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好きなものばかり 聞いていってくれよ

50年前の本がなぜ売れる?有吉佐和子『青い壺』と『三省堂から消えたことば辞典』感想。|2025年11月・12月の読書記録

1月に入ったのにまだ2025年11月の話をしている。鬼じゃなくて何が笑うんだろう。 11月はまじめな本を読んで、12月は小説1冊しか読まなかった。年をまたいでしまったけど、11月と12月に読んだ本のメモをまとめておく。

 

 

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三省堂から消えたことば辞典/見坊 行徳, 三省堂編修所

 

読んだきっかけ

twitterでの紹介だった気がする。「川島明の辞書で呑む」を見て一気に身近になった三省堂の本でもあるので。

感想

辞書に載らなくなった言葉を紹介する本。

時代を象徴する言葉、昔の遊び、性的・固有名詞など辞書に載せない方針になったもの、消えた言葉を通じて文化を知りたい人におすすめ。

映画に関する項目は多かったり、移動電話はまだしも、ADSLが消えた言葉扱いなのか。時代の流れは早いねえ。しみじみと思いを馳せる。

三省堂国語辞典は「時代の流れに寄り添う」辞書であるため、古い言葉は消えていく方針にあるのだとか。同じ辞書でもどの言葉を載せるのかの差分もあり、辞書って奥深く楽しめるのかもしれない。

 

言葉が辞書に載らなくなったとはいえ、その言葉は変わらずある。

 

辞書で呑む、お正月「す」スペシャルまだ見られるよ

tver.jp

 

教養としてのハイブランド フツーの白シャツが10万円もする理由/とあるショップのてんちょう

読んだきっかけ

こちらもtwitterでの紹介だったかも。だって布だぜ!?という帯も気になった。

感想

服やブランドに興味が薄い方で、紹介されたブランドの半分は分は分からなかった。ただ、立ち上げ人の背景やこだわりを知ると、ブランドが輪郭を持つ。

ブランドとはストーリーであり、その歴史に触れたら好感を持ってしまうのは現代のマーケティングにも通じていて、昔からこれをやっていた人がいると思うと、素直にすごい。

ハイブランドに興味がなくても、エンペラーとも評されるHERMESを持ってみたいと思わされた。

なんでブランド物ってこんなに高いの?と疑問に思う方におすすめです。

ファッション史にも触れられているけど、口語調でやわらかく説明されているので、するりと読み終えられる。

 

いちばんやさしいグロースハックの教本

読んだきっかけ

これはおそらく意識高い方のnoteから。

感想

グロースハックとは?成長をハックする。下駄履かせというと言い過ぎか。下駄ではなく、トレッキングシューズを履いているイメージかも知れない。高さをかさ増しするのではなく、しっかりと地に足をつけて丈夫で長時間の使用にも耐えうる、足を守るもの。

結局仕組みを作ってより早く成長しましょう、という話。データや仕組みに裏付けされたイメージに近い。

商品やサービスの中に成長する仕組みを組み込むこと。例えばタグ付けされたという通知が来ると、普段snsを見ない人でもsnsを開いてしまったり。友達紹介でクラウドストレージの容量がアップしたり。snsに投稿した際、別のsnsにも投稿する仕組みがあればそこからリーチが見込めたり。特にwebは仕組みがいっぱい。商品の利用自体が宣伝につながるというのは何事にもヒントになりそう。

古くは買い物の袋を「おまとめしましょうか?」というのもそれだな。

フレームワーク「AARRRモデル」を使ったまとめもあり。

まずはサービスが本当に求められているのか?を検証する。ないものを販売し、ニーズがありそうなら仕入れる/つくるはSNSで話題になっていた気がするけど、まさにそれ。

 

青い壺/有吉佐和子

なんと50年も前の本だそう。和歌山県出身、有吉佐和子さん。初めて読んでみる。

原田ひ香が帯を書いて話題になったことで今なお平積みされている、らしい。

読んだきっかけ

あまりにも平積みされているので手に取ってしまった。

あらすじ

思いもかけず人の手に渡り、語らぬ物語を紡いでいく青磁の壺。タイトルは何の暗示かと思ったら、ただ青磁の花器がそこにあるだけだった。壺はあくまでそこにあるだけなのに、語り手、登場人物の思いを受け止めていく。人によって壺はさまざま見え方を変える。

