉のようにポンポンと投げらていたのである。

 ビン子は笑いながら答えた。

「普通に考えたらそうだよねwww」

 だが! これが本物だったら、どれだけ恐れ多い事か!

 ――でもまぁ、でもヒョウタンと交換したんだから、その程度のモノよね!

 と、ビン子もまた翠玉を偽物だと思っていたのだろうか?

 否!

 違う!

 ビン子の目には翠玉など映っていなかったのである!

 ビン子の目に映っていたのはタカトの左手。

 そう、ビン子の問いかけに顔すら向けなかったタカトは、左手で持ったアイナの写真を見ながら速足で歩いていたのである。

 そんなアイナの写真を怨念のこもった眼で睨むビン子は思うのだ。

 ――あんな巨乳はこの世に絶対!存在しない! だから偽物! 偽物に違いないわ!

 ビン子もまた、エメラルドが本物なのか偽物なのかどうでもよかった。

 アイナの巨乳が偽物であればそれで納得できたのである。

 ――所詮、ヒョウタンと交換するぐらいの巨乳ヨ! 絶対に偽乳に違いないわ! うきぃぃいぃい!

 というか……いまさらなんだけど……

 このおじいちゃん……なんでタカトの名前を知っているのだ?

 もしかして、知り合い? 今までの原稿の中に出てきたっけ?

 いや……出てきてないよね……うん出てきてない!

 当然、タカトもまた目の前のジジイが自分の名前を知っているのだろうかと不審に思っていたに違いない。

 だが、日ごろから後ろめたいことばかりやっているタカト君。

 もしかしたら、どこぞで誰かの恨みを買っている可能性も否定できなかった。

 だから、それを確かめる勇気など持てなかったのである……

 だが、そんな疑念もアイナちゃんの写真を見た瞬間、吹き飛んだwww

 ――どこのどなたでも構いませんwwww Youは神! 神様なのです!

 うん? ビン子?

 ああ……あれも確かに神様だったわwww

 でも、ビン子はうっすい鼻紙一枚しかくれない紙さま!

 で! こちらはすっごい華紙一枚くださる真の神さま!

 ということで、タカトは早々とヒョウタンと写真+翠玉とを交換したのである。

 そんな去りゆく二人を見送る老人は、なぜか頭を深々と下げていた。

「また恩ができてしまったな……タカト君……」

 この老人は、そこまでしてこのヒョウタンが欲しかったのだろうか?

 まぁ、確かにそれもある。

 それもあるのだが……どうしても、タカトにやって欲しかったことがあったのだ。

 これはタカト以外には頼めない……そう思うほど重要なこと……

 実は、この翠玉すいぎょくは本物! 時価数十億円もする代物だったのである。

 それを、とある人物に返したい……

 この老人が長年思い続けていても実現できなかったその願い……

 というのも、この翠玉を自分では返せない事情というものがあったのである……

 だが、翠玉をもって土手の上を歩いてくれと誰かに頼んだとしても、手に持つのは高価なエメラルド……いつ魔が差してもおかしくはないのだ。

 だが、老人はタカトを信じていた。

 もしかして、タカトにとってエメラルドよりもアイナちゃんの写真のほうが大切なものだと思っていたのだろうかwww

 確かにそれもありうる。

 ありうるのだが、老人がタカトに寄せる信頼は、なぜか絶大なるものであったのだ……

 そんなタカトを見送る老人は心の中で思うのだ。

 ――いまだ……私に対して敵意をむき出しにしていないところを見ると……タカト君は、まだ時をさかのぼっていないのか……

 そう……この老人こそ、タカトの目の前でアイナを殺した張本人。

 過去の世界で一体、何が起こったのか……

 それは、悲しく儚い物語……

 だが、今のタカトはまだ時間をさかのぼっていないのだ……

 だからこそ、そのつらい事実を知らないのである。

 それを知っているのは、あの時間を経験した者たちだけ……

 その者たちの胸の中には、いまだに癒えぬ傷が深く深く残っていた……

 そして、この老人も、その一人。

 老人は頭を下げながら強くこぶしを握り締め、小さく……小さく呟やくのだ。

「すまない……タカト君……君にばかりいやな思いを押し付けて……」

 つい先ほどまでひょうひょうとした笑みを浮かべていた老人の目。

 それが、いまや幾千もの戦いを生き抜いてきた戦士のように鋭く研ぎ澄まされた輝きを放っていた。

「この金蔵勤造! 受けた恩は必ず返す! 我が金蔵家の家訓に従って!」

 そう、この男、第七の門の騎士 一之祐の懐刀。

 そして、また、かつて『情報の国』の忍者マスターの座に最も近かった男なのである。

令和8年1月6日の昼飯

 

本日、食したカップラーメンはこちら!

東洋水産
マルちゃん
「ごつ盛り ソース焼きそば
麺130g大盛
キュピーからしマヨネーズ入り

だぁぁぁぁぁぁ!

 

 

早速! いただきます!

天気は晴れ。
空だけ見ていれば穏やかな一日なのだが、昼前に流れてきた速報で一気に現実に引き戻された。島根、鳥取で震度5強の地震。詳細はまだ分からないが、まずは何事もなければいいと、箸を持つ手が一瞬止まる。

そんな中で開封したのは、東洋水産 マルちゃん
「ごつ盛り ソース焼きそば」。
麺130gの大盛に、キュピーからしマヨネーズ入りという、遠慮も配慮もない構成だ。湯切りをしてソースを絡め、最後にからしマヨを絞ると、食卓は一気にジャンクの香りに支配される。

ひと口すすると、濃いソースとからしマヨの刺激が直球で来る。考え事をする余地を与えない味だ。
それでも頭の片隅では、さっきの地震のニュースが引っかかっている。こうして何事もなく麺をすすれているのは、決して当たり前じゃないのだと、遅れて実感が追いついてくる。

──平穏無事(へいおんぶじ)。
それがどれほど貴重な状態なのかを、ニュースと大盛焼きそばが同時に教えてくる昼だった。

濃い味で腹を満たしつつ、せめて今日は無事でありますようにと願う。
空は晴れ、焼きそばは重い。
それでも、今日を普通に終えられることを、少しだけありがたく思いながら完食。

 

ということで、今日は「ニュース」つながりのお話を。

 

kakuyomu.jp

 

 タカトは、一心不乱に一般街の街並みを早足で歩いていた。

 いつもならタカトなら押し寄せる人の波に翻弄されあちらこちらにとフラフラと揺れ動くのだが、今日に至っては少々違っていた。

「そこをどけ! この! ぷぅ~!チンころ!酢豆すどぅ腐♡ うふ♪」

 うーん、というか今のタカト君、怒ってみたりニヤニヤしてみたりとその表情があちらこちらにフラフラと揺れ動いている。

 強い一言を放ったかと思うと、目の前に迫りくる人の波を荒々しく押しのける。

 そして今度は、うわついた笑みを浮かべたかと思うと、いきなり道の真ん中で立ち止まり何かを計算し始めるのだ。

 そんな邪魔なタカトに押しのけらていく人々には、しだいに殺気といら立ちがふり積もり、いつしか怒号が飛び交っていた。

「何がどうした?」

「同時的雌雄てきしゆう同体らしい?」

 ちなみに、同時的雌雄同体とはデジタル大辞泉小学館)によると、『雌雄同体の生物のうち、同一個体が同時に雄雌両方の生殖機能をもち、雌雄どちらでも生殖できる生物』ということでカタツムリ、ナメクジなどが当てはまるようだが、今いちよくわからない。おそらくきっと今のタカト君のように表情、いや性別が同時に存在する生き物の事なのだろう。って、今のタカト君、そういえばなんかナメクジみたい……

 そんなタカトの後をついていくビン子には、人々が向けてくる侮蔑と憤怒の視線が耐えがたかった。

「じいちゃぁぁぁんー---! 帰りたいよぉぉぉ!」

 だが、タカトのその様子。ビン子なりに、ただならぬ事態が差し迫っていることだけは感じ取っていた。

 しかし、どうしてこうなったかというと……

 今の時刻がおやつ時だから……さかのぼること約6時間ほど前……の事である。

 そう、今日も朝食を食べ終わったタカトは権蔵から配達の仕事を命令されていたのであった。

 それは、急遽依頼された道具の配送。

 いまだアイナちゃんの食い込み写真集を片身離さず持ち続けているタカト。

 そんな朝食のテーブルの上には、これ見ようがしに写真集がおかれていた。

「なんじゃ……タカト……それはワシへの当てつけか?」

「ふん! そう見えるんならそうじゃない!」

 何やら不満そうなタカトは権蔵の言葉から顔をそむけた。

 ――そうか……そうか……そういう態度に出るんじゃの……

 権蔵はそんなタカトをにらみつけると、今日も配達の仕事を命令した。

「タカト! 今日は、お前が荷物を背負っていけ!」

「はぁ? なんで清志子に運ばせたらいいだろ!」

「今日の荷物は少ないんじゃ!」

 そう、数日前に第六の宿舎に荷物を運ぶために老馬の忌野清志子は頑張ったばかり。

 そんな清志子に気を使ったのか権蔵は清志子を休ませようとしたのだ。

 本当かぁ? たぶん……

「そんなの無理だよぉ~ だって、おれ貧弱だしぃ~」

 忌野清志子が引く馬車が休みなら、俺自身も営業終了にきまっている!

 今日は、部屋にこもって『お脱がせ上手や剣』をの融合加工を始めるんだい!

 というのも、ここ最近はそんなことに構っていられなかったのだ。

 そう、権蔵によって破かれたアイナちゃんの写真集……

 その復元作業にいままで精を出していたのだ。いや……まだ精〇は出してないけど。でも、精を出すために! ていうか、早く出したい! 己が欲望!

 だが……物事には限界があった……

 いくら俺が天才(自称)といえども復元できるものと出来ないものがある。

 たとえば処女膜とか? いやいやそれは復元できるだろ! 現代医学をなめるな!

「タカト! これぐらいなら運べるじゃろが!」

「無理だって! じいちゃん!」

「根性見せんか! ほれアイナちゃんが見ているぞ! タカト君、頑張って!」

 権蔵はテーブルの上に置いてあったアイナちゃんの写真集をパッと奪い取ると、食い込み写真のページを開き顔の前に掲げた。

 そこには恥ずかしそうな笑顔を浮かべるアイナちゃんの下半身に穴が開いていた。

 穴ってアンタ……食い込み写真でしょうが! コレ!

 いやいや、処女膜のように薄いそのページ。

 どうやら、権蔵に無理やりヤラれたことによって無残にも破瓜させられたのであった。

 そうそれは握りこぶし二つ分ぐらいの大きな穴。

 そんな穴から権蔵の目がニコニコとしながら覗いていた。

「爺ちゃん、それは食い込み写真にあいた穴から覗く爺ちゃんの目! 絶対に許さんからな爺ちゃん! この破れた食い込み写真の恨みは一生ものだからな! 恨めしやぁぁぁぁぁ!」

 だが、写真集から目を放した権蔵は大笑いする。

「おぉこわっwww なら、タカト、いいものをやろうか?」

「なんだよ! 新しいアイナちゃんの食い込み写真集か?」

「いや違うが、ほれ……」

 なにやら権蔵にうまく丸め込まれたタカトは、どうやら本当に荷物を背負って配達に出かけたようである。

 まぁ、そのせいで運送するのに、ほぼ6時間もかかってしまったのだ。

 だが、その配達も終わった。

 あとは俺の自由時間!

 そんなタカトの耳に第六の門の方角から警鐘のけたたましい音が届いた。

 この警鐘は国内で魔物が出たものとは全く異なる。

 そう、門外のフィールドで大規模な戦闘が起こっていることを示していたのだ。

 融合国内に大規模戦闘の警鐘が鳴り響くのは、いつ以来のことであろうか。

 というのも、聖人世界も魔人世界も自分たちがなぜキーストーンを奪い合っているのかよく分かっていなかったのだ。

 ただ、長年、キーストーンは奪い合うものだといわれ続けてきたため、なんとなくそう思っているのである。

 確かに八つのキーストーンを集めれば大門が開くといわれている。

 そして、その開いた門を通って王が相手の国に行くことができるのだ。

 でも、王さま、わざわざ相手の国に行って何をするの?

 茶でも一緒に飲むとか?

「今日はいいお天気ですね」

「いや……雨ですけど……」

「雨って……あれ、おたくのミサイルですよね……」

「そうですけど……なにか?」

「分かっとんやったら、さっさと止めんかぁ!」

「うぁぁぁ! 責められてる! 口撃されてる! 防衛や! 防衛!」

 って、そんなわきゃないだろうwww

 まぁ、確かに王を殺せるのは王だけ。

 ということは、わざわざ門を通って相手世界の王様を殺しに行くわけですよ。

 なんでやねん! 殺してどうするねん!

 そんなの決まってるじゃん自国を攻められないためですよ! って、どこぞの大統領ならいいそうですが……この世界、門外フィールドがちゃんと干渉地域になっとるわけで、そうそう、攻め込まれることなどないわけですよ。

 被害妄想MAXな王様でもおったら、「相手をぶちのめさんとベッドで眠れない!」とか言いそうですが、一応、この世界の王様、不老不死。そう簡単に死にはしません。

 なら……本当に何をするの? というか……何をしたらいいの?

 ということで、誰もいまだ大門を開くことの意味が分かっていなかったのだ。

 そんなものだから、どの騎士もマジで本腰を入れて相手のフィールドに殴りこもうなどとは考えていなかった。

 だって、相手のフィールドに殴り込んだら騎士であっても死んじゃうんだもん。

 ということで、一般街の住民たちも久しく聞く大規模戦闘の警鐘音に次々と家から顔を出し心配そうに第六の門の方を見つめていた。

 タカトの後ろを歩いていたビン子も心配そうに第六の門の方向をかえりみる。

「ねえ、タカト、大丈夫かな?」

「大丈夫だろう」

 だが、先を急ぐタカトは気にしていない。まるで、他人事のように呟く。

 そう、所詮は門外の出来事。

 テレビの中で放送されるニュースと同じなのだ。

 遠く離れた場所では現実に起こっているにもかかわらず画面の中で見る光景はどこか冷めて見える。

 日々、多くの血が流れているというのに、その痛みは全く感じない。

 経験がないというのはこういう事なのだ……

「……」

 しかし、ビン子はやはり気になるのか、後ろを何度も何度も振り返りながらタカトの後をついて歩く。

 そんなビン子を、タカトは振り向きもせず諭すのだ。

「あのな……よく考えろよ! 魔人騎士も自分のフィールドの外に出れば死ぬからな。だから、こちら側まで来る馬鹿はいないよ」

 タカトに限らず聖人世界の誰しもがそう思っていた。

「でも、今回は、大変そうよ」

 だが、ビン子はたびたび後ろを振り返る。

 振り変える回数が多くなったせいなのか、少し距離が開いたタカトを早足で追いかけ始めた

「門外だけだよ。大丈夫。大丈夫」

 しかし、距離がひらいたのは、どうやらビン子のせいだけではなかったようだ。

 というのも、先ほどから目的を持って歩くタカトの足は明らかに早まっていたのであった。

 駆け足で追いつくビン子はとうとう我慢ができなくなったのか、タカトに尋ねる。

「ねぇ、一体どこに行くの?」

 タカトはズボンのポケットからグチャグチャに丸められた福引券を取り出してビン子に見せた。

 それをマジマジとみるビン子。

 はて? タカトが福引券など持っていただろうか?

 というか、ここ最近お金がないのだからまともに買い物などしたことがない。

 なので当然、商店街の福引券など貰えるわけがなかったのだ。

「これ福引券? いつ、貰ったの?」

「朝、じいちゃんから貰った!」

 そう、権蔵はタカトの写真集を破ってしまったことを密かに後悔していたのだ。

 だが、穴が空いたものは仕方がない。

 世の中、穴が空いた方がいいモノだってあるのだ。

 そもそも、穴が空いてない方を好むのは世間知らずの童貞ぐらい!

 って、タカト君も童貞だったか!

 この前の日、そう、それは空に穴が空いたような天気のいい昼下がりだった。

 その日も、タカトとビン子は今晩の食材を探しに目の前の森の中に食材を探しに出かけていた。

 そんな二人が留守の間、権蔵は道具屋の入り口に置かれた切り株の椅子に腰を掛けて煙草をふかしていたのである。

 たばこの煙が空にプカプカと浮いては、次第に薄くなって消えていく。

 ――今日もいい天気じゃ……

 青空を見上げる権蔵の目に突然、何かの影が覆いかぶさってきた。

 ふと視線を前に戻す権蔵。

 そんな先には一人の男が立っていた。

 そのいでたちは黒い袴に白い小袖。まるで和風剣士といったところ。

 権蔵は煙草を口から離しながら平静を装った。

 というのも、その男の気配を全く感じなかったのである。

「どちらさんじゃ……」

「拙者、石川県在住の五右衛門と申すもの……」

「……住まいまでは聞いとらん……」



「タカト殿はご在宅か……」

「いや、タカトは今、外に出とる。おそらく夕方ぐらいまでは帰ってこんわい」

「さようか……」

「どうしたんじゃ? タカトに何か用か?」

「いや……タカト殿に作ってもらった剣を鍛え直してもらおうと思いまして……」

「タカトが作った剣じゃと?」

 ――アイツは戦いの道具を作るのを嫌っていたはずじゃが……

 確かにタカトには道具作りの才能はある!