ネタバレ感想

ラストは作り手である省吾の元へ戻る壺だけど、その壺に何を見たいかはその人次第。見たいように見られないと激昂するほどの美しさを持つ壺だからこそ、これからは「銘を入れるまい」と省吾も考えたのかもしれない。

13の物語は、事件が起こるものばかりではなく、ただの日常も多い。なぜかもう一度さらいたくなるのは、人が壺に何を見たのか、それが13通りあることが面白く、興味深いからかもしれない。

50年前の本だとは読み終わるまで気が付かなかった。言葉づかいも登場人物の悩みも、今に通じるところが多いからかもしれない。ここにあるのは残った言葉ばかりなのか。

 

今月のまとめ

知らないジャンルの本がいくつかあって、なんとも酢豆腐な月だった。

1月はいっぱい読めるかな。

Pokémon LEGENDS Z-A ポケモンの解像度が上がる良作

『Pokémon LEGENDS Z-A』を30時間プレイしてみて、実際どうだったのかをまとめてみた。微ネタバレあり。微妙な評価もあって購入を迷っていた数日前の私に届けたい。

 

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発売当初からSNSに感想がバンバン流れてくる。「龍が如くの新作」「着せ替えが無限」「ポケモンと生きている感じがする」。

ポケモン初代からやり続けている私、しかも龍が如くシリーズもほぼ通っている。積みゲーも多くて購入を迷っていたけど、SNSが後押しになって購入してしまった。

冒険の舞台は都市再開発が進む「ミアレシティ

冒険の舞台は、人とポケモンが共存する街を目指し、都市再開発が進む「ミアレシティ」です。
2013年に発売された『ポケットモンスター X・Y』に登場するミアレシティと比べてみると、街中には草木が増え、最新のテクノロジーを感じさせる設備が見られます。

公式サイト「舞台・ストーリー」より引用

ミアレシティは街中にも野生のポケモンがいる、ポケモンとの共生をしている街。フランスを舞台にしており、建築物や内装を見るだけでも楽しくて、パサージュでの買い物も楽しい。昼間は街を探索したり、クェーサー社が作った「バトルフィールド」でポケモンバトルやゲットを楽しむこともできる。色違いの厳選も捗るらしい。

ポケモンZA 最初のキャラ選択画面

初期アバター選択

ポケモンZAのバトルはどう変わったか(プレイスタイルの変化)

これまでのシリーズでのターン制バトル、アルセウスの襲われスタイル(?)ともプレイスタイルが一変し、自由度が高いバトルに。とはいえゲームが苦手な人でも対応できる範囲だし、普段からパリィを使いこなす人にはよりバトルテクニックを磨けるスタイルになっていると思う。

私も30時間プレイしたところで、やっと技を繰り出す時間を考えたり、相手の動きを見て次の展開を検討したりと慣れてきた。

裏を返せば30時間は何も考えなくても戦える。ストーリーで通常発生するバトルをこなす程度でほぼ勝っていけるので、ゲーム苦手勢も大丈夫。(ただカナリィ戦は相性もあって一回負けた)

個人的には「みきり」「まもる」が一番活かせるシリーズと言いたい。

 

考察が捗る要素(世界観・設定の魅力)

過去作の登場人物や、その関連の話が街の人たちから聞ける。

アルセウスシリーズをプレイしていると、ミアレ美術館は一番印象に残る場所だと思う。ネタバレになってしまうのであんまり言えないけど、気になる人はもう買ったほうがいい。初見の新鮮な感想を聞かせてほしい。

おわかりいただけただろうか



あと、ここで発生するサブクエも非常に可愛くて良い。

 

イベント発生率/マップの広さ=過去最高

まず建物を見たり、NPCとの会話だけでも時間が結構足りない。窓がモンスターボールだったり、いろんな装飾がポケモンを模してたり。

マンホールにもポケモンの図柄が

初めて散策できるようになって街をぐるぐる歩いた日のおもいで

ポケモンZA:Zホテル2Fエレベーターホールの内装

内装もカワイイ

それに加えてサブクエストの発生も多い。サブクエをスルーした人のマップ画面をSNSで見かけたことがあるけど、マップがほぼサブクエ発生場所のアイコンで埋まっていた。

サブクエストは短いものも多く、出会えるポケモンを一通りゲットしていればそんなに困ることはない。だがケロマツ、お前はダメだ。ショートカットができる方法があるらしいから、それを探そう。