 もしかしたら、権蔵がまだ気づいていない才能すらも持っているかもしれない。

 だが、奴はその才能をまともな道具作りに向けないのだ。

 だから出来上がるものは、いつも変な物ばかり。

 権蔵には、それが少々歯がゆかった。

 まともな物を作れば、あっという間に自分を超える存在になるというのに。

 だが、タカトの口癖は「俺の道具はみんなの笑顔にするためのモノ」。

 分かっているが……いつかタカト自身が、それで泣きを見るかもしれない。

「どれ、ワシに見せてみろ……」

 権蔵の問いかけに五右衛門は腰に差した剣をスルリと抜くと手渡した。

 その剣の白く輝く刃先を見た権蔵は大きくため息をついた。

「これは……」

 そう、この剣はタカトがお脱がせ上手や剣の試作として融合加工した剣である。

 だが、それは少々強すぎた。

 そう、タカトの計算ではスカート一枚だけを切り落とすはずだったのだが、残念ながらその下にあるパンツをも切り裂き、さらに、その先にある女の子の太ももまでも傷つけてしまう代物だったのである。

「こんな剣、使えるか!」

 道具屋の前の通りにある大石に向かって剣を叩きつけて折ろうとしていたタカト。

 ちょうどその時、五右衛門がその側を通りかかっていたのだった。

「おぬし! その剣いらぬのなら拙者にいただけないであろうか!」

「はぁ? こんな人を傷つけるような剣なんか危なっしくて渡せるわけないだろうが!」

「そこを頼む! いま、拙者は武士になるために腰に差す刀を探しているところなのだ……武士の情け!」

「嫌だ! 絶対に嫌だ!」

「タダとは申さぬ……今、手元にあるのはこの写真集だけ……これと交換ではどうだろうか……」

 それはアイナチャンの写真集『熱いうちに召し上がれ♥』。

 エプロン姿のアイナがエビフライの調理をしている姿が収録されているのだ。

 そして一番の見せ場は、極太エビフライを口に含みながら「もう大きいんだ・か・ら♥」と上目遣いで上気したポーズしているところ。

 しかもまた、口角からわずかに垂れる白いタルタルソースがいい味を出している。

 もう、これを撮った写真家のこだわりが見え隠れする至高の一品だ。

 俺のエビフリャイも食べさせてぇぇぇえぇ♥

 世の男どもは思ったことだろう。

 ちなみにこの写真集、エロい写真は全くないにもかかわらず、なぜか有害図書に指定されたいわくつきの写真集である。

 タカトはゴクリと生唾を飲み込んだ。

 一見するだけでそれは丁寧に保存されている極上品。

 ――これは……すごい……

 しかし、タカトのポリシーが許さないのだ。

 ――俺の道具は人を笑顔にするもの! 傷つけるものでは断じてない!

 当然、それを見るタカトは首を振った。

 残念そうな五右衛門は大きなため息をつく。

「そうか……残念だ……実は2冊あったのだが……」

「ぜひ‼ 交換、お願いします♥」

 権蔵が空に掲げた残念剣は日の光を激しく散らしていた。

 権蔵は大きなため息をつく。

 一見するだけで、剣の刃先が大きく欠けた粗悪品。

「これは……ひどい……」

 そんな権蔵の横で五右衛門が申し訳なさそうにモジモジしている。

「その……あの……タカト殿が作ってくれた残念剣……ある男の手錠の鎖を切ったら刃こぼれしてしまって……」

 どうやらスカート一枚だけを切り落とすことを目的とした剣には、手錠の鎖は固すぎたようであった。

「タカトの奴……こんな中途半端な仕事をしよってからに……」

「何とかならんであろうか……」

「仕方ない、ワシが作り直してやるわい」

「それで構わぬ! かたじけない! だが、今手持ちがコレしかなくて……」

 五右衛門はすまなそうに懐から一枚の福引券を取り出した。

「それでやってやるが……そもそも元の融合が悪いから、そんなによくはならんぞ! きっと後悔するぞ」

 ここに残念剣あらため。慚悔剣が誕生したのだった。

 そこまでして権蔵が手に入れてきた福引券。

 きっとものすごいものが当たるのだろう。

 ビン子は期待に胸を膨らませてタカトにきいた。

「で、1等の景品は何?」

「さぁ?」

「えっ……知らないの」

 足を止め固まるビン子。

 なら、どうしてタカトはこんなにも嬉しそうにしているのだろうか。全くもって分からない。

「1等なんて知らねぇよ。しかし、今回の景品はすごいぞ。なんといっても4等は、アイナちゃんの写真集10冊と極め匠印の頑固おやじシリーズの工具……のネジ1点セット!」

 ちなみにこのアイナちゃんの写真集10冊は全ておなじ写真集である。

 そう、アイナちゃんの写真集でありながら全く売れなかったという、ある意味伝説的な写真集『チンころと酢豆腐すどうふ』!

 アイナちゃんが全身ワンワンの着ぐるみを着て、読者へ酢豆腐をアーン♥と食べさせてくれるようなポーズが延々と収録されているのだ。

 しかし、だぼだぼの着ぐるみのおかげで美しいボディラインも、豊満なバストも見えやしない。

 まぁ、確かにアイナちゃんがワンワンの着ぐるみを着ていれば可愛いことは間違いない。

 だが、この写真を撮った写真家……何をとちくるったのか知らないが、なぜかアイナちゃんの顔もワンワンの着ぐるみで覆ってしまったのだ。

 そのためもう、このワンワンが本当にアイナちゃんかどうかも分かりゃしない。

 ただ、単に写真集のタイトルの片隅にアイナちゃんの名前が入っているだけで……後は、ほぼワンワン!

 ワンワン最高ぉぉぉぉ!

 って、お前はNHKの回し者か!

 ちなみにこのNHKは某放送局とは全く関係ございません! 

 そう、これは健全な少年少女の育成を志す、N(ノー)H(エッチ)K(カツドん)!

「欲しがりません! カツまでは! Hエッチの後にIはない! Hエッチの前にIが有る! アルファベット表記を変えよう! 少年少女のためにアルファベットの並びを変えよう! 打倒! エビフライ! 怨敵! エビフリャィィィ!」



 さすがにこれにはアイナちゃんのファンもブチ切れた!

 そのため、販売した出版社には返品の山ができていたのだ。

 そんな写真集も在庫整理とばかりに商店街のくじ引きの景品に並べられたのである。

 そのため、4等の当たり本数はなぜか一番多くて1万本!

 これなら絶対に当たるはず!

 って、外れじゃん! これ……

 というか……ワンワンの写真集として売ればいいんじゃね?

 興奮を抑えきれないタカトは福引券を強く握りしめガッツポーズをとった。その握りこぶしは、武者震いのように揺れている。タカトの決戦に望む強い決意が、その目に輝いていた。

「なんだ、そういうことね」

 腑に落ちたビン子は、笑いながら駆け足でタカトを追いかけた。

 

令和8年1月5日の昼飯

 

本日、食したカップラーメンはこちら!

徳島製粉
金ちゃんヌードル

 だぁぁぁぁぁぁ!

 

 

あけましておめでとうございます!

ただ、あいにく天気は雨。
正月気分もすっかり抜けきらないまま、冷たい雨が静かに降り続いている。こういう日は、あれこれ考えずに湯を沸かし、いつもの一杯に頼るに限る。

今日の相棒は、徳島製粉
金ちゃんヌードル」。
派手さはないが、見慣れたパッケージを見ると妙に落ち着く。湯を注げば、どこか懐かしい香りが立ち上り、気持ちまで少し巻き戻される。

ふと、正月旅行のことを思い出す。
日々カップラーメンを食べてコツコツ貯めた、下半期のヘソクリ五万円。
それが子供たちのおもちゃやお土産に姿を変え、気づけばすべて消えていた。
いや、正確には消えただけでは済まず、足りずに赤字。
財布の中身は寒風凄雨(かんぷうせいう)──身にしみる寒さと厳しさそのものだ。

それでも、金ちゃんヌードルをすすりながら思う。
子供たちがはしゃいでいたあの顔を見たなら、まあ、いいかと。
出汁の効いたスープは素朴で、妙に優しい。
赤字でも、雨でも、この一杯があれば、とりあえず今日をやり過ごせる。

……また節約の日々に戻るだけの話だ。

 

ということで、今日は「おめでとうございます」つながりのお話を。

 

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 そんな時だった。

 鶏蜘蛛に噛まれて倒れていたはずの住人たちが――

 一人、また一人と立ち上がりはじめた。

 ……お? もしかして、意識が戻ったのか?

 と思ったのも束の間。

 「うがぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 起き上がるやいなや、近くの住人に――ガブッ!!

 ……え? え? なにこの既視感(デジャヴ)?

 そう、これは……あれだ。

 ゾンビ映画でよく見るやつ!

 「ゾンビに噛まれた人間は、ゾンビになる」ってやつね!

 ということで、襲われた人も見事に――

 「うがぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 ……と、めでたくゾンビ化完了。おめでとうございます。

 ……って、なんのこっちゃねん!!

 と思われた方もいるだろう。うん、わかる。

 ということで、このカオスな状況をちょっとだけ真面目に、わかりやすく解説してみよう!

 聖人世界の生き物が「生気」を持つように、魔人世界の生き物もまた、独自の「魔の生気」を有している。

 しかし、このふたつの生気は絶対に相容れない。

 むしろ魔の生気は、聖人世界の生気を喰らい尽くす性質を持っているのだ。

 つまり――

 魔物に噛みつかれたり、血液(魔血)を浴びたりした者は、体内に魔の生気を取り込んでしまい、

 やがて「人魔じんま」(制圧指標5)と呼ばれる存在へと変異していく。

 緑色に光る目をした、人でも魔でもない魔物崩れ。

 それはまるで、ゾンビのような存在である。

 このような症状を「人魔症」と呼び、聖人世界ではとりわけ厳しく検査・監視されている。

 というのも──

 人魔症の発症者のうち、実に90%が人魔へと変貌するからだ。

 人魔と化した者は、他者の生気を求めて暴走し、次々と周囲の人々に襲いかかる。

 そして、襲われた者もまた人魔となる。

 ……そう、人魔は人魔を呼ぶのだ。

 その連鎖はまるでゴキブリ。

 たった一匹を見逃せば、あっという間に群れとなり、

 最終的には世界中が人魔に覆われてしまうかもしれない。

 ゆえに、聖人世界ではゴキブリと同様――

 人魔は見つけ次第、速やかに殺処分されるのが原則である。

 また、人魔症と診断された者は、速やかに「人魔収容所じんましゅうようじょ」に隔離される。

 ……が、その収容所から帰ってきた者は、未だ一人もいない。



 人魔の群れを盾で必死に押しとどめていた守備兵たちが、その隙間から伸びてくる手を払いながら、悲痛な叫び声をあげた。

セレスティーノ様! 今は格好つけてる場合ではありませんヨ! 今回は思った以上に魔の生気のまわりが早いようで――!」

 が、当のセレスティーノは、彼らの苦戦ぶりをどこか他人事のような目で見下ろしていた。

 というのも、現時点で人魔たちが襲っているのは――男だけだったからである。

 男が何人死のうが、知ったことではない。

 大事なのは、女が無事であること。

 特に、あの“90点の女”さえ守れれば、セレスティーノ的には問題ないのだ。

 そんな持論を胸に、セレスティーノは気取った仕草で剣を構え、守備兵たちに命じた。

「人魔どもはお前たちに任せた。私は、このレディたちを守る!」

 ――こんな時に何言ってやがる、この男は……。

セレスティーノ様ぁ……」

 守備兵たちは諦めと怒りを混ぜたため息を吐く。

セレスティーノ様ぁ♥」

 女たちはうっとりと黄色い悲鳴。

「ゼレスディーノ様ぁ♥」

 ピンクのオッサンからも茶色い奇声が飛んでくる。

 ――だからおめぇじゃねぇってのッ!

 心の中で怒りの拳を握りしめ、セレスティーノはぐいっと体を後ろにひねった。

 できることなら、ヤツの顔面に一発ぶちかましたい……だが、まだ我慢だ……!

 ――大丈夫、俺はやる子! やれる子! やっちゃう子!

 そう、今夜はやっちゃウゥゥゥゥンだァァァァ! あの女とぉぉぉぉ!!

 別の守備兵たちが、押し寄せる人魔の群れから女たちを遠ざけようと、前に出て腕を広げた。

「ハイハイ、危ないから下がって! 下がって!」

 だが、女たちはそれに反発し、口々に叫ぶ。

「邪魔しないでよ! このブサイク!」

 ――がビーンッ!

 ブサイク……だと……!?

 さすがに、それは人として言ってはイカンだろう……!

 デ・デ・デ・デ・デ・デ!

 涙目の守備兵たちのステータスが大幅に減少した。

 デ・デ・デ・デ・デ・デ!

 守備兵たちの心にトラウマと言う呪いがかけられた。

 デ・デ・デ・デ・デ・デ!

 守備兵たちの目から涙がこぼれた。

 ワーン! ワン!(←泣き声)

 ――なんでこんな奴、守らにゃならんの……俺ら……

 

 ピンクのオッサンも負けじと守備兵の肩を力いっぱい押しのけた。

「どきなざいよ! ブザイク! 私のゼレスディーノざまが見えないでじょ!」

 カチーン!

 ――このブサイク! お前だけには言われたくないわッ!

 一度でいい、鏡見てからモノ言やがれ!

 テレレレッテッテー

 怒りに燃える守備兵たちのステータスが大幅に増加した。

 テレレレッテッテー

 守備兵たちの心のトラウマがシマウマに進化した。

 テレレレッテッテー

 守備兵たちの目がヒヒンといなないた。いな! 泣いた……

 ちなみにシマウマはヒヒンとは鳴かずに、犬のようにワンワンとなくのだ。

 ワハハハハ! 

 ――なんでこんな奴、守らにゃならんのwww 俺らwww

 ついにカマドウマにまでレベルアップした守備兵たちの心。

 そんな心の堪忍袋の緒がブチッと飛んだ。

「お前ら! そんなに人魔症になりたいのかぁああッ!!」

 突然の怒声に、女たちは便所の隅からいきなりカマドウマが飛び出してきたかのように、目をむいてビクリッと仰け反った。

 ……って、カマドウマってさ、マジですげぇ飛ぶのよ!

 夜、便所であれが飛んできた日には、マジでションベン漏らすぐらいにびっくりモンキー間違いなしだから!

 それを聞いたセレスティーノは、あたかも仕方なさそうに、しかしどこか優雅に言い放った。

「その美しい肌に、薄汚い魔物どもの血がかからぬように──さぁ、どうぞ、後ろにお下がりください」

 振り返ることなく背中越しに。

 ……というのも、この男、今、絶対に振り返れないのだ。

 なぜなら――

 目の前の鶏蜘蛛を睨みつけて動きを封じているから……?

 否!

 全然違う!

 実際のところ、セレスティーノは今、今夜ベッドの上で繰り広げられるアイスダンス、90点の女とのアクロバティックハードプレー・トリプル・ルッツルツルを、脳内で何度もシミュレーションしている真っ最中なのである!

 その顔はもう、デレッデレの緩みきった表情。

 ……とてもじゃないが、そんな顔を背後の女たちに見せられるわけがなかったのだ。

 セレスティーノがそんな緩みきった顔をしているとも知らず、女たちは、

セレスティーノ様がおっしゃるのなら……」

 と、顔を赤らめながら、なぜか急に素直にモジモジと後ろへ下がっていく。

 そして、なぜかピンクのオッサンまでが大きな肩を小さくまとめ、モジモジとと控えめに退がっていくではないか。

 それを見た守備兵たちは、何とも言えぬ気持ちでため息をついた。

 ――……母さん……ブサイクは辛いです……

 そう、ブサイクにとって、この世は生きにくいのだ!

 そして、それはこの世界に限ったことではない……作者がいるリアルもそうだ……うん……あれ? なんだか、キーボードを打つ画面が滲んできたぞ……おかしいな……

 でも、大丈夫……カマドウマには羽がないからコオロギのように鳴けやしない。

 そう、ブサイクは泣きたくても泣ことすら許されないのだ……

 ここで一句!

 女は心にカマドウマ! 男は黙って便所コウロギ!

 ちなみにカマドウマも便所コウロギも同じだからね❤

 男女差別じゃ決してないよ♪

令和7年12月30日の昼飯

 

 

本日、食したカップラーメンはこちら!

東洋水産
マルちゃん
「やわらか博多風うどん 」
煮干し、昆布、さば節のだしに、もちっとしたうどん

 だぁぁぁぁぁぁ!

 
 

早速! いただきます!

天気は晴れ。空はすっきりしているが、年末らしく気持ちのほうはなぜか落ち着かない。
そんな昼時、今日も淡々と湯を沸かし、カップ麺に向き合う。

選んだのは東洋水産 マルちゃん
「やわらか博多風うどん」。
煮干し、昆布、さば節のだしに、もちっとしたうどん──という、実に穏やかな構えの一杯だ。

湯気とともに広がるのは、魚介だしのやさしい香り。
口に運べば、角のない旨みがじんわりと染みてくる。
もちっとしたうどんも主張しすぎず、全体として実におだやか。
……こういう味は、変に疲れている時ほどありがたい。

もっとも、心の中は穏やかとは言いがたい。
客からのお歳暮で日本酒を大量にいただき、冷蔵庫にはすでに瓶が六本。
ありがたい話ではある。あるのだが──
あえて言おう。日本酒はいらん。
今ほしいのはインスタントコーヒーだ。
高いんだ、最近。ほんとに。

──まさに平穏無事。

平穏無事(へいおんぶじ):変わったこともなく、穏やかに過ぎていること。

だしの効いたうどんをすすりながら、
冷蔵庫の日本酒と値上がりするコーヒーを思い出しつつも、
少なくともこの一杯の時間だけは、静かに過ぎていった。

 

ということで、今日は「酒」つながり。
おそらく25年の投稿は今日で終わり。
今年一年、ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。

 

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 で、そんなことがあった数時間後――。

 配達を終え、街へと戻るタカトたち。

 権蔵の言いつけ通り、行きつけのコンビニへと向かうのであった。

 ガタゴトゴト。

 揺れる荷馬車の前に、またもや人影が飛び出してきた。

 もしかして――コウスケか?