 

ポケモンが如く

街中が中心で、サブクエもたくさんあるところ、移動がタクシーなところも龍が如くっぽい。タクシーはお金がもったいなくて乗れない。そろそろ乗ろう。

 

やっぱり「ポケモンと暮らし」

色々書いたけど、やっぱり一番は「ポケモンと暮らしている」「日常にポケモンがいる」と感じられること。ゴミ捨て場で楽しそうなヤブクロン、電柱の上から街を見下ろすヤヤコマ、やたら川に居るコイキングなど。

建物の上でギャラドスと記念撮影(プリズムタワーをバックに)

建物の上でギャラドスと記念撮影

道ゆくポケモンも、お前こんな動き方するんか、お前こんな表情するんか、と発見の連続。オーダイルがかっこいい、じゃなくて可愛いって今作で初めて思ったよ。

ポケモンの調査を依頼してくるポケモン研究所では、

「あら、お一人?」と主人公に問うミアレシティポケモン研究所の所長代理、モミジ

「一人じゃない」と返す主人公に対し、「ですよねー、ポケモンがいるもんね」と笑顔を返すミアレシティポケモン研究所の所長代理、モミジ

「一人じゃない」に対する回答として、ポケモン世界の100点の回答

NPCたちとの会話も、ポケモンが当たり前にいる人生に触れられる会話が多い。

私は昔、ポケモンの世界にいる人たちはなぜポケモンマスターを目指さないのか?と疑問に思っていた。ただ一緒に過ごしたり、バトルに勝てなくてもバトルを楽しんだり、いろんな楽しみ方があるんだなあと、ミアレシティの人と会話して(独り言や盗み聴きもしたり)初めて理解して、共感した。

 

まだまだランクも低いのだが、いよいよ話題沸騰の某スバさんが今から出てくる。
遅くなったけど、プレイ日記でもつけたくなってきた。まだまだポケモン世界から抜け出せそうにない。

www.pokemon.co.jp

 

 

メイク知識ほぼゼロのズボラ人間が体験した「2025 SUQQU ホリデーコレクション」メイク体験レポ


メイク知識ほぼゼロの私がSUQQUでメイク体験をしてきたよ!結論からいうと、SUQQU大好きになりました。お金の許す限りついていく。

メイクは面倒8割、楽しい2割

メイクを始めたのは遅い。大学生も終わりに近づき、就職活動というものをするにあたって仕方なしに覚えた。
金欠の学生が、ドラッグストアで最低限の見た目を整えるセットを購入しそれが社会人になっても現役だった興味のなさ。おっさんもメイクしろ、と会社の性格ブスおじさんを呪った。みんなで損させる日本人の悪い癖が出ている。
だけど、ごく稀にうまくいった日には「今日いいじゃん」、なんとなく周りがメイク用品にどんどんお金をかけ始めれば「買ってみようかな」と思うぐらいの薄い興味がある。そんなレベルだった。

そうだ、メイクレッスンを受けよう

そんな適当さでも若さでなんとかなっていたのが、いよいよ年を取り、勢いだけでは押し切れない時期に来た。
あれ、盛れなくない?崩れてない?衰え目立たない?なんか古くない?メイクをするたびに気になるところが増える。今更美容系の情報を取り入れようとしても、#PR の山で余計な情報を取り込んでしまう。もうこれはプロに助けを求めるしかない。助けてPRのお仕事を請け負っていないプロの人。

メイクレッスンの選び方

民間のレッスンは(自分が選択する場合、いい業者を見極められず)質が担保できなさそうだと思い、百貨店やメイク用品ブランドのレッスンに絞って探すことにした。「地名+メイクレッスン」「百貨店名+メイクレッスン」でWeb検索したところ、いくつかのページが該当した。特に好きなブランドがある人はブランド名で検索してもいいかもしれない。