 いえいえ、コウスケ君ただいま、学校で遅刻が多いのでスグル先生による居残り補習の真っ最中!

「コウスケ! 2×9ニクは!」

「18です!」

「馬鹿か! ”美味しい”に決まってるだろうが! マジで血の滴る生肉は美味しいぞ!」

「え~、先生、僕はレアよりもウェルダン派です。」

 ……ちなみにスグル先生は、第二の騎士クロト様の神民である。

 


「なら! 3×3サザンは!」

「アイズ!」

「惜しい! それは2002年に完結した! 今はオールスターズだ!」

「そうか! 2013年に活動を再開してたんだった!」

 ……って、コレ……なんの補習なの?

 ということで、今回の人影はコウスケではなかった。

 コウスケじゃない? じゃあ――誰だ?

 そう! 怪しげな影が二つ――!

 しかもその影は、ぴんと立った長い耳を持ち、黒いレオタードをまとっていた。

 青空を背に、腰のあたりで揺れる白いお団子と白いつけ襟がやけに映える。

 そのか細い足には、少々ゆるめの網タイツ。

 ……って!

「バニーガールかよ!」

 すかさず突っ込んだタカトの目は、レオタードのめくれ上がったバスト上部に釘づけだった。

 だが残念なことに、その胸元は布地を少々余らせ、風にひらひらと虚しく揺れていた。





「あかん……それでは胸の谷間にアレが挟めないじゃないか……」

 タカトは、心底残念そうにつぶやいた。

 って、アンタ……アレって……一体、何を挟もうというのですか!

 ――そんなの決まってるじゃないか! 反り立つトーテムポール! 天国!オン・ザ・ビーチ

 ということで、当然ながら――

「不健全人物!」

 ビン子のハリセンが、カメレオンの舌も真っ青な速度でタカトの後頭部を打ち抜いた。

 ビシッ!

 一瞬の出来事に、タカトは何が起こったのか分からない。

 背後をきょろきょろ見回すが、もうハリセンの姿はどこにもない。

 ――なんだったんだ、今のは……? もしかして宇宙人?

 後頭部をさすりながら、タカトは再びバニーガールへと目を戻した。

 ところが――。

 驚くことに、その“バニーガール”たちの口から飛び出した言葉は!

「ワレワレはバニーガールなどではない! ウサギ星人だ!」

「ウサギ星人だ!」

 いや……どう見てもバニーガールにしか見えない。

 というか、 蘭華と蘭菊にしか見えないwww

 おそらく、あのコンビニの女店主ケーシーさんが、面白半分でこの衣装を着せたのだろう。

 案の定、コンビニの窓から、面白そうにこちらを覗いている姿が見える。

 ――って、あの女店主、幼女にこんなもん着せて何考えてんだ!?

 だが、よからぬことを考えているのはケーシーさんだけではなかった。

 そう――われらがタカト君である。

 タカトは、意地悪そうに笑みを浮かべると、ウサギ星人たちをからかい始めた。

「そのウサギ星人さんとやらは、月じゃなくて“お酒が飲める大人の怪しいお店”にいたはずだけどな……? もうこうなったら、お兄ちゃんが“よからぬところ”に連れてってあげようかwww」

 お兄ちゃん? もう、それ、ただの怪しいオッサン!

 いや、完全に“防犯メール案件”である。

 そんなオッサンに声をかけられたものだから、蘭華と蘭菊は心配そうに顔を見合わせた。

「ど、どうないしよ……蘭菊ぅ……赤ちゃんできちゃうよ……」

「蘭華ちゃん、きっと……だいじょうぶだよ……ケーシーさんも見てくれてるし……」

 そんな二人を安心させるように、ビン子が優しく微笑んだ。

「大丈夫よ。そんなお店には連れて行かせないから。でも、二人とも本当に可愛いんだから、気をつけなさいよ」

「ちっ」

 タカトはつまらなさそうに舌打ちする。

 って、コイツ、マジでかどわかすつもりだったのかよwww

 

 でもって、気を取り直したタカトは、あらためて尋ねた。

「で……お前ら、一体、何の用だ?」

 蘭華と蘭菊は、はっと我に返ると、肩の高さに手を上げた。

「いらっしゃいませ。おいしいお飲み物はいかがですか?」

「お飲み物、いかがですか?」

 二人は営業スマイルを浮かべ、にっこりとタカトに向ける。

 その姿――まさしく“お酒が飲める大人の怪しいお店”にいるウサギ星人そのものだった!

「アホか! お前らの年齢で、それはまだ早いわ!」

 おい! さっきまで自分が言ってたこと、どこ行ったんや!

 どの面下げて説教垂れとんねん!

 ――って、こんな面ですけどwww

 不細工ぅ~。

 ――ほっとけ!

 だが、蘭華と蘭菊はタカトと違って、心が澄んでいた。

 自分たちを気遣ってくれた言葉に、胸の奥がズーンと重くなる。

 というより……エアーグラスでは、ままごとにもならないwww

 ならばということで、

 蘭華は“お酒が飲める大人の怪しいお店”のウサギ星人から、

 “人生が転落しかねない、さらに怪しいお店”のウサギ星人へとジョブチェンジした。

「それではお客様、こちらのテーブルでポーカーなどいかがですか?」

 いつの間にか蘭華の前には、ダンボール製のテーブルが。

「掛け金は大銅貨一枚からで大丈夫ですよ」

 その背後で手慣れた手つきでカードを切っていた。



「一枚から大丈夫ですよwww」

 蘭菊も隣でニコニコしていた。

 怪しい……

 とうみても怪しいが……

「ほほう……今日は“正当な勝負”と来ましたか。ならば受けぬわけにはいかぬな!」

 思い返せば、この二人、これまでは暴力による強奪しかしてこなかった。

 だが、今回は正当なギャンブル! これを断る理由などどこにあろうか。

 ――なぜなら俺は、かつてガラポンでピンク球を引いた男!

 そう、タカトは商店街の福引で三等「ジャンボポール・ゴルチン13さんのタンクトップ」を当てたのだ。

 ……もっとも、それはイカサマ道具『パちんこ玉・赭(シャ)ブロー』で色を塗り替えられた玉。

 実際に引いたのは白玉――一等だったのである!

 タカトは自信満々にポケットから大銅貨三枚を取り出した。

 ――こんなガキんちょども、大銅貨三枚もあれば、身ぐるみはがして裸でひーひー言わせてやるぜ!

 あんなことや、こんなことも……ウィヒヒヒヒ!

 タカトは意気揚々と荷馬車から飛び降りる。

「タカト、荷物!」

 慌ててビン子はタカトにカバンを放り投げ渡す。

「あと、時間がかかりそうだから、荷馬車どこかに停めてくるね!」

 既に“戦場”に臨む男タカト。

 地面に落ちたカバンを掴み上げると、後ろ手で手を上げ、ひと言。

「俺は――決して振り返らないぜ!」

 ……言ってる意味が、まったく分からない。

 ほどなくして、路上にはパンツ一丁のタカトが呆然と立ち尽くしていた。

 ――なぜだ……こんなガキンチョどもに、俺が負けるなんて……。

 状況が理解できないまま、タカトは叫んだ。

「イカサまだ! イカサまに違いない!」

 タカトを見つめる蘭華の目が、にやりと光る。

「お客さん。イカサまなんて聞き捨てなりませんねぇ。証拠でもあるんですか?」

「う……そ、その胸だ! その胸の隙間にカードを隠してるに違いない!」

 蘭華が一瞬たじろぐも、すぐに鋭い眼光でタカトをにらみ返す。

「……ほんなら、よぉく見ぃや!」

 勝負ごとに引き下がらない蘭華はレオタードをちらりとめくる。

 少女の小さいふくらみが赤いつぼみをつけていた。

 ――ない……ないことはないが……やはりない……

 もう、ここまでされては何も言い返せないタカト。ガックリと膝をつく。

「おっ……俺の負けだ……」

「それじゃ、このカバン、いただきま~すねwww」

 タカトの背後で、ずっとカードをのぞき見して蘭華に合図を送っていた蘭菊が、すばやくカバンを奪い取った。

「そっ、それだけは後生です! お代官様……それには大事な薬が……!」

 見苦しくカバンにしがみつくタカト。

 その頭を、蘭華が遠慮なく踏みつけた。

「女子の胸をのぞいたや! これぐらい当然やろ!」

 ぐりぐりと踏まれながら、タカトの顔が醜く歪む。

 だが、そこで彼はにやりと笑い、口を開いた。

「それでは――お代官様。次はダンスバトルでいかがでしょうか?」

「えっ、ダンスバトル!?」

 あのタコのような踊りしかできないタカトから発せられた言葉に、蘭華と蘭菊は顔を見合わせた。

令和7年12月29日の昼飯

 

本日、食したカップラーメンはこちら!

日清 カップヌードル
おいしさそのまま PRO
チリトマトヌードル
高タンパク質&低糖質さらに塩分控えめ

 だぁぁぁぁぁぁ!

 

 

早速! いただきます!

天気は晴れ。冬の空は澄んでいるのに、年末の実感だけが追いついてこない。
2025年も、今日を含めてあと三日──そんなカウントダウンを頭の片隅に置きながら、昼の一杯に手を伸ばした。

選んだのは日清 カップヌードル
「おいしさそのまま PRO チリトマトヌードル」。
高たんぱく・低糖質、さらに塩分控えめという、なんとも現代的な肩書きを背負ったチリトマトだ。

湯気とともに立ち上るのは、いつものあの酸味とスパイスの香り。
ひと口すすれば、ピリッとした辛さとトマトのコクが広がり、「PRO」になっても味はちゃんとチリトマト。
軽やかだが物足りなさはなく、罪悪感だけがきれいに削ぎ落とされている。

──そういえば今年も宝くじは当たらなかった。
……いや、そもそも年末ジャンボを買い忘れていたwww
当たるわけがない。理屈はシンプルだ。

──まさに自業自得。

自業自得(じごうじとく):自分の行いの結果を、自分で受けること。

宝くじは外れ、いや未購入。
それでも、変わらない味のチリトマトがあれば、年末の昼としては十分だと思えた。

 

ということで、今日は「宝くじ」つながりのお話を。

 

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 カレーのついた芋をほお張るたびに絶叫を上げ続けているタカト。

 権蔵はそんな騒がしい様子にうんざりしたようにため息をつきながら、重い口を開いた。

「おい……タカト……配達の帰りに、ちゃんと食材を買ってくるのを忘れるなよ……」

 毎回、ビン子が食事当番のたびに『電気ネズミのピカピカ中辛カレー』を食わされる身にもなってほしい。

 せめてまともな食材があれば、迷惑コックのビン子といえど、もう少しマシな料理が作れるというものだ。

 そう思いつつも、権蔵の表情にはどこか不安の色が滲んでいた。

 まるで、これから起こる何かを本能的に察知しているかのように――。

「なぁ、タカト……せめて、今日だけは……酒だけは絶対に忘れずに買ってきてくれよ……」

 その声には、切実さと諦念と、そして一抹の希望が入り混じっていた。

 とはいえ、実際の任務は、『騎士の門』の守備隊に汎用道具を届けて、そのついでに『一般街』で買い物して帰ってくる――ただそれだけの、実にシンプルなお仕事……のはず、なのである。

 もしかして、この聞きなれない「騎士の門」とやらが危ないのでは?

 ――そう思ったあなたは、なかなか鋭い。

 「騎士の門」とは、聖人世界に存在する四つの門――「大門」「騎士の門」「中門」「小門」のうちの一つ。

 その門の“外側フィールド”には、常に張り詰めた空気が漂っている。

 なぜならそこは、魔人世界側の「騎士の門」へと直結した、いわば両世界の前線だからだ。

 門自体は閉ざされているが、「騎士の門」は聖人世界と魔人世界にそれぞれ存在し、真正面から地続きで向かい合っている。

 つまり、その境界を越えれば、そこはもう本物の魔人世界。

 一歩間違えば命を落とす、極めて危険なエリアというわけである。

 だが、この門の恐ろしさはそれだけにとどまらない。

 各門の外側フィールドには、他国の“キーストーン”――すなわち、「大門」を開くための鍵が秘匿されている。

 そして、他国から奪ったキーストーンを八つすべて揃えることで、自国の「大門」を開くことができるのだ。

 そう、「大門」を開くことは、すべての国家にとっての悲願。

 騎士たちは、自国のキーストーンを死守しながら、他国のキーストーンを奪うべく、今日も命を賭して戦っている。

 この静かなる侵略戦は、はるか昔より両世界の狭間で、密やかに、だが確実に繰り返されてきたのである。

 まあ、簡単に言えば、「騎士の門」の外側フィールドは、魔人や魔物とガチで殺し合ってる戦場だ。

 って! オイ! やっぱりそこ、危ないどころの話じゃないじゃないか!

 いや、違うのだ!

 タカトが配達に向かうのは『内地』――つまり、融合国内にある「騎士の門」の内側なのだ。

 要するに、門の外側のフィールドに足を踏み入れさえしなければ、そこまで危険というわけではない。

 実際、国内に紛れ込んでくる魔物のほとんどは、『小門』から迷い込んできたちんけな雑魚ばかり。

 そんな連中は、守備兵たちが見つけるなり「汚物は消毒だぁァァァァ!」と叫びながら、きっちり駆除してくれている。

 まあ、もちろん――ときどき《獅子の魔人》みたいなレアモンスター級のヤバい奴が紛れ込むことも、なくはないけど……

 そんなレアモンスター級に出くわす確率なんて、宝くじに当たるよりずっと低い。……たぶん。

 では、もしかして買い物先が危険地帯なのか?

 ……確かに、タカトがよく買い物をする店は危ない店だ。

 危ない――そう、別の意味で。

 なんとそこは、大人のオモチャやコスプレグッズがずらりと並ぶ、子供にはちょっと刺激が強すぎるオ・ミ・セ♥

 とはいえ、食材から酒まで一通りそろってる、実はかなり便利なコンビニエンスストアだったりするのだ。

 ……って、よくよく考えたら……これ、わりと普通やん……普通ぅ!

 なら、どうして権蔵は、今にも泣き出しそうな顔をしているのだろう?

 ――それはね……実は、タカト君が配達に行くたびに、なぜか権蔵じいちゃんの借金が増えるんですよ。

 !?

 えっ? 意味がわからない? まぁ、そりゃそうだ。

 納品用の道具を作るには当然、材料費がかかる。これは常識。

 でも、貧乏暮らしの権蔵一家に、そんなまとまった金があるわけない。これも常識。

 だから、納品で得たお金をそのまま材料費にあてる――つまり、自転車操業ってやつだ。

 ……ところが!

 タカトが配達に行くたびに、なぜかお金が! なくなってくる!

 資金ショート! デフォルト! 夜逃げ! 首つり自殺! 一発K.O.!

 はい、地獄のコンボ完成です!

 そんなわけで、権蔵は泣く泣く、自分の主である“神民”から借金して、その場をしのいでいるのだった……。

 ま……まぁ……だけど……タカト君も人間だ。

 たまにはお金をなくす失敗くらい、あるよね?

 ――だが、それは「たまに」どころの話ではなかった。

「ピンクのドレスを着た毛むくじゃらのオッサンが、チェキ代として持ってっちゃったんだョ!」

「昔話に出てくる怪鳥が、月から飛んできて財布をくわえてったんだョ!」

 無一文で帰ってくるたびに、タカトはしょうもない与太話でヘラヘラと笑ってごまかした。

「このドアホ! そんなウソ、あるかァァッ!」

 当然、権蔵はすぐに見抜いて怒鳴り声を上げる。

 だが、それ以上は――責めなかった。

 どうやら、タカトの“本当の目的”に、権蔵も薄々気づいていたのだ。

 納品を終えたタカトは、買い物へと街へ向かう。

 そこは『一般街』――神民たちが暮らす上層の『神民街』とは城壁で隔てられた、下層民の町。

 そして、その町並みは、神民街から遠ざかるにつれ、どんどんと治安が悪くなっていく。

 タカトが向かうのは、そんな街はずれの外れ。

 毎日のように、なにかしらの騒ぎが起きている、トラブルの坩堝だった。

 借金取りに追われて逃げ惑う女がいれば、その手をつかんで金を握らせる。

 魔物に家を壊された家族が泣き崩れていれば、そっと背後に金を置いて去る。

 ――そう。

 タカトは、女に弱いのだ。

 特に、“女の涙”には……。

 まぁ、だからといって――

 男相手の喧嘩で勝った記録も、これまで一度もないのだが。

 タカトはカレーまみれの芋をほおばりながら、なぜか胸を張った。

「今日は大丈夫だって!」

 唇を真っ赤に腫らし、へらへらと笑っているその姿は、何一つ危機感を感じさせない。

 ――まったく、こいつは……

 苛立ちを隠しきれず、権蔵は湯飲みを机にドンと叩きつけた。

「このドアホが! この前もババアに病院代だって金貨置いてきたんじゃろが! 第一、そのババア、本当に病人だったんか!?」

 ※ちなみに、この世界のお金の単位はこんな感じ――

 金貨一枚=約十万円、銀貨一枚=約千円、銅貨一枚=約十円。

 「大」がつくとその十倍! たとえば、大銀貨なら一万円だ!