検索すると資生堂のメイクレッスンがトップに出てくる。常時開催で複数のコースがあるが、お値段がしっかりしているのと、人気なのでなかなか予約が取れない。

百貨店のメイクレッスンは数千円でマンツーマンのレッスンが受けられるところが多そう。価格的にも手を出し安く幅広いブランドの提案がもらえそう。
ただ、各ブランドのレッスンなら、◯円以上商品を購入すればメイクレッスンがついてくるものが多い。レベル低めの受講者である私にとって、これ以上の魅力がなかった。本当にメイクが好きな人、うまくなりたい人はメイクレッスンだけでも十分なのかもしれないが、そこそこのレベルであるが故に、欲が出てしまった。

SUQQUを選んだ理由:◯円購入でレッスン付き

近くでやっており、なんとなく好みのブランドだということで決めたのがSUQQU。定期開催ではないけれど、新商品が出ればそれを使ったメイクレッスンを実施しているよう。11,000円以上の購入でレッスン付き、これだ。

挙動不審になりながら受けたメイクレッスン

当日受けたのはブランドの店舗ではなく、百貨店の特設会場。どこだか全くわからん。SUQQUの店舗に行って場所を聞きやっと辿り着けた。早めについておいてよかった。
店員さんに声をかけ、案内してもらう。ブランド公式だからか?席は普通のタッチアップと同じような感じ。

いざメイクレッスン

当日の流れはメイクオフ→スキンケア→土台作成→メイクアップ。かなり丁寧に質問しながら進めていただいた。初心者なのでしょうもない質問や、プロから見たら卒倒してひっくり返るような質問もしたけれど、優しくレベルを落として対応してくれたので、感謝しかない。

1.メイク体験でまず聞かれたこと(試したいアイテム)

まず最初に聞かれたのはどのアイテムを試すか?で、ホリデーのアイシャドウとリップを挙げる。

www.suqqu.com

2.肌で気になっていることはあるか?

くすみ・皺やほうれい線など、加齢による影響を挙げた。眼精疲労や肩こりは血流が悪くなりくすみの原因となること、体を冷やさないことや睡眠を十分に取ることなど、メイクやスキンケアに関係がないことまでアドバイスしてもらう。初歩の初歩でごめん。

3.普段のスキンケアのやり方について

オフからスキンケアは、SUQQUの「AQUFONS」というラインから。

www.suqqu.com

普段のスキンケアを聞かれ、スキンケアの順番、今の肌の状態からお勧めできるもの、
他社のスキンケアの使用感まで個人的感想から教えてくれた。大変ずぼらで申し訳ないが、何もできずに寝てしまった日のリカバリーはどうしているのか、ちょっとしか頑張れない日はどうしているのか?のアドバイスもいただいて、これは本気でありがたかった。

なお、もう何もする気が起きない日はAQUFONSの保湿マスクジェル、メイクしたまま寝た日は上のラインの最強クリームでなんとかなるそう。ちなみにそれぞれ約1万円と2万円。

4.普段のメイクのやり方、なりたい顔について

ファンデはクッションなのかリキッドなのか、アイブロウはペンか、マスカラは使うかなど。自分の普段のやり方に合わせて提案してくれる。年齢相応の落ち着きを見せたいと伝えたら、こんな感じのメイクを提案してくれた。

10年前の知識で塗っていたので、垢抜けた情報を教えてくれてこちらもありがたい。アイシャドウは跳ね上げ、ラインは目のカーブに沿わせる。これまでノリで引いていたため、新しいやり方すぎて忘れないように一生懸命メモした。

マスカラをつけてくれたのだけど、まつげのばらけ方が美しかった。普段使っているマスカラとはダマにならなさが段違い。アイシャドウベースもあり/なしを試してくれたのが面白かった。ベースの有無は正直好みだけど、私はベースありが好み。

書き忘れたけど眉は年齢相応の大人っぽさを見せるため、並行〜ややあがり気味ラインから、眉尻はやや落とす感じ。

メイクアップキット「光飾」の塗り方例

左上だの下二つだのはアイシャドウパレット上の配置なので、SUQQUのアイシャドウを持っている方は同じ塗りでいい感じになるものがあるかも。

よかったところ、反省したいところ

よかったところ
  • プロのメイクやスキンケアを知れた
  • 自分のやり方についてアドバイスをもらえた
  • 最悪これだけすれば助かる、の裏技を聞けた
悪かったところ
  • 前提知識がなさすぎた
  • 直前に訳のわからん眉毛の剃り方をした(恥)