 『ピカピカ中辛カレー』でタラコみたいに膨れ上がった唇のタカトが、むにゃっと口を開く。

「だってさ、道の真ん中で血吐いて倒れてたんだよ!? マジで死にそうだったって! なぁ、ビン子!」

 まるで弁護士に助けを求める依頼人のような視線が、ビン子に向けられる。

 ビン子は少しだけ困ったような顔で、ぽつりとうなずいた。

「……うん……」

 ――そう。確かに、あの時もそうだったのだ。

令和7年12月26日の昼飯

 

本日、食したカップラーメンはこちら!

徳島製粉
「金ちゃん ヌードル」

だぁぁぁぁぁぁ!

 

 

早速! いただきます!

天気は晴れ。空はよく晴れているのに、空気が刺すように冷たい。
今日は本当に寒い。マジで寒い。日差しはあるのに、まったく信用できないタイプの晴れだ。

そんな中で湯を沸かし、手に取ったのは徳島製粉金ちゃんヌードル」。
関西以西ではおなじみ、どこか実家の戸棚を思い出すような安心感のある一杯である。

湯気とともに立ち上るのは、醤油ベースの素朴でやさしい香り。
麺をすすれば、軽やかでつるりとした食感と、鶏ガラの旨みがじんわり広がる。
派手さはないが、寒さでこわばった体に、確実に効いてくる味だ。
こういう日は、妙に凝った味より、こういうのがいい。

寒い、寒いと文句を言いながらも、気づけばスープを最後まで飲み干している。
外気の冷たさと、体の内側に広がるぬくもり。その対比が、なんとも心地いい。

──まさに温故知新。

温故知新(おんこちしん):昔のものをたずね、そこから新たな気づきを得ること。

新作だらけのカップ麺棚の中で、
昔から変わらないこの味が、いちばん身に染みた。
寒い日の昼には、こういう一杯がちょうどいい。

 

ということで、今日は「ちょうどいい」つながりのお話を。

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 だが、奴隷兵たちの持つ盾は所詮使い捨ての盾。

 とてもボロイのだ。

 というのも、奴隷そのものが肉の盾なので、それに持たせる盾など何でもいいのである。

 しかし、ここ第六では少し状況が異なっていた。

 魔装騎兵を好ましく思わないエメラルダの考えによって第一世代の武具も大量に用意されていたのである。

 そう、ここで使われているのは、かつて権蔵が仕上げた盾の数々である。

 その盾が今、開血開放す!

 強度を増した盾は早々に打ち砕けない。

 魔物たちの鋭い爪も牙も驚くほどに跳ね返す。

 だが、魔物たちも馬鹿ではない。

 しびれを切らした魔物たちの体当たりが開血開放した盾を直撃するのだ!

 いかにその盾が強化されていようと、加速のついた重量は防げない。

 瞬間、数人の兵士たちがボーリングのピンのように弾け飛んだ!

 ドゴーン!

 ストライク!

 いや、惜しい! この状況はスプリットか! 

 いまや端の二人を残して真ん中に大きく穴が開いていた。

 だがしかし、その開いた穴を後ろに控えていた奴隷兵たちがすぐさま補ったのである。

 だが……

 攻撃の手段を持たない彼ら……

 このままではジリ貧である……

 いかに権蔵の盾が優れているとはいえ、物には限界がある。

 次第に悲鳴を上げて砕け散る盾の数々。

 それに伴い奴隷たちもまた悲鳴を上げて赤き花を咲かせていくのであった。

 もうすでに、彼らの命運は魔装騎兵が助けに来るまで耐えられるかどうかにかかっていた。

 盾で押さえ続ける奴隷兵たちは、皆、願う。

 ――誰でもいい! とにかく早く助けに来てくれ! 

 

 しかし、その願いが届くことはなかった。

 城壁の割れ目に並べられた盾の列。

 そんな盾の裏側に黒い一線が真横に走ったのだ。

 しかも、そうかと思うと、盾の上部が徐々に滑り落ち始めたのである。

 盾を押さえていた奴隷兵たちの視界。

 そんな視界もまた同様に、上下二つの世界に分断されると、それぞれがスライドしはじめていた。

 何が起こったのか分からない……

 そんな表情を浮かべた赤い視界は、ついに二つに分かれ完全にブラックアウトした。

 

 そんな彼らの後方に控える奴隷兵たちの顔は恐怖に引きつっていた。

 それは無理もない。

 目の前で盾を押さえていた数人の仲間たちの頭が、盾とともに真っ二つに切り落とされたのである。

 それも一瞬……

 何が起こったのか分からないほど、瞬く間の出来事だったのである。

 

 だが、奴隷兵たちも戦闘の素人ではない。

 幾たびも仲間の死を見てきたのだ。

 だからこそ、こんなことでビビったりしない。

 しないはずなのに、足がどうにもいうことを聞かないのだ。

 というのも、この盾を切り裂いた攻撃、先ほどまで繰り広げられていた攻撃とは明らかに違うのだ。

 盾を打つ単調な攻撃。

 盾をひっかく無策な攻撃。

 ただ、力任せの打突さえしのげば何とかなると思っていた。

 それが、盾ごと寸断!

 一応この盾、権蔵の作った第一世代の盾である。

 いくら魔物の攻撃を受け続け耐久力が落ちていたといえども、場所を入れ替わり補完しあったその盾は、必ずどれかは新品同様の強度を誇っていたはずなのだ。

 それが、盾の後ろに控える奴隷兵ごと、瞬殺!

 ということは……

 この攻撃、先ほどまで繰り広げられていた魔物どもの攻撃とは到底思えない。

 しかも、この強力な斬撃……

 魔人クラスの攻撃力をも凌駕する……

 まさか……

 まさか……

 先ほどまで、処女の膜のようにかたくなに異物の侵入を拒んでいた盾の壁は、今やはかなく崩れ落ち、その奥に続く薄暗い空間をさらけ出していた。

 その裂け目の前で顔を半分切り落とされた奴隷兵たちが膝まづく。

 そんな彼らの頭からはおびただしい鮮血が吹き出して、足元の亀頭をつたって流れおいていく。

 今や、その割れ目に対して礼拝するかのように前のめりとなった奴隷兵たちの体。

 その光景はある意味、神聖な処女喪失の儀式のように神々しいものでもあった……

 だが、その割れ目から生まれだしたものは、女神のような願われる存在ではなかった。

 

 ひときわ冷たい緑の双眸。

 そんな双眸が、前のめりとなった奴隷兵の背中に足をかけ、日の光の下に生まれだそうとしていたのだ。

 青黒き肌を持つ体は大の男とさほど変わりない。

 だが、その頭には悪魔のような二本の白い角が伸びていた。

 そんな悪魔に付き従うかのように魔物たちがその後方に続く。

 だが、恐れ多いのかその距離は少々遠い。

 というのも、この悪魔が放っている殺気が鋭いのだ。

 まるで、魔物といえども少しでも近づこうものならたちどころに切り刻まんといわんばかりなのである。

 どう見ても、この魔人……ただの魔人ではない。

 おそらく神民魔人クラス……

 そう、奴こそが! 神民魔人ググなのである。

 ググの放つ殺気に怖じ気付く奴隷兵たち。

 自然と足が後ろに下がっていく。

 ――殺される……

 おそらく、ここにいる全ての奴隷兵たちが思ったことだろう。

 魔装騎兵でない奴隷兵たちにって、魔物どもを抑えるだけで精一杯。

 スキルのない奴隷兵では魔物を倒すことも難しい。

 それなのに、格上の魔人、いや、さらにその上の神民魔人が現れたのである。

 抑えることなどまずもって不可能……

 おそらく生きて帰ることも叶うまい……

 ――もう……無理だ……

 後ずさる奴隷兵達。

 すでに戦意を喪失していた彼らは、身をひるがえすと一目散に広場の奥へと逃げ出していた。

 ググがゆっくりとガンタルトの頭をつたい、ついに駐屯地内の広場に足を下した。

 それに付き従うかのように魔物たちも駐屯地内に入り込む。

 そのググの表情。

 無表情であるにもかかわらず、どこか勝利を確信したかのような余裕を感じさせる。

 そんなググが、広場の奥で震える奴隷兵たちのもとへと、ゆっくりと確実に歩を進めるのであった。

 駐屯地内の建物に背をつけた奴隷兵たちは怯えながら思考をめぐらす。

 ココで、あの神民魔人を抑えなければ駐屯地は全滅。

 そんな事は分かっている。

 分かっているのだが、しかし、先ほどから足が動かないのだ。

 もはや奴隷兵の誰一人として、迫りくるググを恐れて前に踏み出せないでいた。

 しかし! そんな時である。

 城壁の上から激しい女の声が降ってきたのだ。

「武技! 気・合・一・線! 必殺!イマラッチョアタっーーーーーく!」

 日の光を背後に、宙に浮かぶ黒い女の影。

 その頭上には大きな一物が振り上げられていた。

 それは、人の大きさを優に超える幅広の棍棒! いや、でっかなチ〇コといったほうがいいだろう!

 チ〇コといってもバイブではない。それだと「根」棒になってしまうだろwww

 そう、例えていうならばプラナリアのように先端にカリがある幅広の棍棒なのだ。

 そんなチ〇コの重い一撃が、ググの頭めがけて落下の勢いとともに振り下ろされたのだ。

「これでもくわえてやがれ! このインポ野郎がぁぁぁあぁぁ!」

 ドゴ――ン!

 確かに、このググ……カネゴン同様にチ〇コがないのである。

 さすがは女!

 しかし、女という生き物はどうして……こう、細かいところにすぐ気が付くのでしょうかwwww

 って、もしかして……ググって女とか?

 そんな馬鹿なwwwどこから見ても男! マッスルマッチョの男性じゃん!

 その立派な胸筋、どう見ても男のものだろう!

 じゃないと、真っ裸はまずいだろうが! 真っ裸は!

 うん? 今はジェンダーレス?

 なら、まぁいいやwww

 そんな女の一撃をググは、すんでのところでなんとかかわした。

 先ほどまでのポーカーフェイスが明らかに不機嫌そうである。

 というのも、奴隷兵の恐怖を楽しんでいたググにとって、その攻撃は全く予想できていなかったのだ。

 頬に走る傷から垂れる一筋の魔血。

 その魔血を手の甲でぬぐい取るとぺろりと舐めた。

「……」

 って、なんか喋れよwww

 どうも、このググという神民魔人、ゲルゲと違って無口のようである。

 ゲルゲとググ足して二で割ったぐらいがちょうどいい。

 それをゲルググという! なんちってwww

 と言ってる間に、頬の傷口が消えてるじゃん!

 

「神民魔人さま相手に当たるとは思ってなかったけどさ……さすがに、ここまであっさりと袖にされると……女心が傷つくよ」

 女は地面にめり込んだ大きなチ〇コをいとも簡単に引き抜いくとグイッと肩に担ぎあげた。

 この女の名はカリア。奴隷の女戦士である。

 だが、カリアは女戦士とは思えないほどグラマラスな美女であった。

 その容姿はヒョウタンのようにボンキュボン!

 しかも、カリアが身に着けているのは革製のビキニアーマーだけといった、ほぼ真っ裸。

 その上、なんと! そのブラからは豊満な胸のお肉が収まりきらずにいまにも弾けそうになっていたのだ!



 あと少し……あともう少し、お肉が揺れれて……グラグラと……

 さすればブラからパイアグラ!

 ピンクのイチゴたんが、恥ずかしそうにコンニチハ♡

 緊張した俺の息子たんも、反り返るようにコンニチハ♡ なのだwww

 あぁ!もう、この妄想だけでも、男という男は武技をブギブギさせてしまうことだろう。

「武技! 亀頭硬度100倍!」

 いやwww

「武技! 硬派の息子バンバラバンバンバン!ウッ!ウッーーー!5連じゃぁぁ~ぁぁぁ~5連じゃぁぁぁぁぁ!」

 きっと誰しも一度はカリアを抱いてみたいと思ったとしても不思議ではない。

 願うことならば一度ではなくて五度以上……

 もし、一度しかチャンスがないのなら……五連でそうろう……お願いシャス!

 だがしかし……

 なぜか、この駐屯地には、そんなカリアを抱く男など一人もいなかったのだ。

 カリアに触れると人魔症に感染する……

 そんな噂が立つ彼女の髪は深い緑色の巻き毛だったのである。

 そう……緑の髪は、すべての人間たちから忌み嫌われる緑女りょくめの証。

 

令和7年12月25日の昼飯

 

本日、食したカップラーメンはこちら!

東洋水産
マルちゃん
新生活応援
「ふんわり鶏たまごうどん」
たんぱく質9.2g/385kcal

 だぁぁぁぁぁぁ!

 

 

早速! いただきます!

天気は雨。冬らしい冷たい雨音が続き、外はすっかりクリスマスの朝だ。
今日は小学校の終業式でもあり、まだ薄暗いうちから子どもたちが起き出して、クリスマスツリーの下へ一直線。プレゼントを見つけてはキャッキャッと騒ぎ、その結果、登校準備は見事に後回し。案の定、「早くしなさい!」と母親の雷が落ちる──ここまでが、我が家の毎年変わらぬ年末風景である。

そんな喧騒を思い出しながら手に取ったのは、東洋水産 マルちゃん
「ふんわり鶏たまごうどん」。
新生活応援、たんぱく質9.2gという、どこか健康を気遣う顔をした一杯だ。

湯を注ぐと、やさしいだしの香りがふわりと広がる。
口当たりのやわらかいうどんに、鶏の旨みと卵のまろやかさが重なり、派手さはないが、確実に胃と心を落ち着かせてくれる味わい。
朝から騒がしいクリスマスでも、こういう一杯があると助かる。

──まさに和気藹藹。

和気藹藹(わきあいあい):場の雰囲気がなごやかで、和やかなさま。

雷は落ちても、笑い声は絶えない。
雨のクリスマスの朝、静かなうどんと、にぎやかな家族に挟まれた昼だった。

 

ということで、「クリスマス」用に書いた過去の小説を、どうぞ!

 

kakuyomu.jp

 

「うぅぅ……さむいですぅ……」

 吐き出される白い息ともに、女の子の言葉が漏れ落ちた。

 朝日の中に浮かび上がるママチャリの影。

 その後ろで青いポニーテールがたなびいていた。

 降り積もった雪の中、一人の女の子が懸命にママチャリを漕いでいる。

 寒い朝だというのに、その女の子の恰好は、それを見るだけで寒さを誘う。

 白地に青ラインの制服は、ある意味、涼やかさが漂う。だが、なぜ、半袖とミニスカートなのだろう。

 16歳ほどのみずみずしい張りのある太ももが懸命にペダルを上下する。

 雪の白さに引けを取らないほどその肌は白く澄んでいる。

 しかし対照的に、ハンドルを握る手は、黒ずみ、傷だらけ。

 胸にかかれたmegazonのロゴマークが、だぶついているせいかしわが寄って上下する。少々胸は小ぶりな様子。

 どうやら、ネットショップmegazonの女性配達員のようである。

 megazonとは、神様の世界のネットショップの事である。ここ最近、急成長してきたブラック企業だ。

 その女の子は配達の帰りなのか、空になったカゴのママチャリを一生懸命に漕いでいた。

 どこまで配達にいったのか知らないが、疲れた様子は全く見えない。寒い中でも元気に立ち漕ぎ!

 その目は青く輝いて、はつらつとしていた。

 そう、彼女の名はプアール。女神プアールである。

 ココは神様たちが住まう世界。いわゆる異世界である。

 まぁ、神様と言っても、そんなに偉いわけではない。

 飯を食って、ウ●コして、そして働いて、ただ寝る。

 その内、家族なんかを作って、その短い人生を終わる。

 まさに人間と同じである。

 それでは、神様だから何か特殊な力を持っているとか?

 昔はいたんだと思うよ。

 そういう凄い人。

 でもね、時代が進むにつれ、そういう能力って差別の原因になるじゃん!

 あの子はあんなすごい力持っているとか、俺にはこんな力しかないんだって。

 だから、平等にそういう力は使わないってことになっちゃったのよ。

 いま時でしょ。

 そのおかげで、神様の世界も、努力すれば報われるという、今の日本みたいに超ブラックな世界になっちゃったってわけですよ。

 そして、今日はめでたいクリスマス。

 えっ? なんで神様の世界にクリスマスがあるのかって? もう、細かいなぁ。

 神の世界にもクリスマスはあるんです。

 キリストがいるのかって?

 いえいえ、神の世界のクリスマスはちょっと違います。

 その昔クリスさんという神様が、川で魚のマスを大量にとってきて、ひもじい人々にそのマスを配ったことが始まりだそうです。

 そう、貧しい人に愛の手を!

 私は、貴方を大切に思ってい

 マスだけに、なんちってね!

 

 まぁ、なんか生臭いにおいがしそうではありますが、それは気のせい!

 だって、最近のクリスマスは、焼きマスでは祝いません!

 棒に魚をブチさして焼いたものではやはり色気がない。

 やはりクリスマスと言えばチキンです! これ神様の世界の常識!

「何がクリスマスよ!」

 皆、フライドチキンを片手に、今夜を祝うのだろう。

 だけどプアールは、今日も一人でmegazon第二配送センターの使われていない倉庫の片隅でろうそくをミカン箱に立ててパンの耳をかじるのである。

 そう、プアールは貧乏なのである、このバイトも時給360円。