前提知識については、最近まともな化粧をする日が極端に少なく、用語を忘れかけていた。本当にレベルが低くて恐縮しきりだが、アイブロウって何使ってますか?に、アイブロウってなんだっけ、と一瞬固まった。
そして、普段のメイクとは…?普段のスキンケアとは…?長らくサボっているが…?状態だった。ちゃんとしている日はこれ、していない日はこれ、など事前にさらっていれば、もっと色々聞きたいことも聞けたろうに。

あとは自分の眉の形が気に入らなさすぎて、半分くらいしかない状態で行ってしまった。何も仰らなかったけど、恥すぎて剃った理由を早口で説明した。殺してくれ。

 

スタッフさんは終始優しく、頼り甲斐があった。初心者でも恐ることなく行ってもいい、と思う。メイクアップのときは色を載せ、私を見つめ、また色を載せる。キャンバスの気分だった。職人技にかっこよすぎて好きになってしまいそう。キャンバスも作家を見る時はこんな気分だったに違いない。

次回は反省点を踏まえてチャレンジしたい。3年に1回ぐらい行けば、メイク用品も手に入り、なんとか自分を保てるメイクを学べる気がする。

規定の倍の金額、やってんな。

今年やりたいこと 知らないバンドのライブに行く 11/11GlicoliveNextレポ

funky802.com

発表の日、SNSがざわついたこのライブ。なんと¥1,111。手数料込み1400円ぐらい、ドリンク代入れて2000円、18時半から21時の3バンド。しかも売れているバンド。グリコも清水音泉も値段の付け方を知らないのでは?と言われたライブ、抽選に当たったので行ってきた。

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Lucky Kilimanjaroをフェスで度々見かけ、気になっていたのでチケットを取ったのだけど、残念ながら残業でLucky Kilimanjaroには間に合わず。歯ぎしりしながらラストの「楽しい美味しいとりすぎてもいい!」を4回聴いてドリンクカウンターへぼとぼと向かった。

とはいえ、ライブハウスで戦っていたバンドは今やzeppや大型フェスへの出演が中心になり、BIGCATも個人的には久々。推しバンドが知らないバンドと対バンすることもめっきり減少したので、初めてのバンドと出会えるいい機会。

プロモーションのためとはいえ、こんなふうに音楽にお金出してくれる企業があることは、音楽業界の希望だと思う。


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the paddles

完全に初見かつ名前も知らなかった。これぞ対バンイベントの醍醐味。

勢いのある演奏でポップからの疾走感、バラードと流れるように移行し、MCではしっかり笑いを取る。これぞ大阪〜!ってバンドだ。

今は出会い方もいっぱいあるけど、知らないバンドとライブで出会うって最高だと思う、というMCに惹かれる。

ミナホでの入場規制、ヘビロテからのレディクレと順調に走っている彼ら。

ラストの曲前のMCで初めて明かされた、脱サラバンドで元銀行というエピソード。そこからのバンドをやっていく、という決意の曲は染みた。

愛とか恋を歌った曲もいいんだけど、もう人生の終わりが近い私でも横で走っていてくれそうな曲がやっぱり刺さる。

前を向いている彼らの演奏を聴けてよかった。

 

しかしバンドマンと銀行マンの兼業って可能なの?月末ライブはどうしてたんだ。ボーカルの人の喋り的に営業成績は良さそう

スポンサーへの配慮がすごいところも営業できそう。MCや曲中に10回ぐらいグリコ!って言ってた気がする。

 

Chilli Beans.

反省しよー♡の曲、聴いたことある!!

that's all i can doという曲らしい。そのパートしか知らなかったので、てっきりアイドルかと思ってた。

没入感のあるカラフルなゼリーみたいな楽曲たち、と思えばグラフィティアートみたいな芯もある。ボーカルはもちろんのこと、楽器隊の音が鳴りすぎていてかっこいい。音楽とボーカルがちょうど気持ちいい収まり。チルいと言ってしまえば浅い感想になる、何とも心地よい音楽だった。バーでガンガンに鳴っていてほしい。

名前だけで勝手にラッキリと同じタイプだと思ってた。キリマンジャロビーンズで勝手に結びつけてたのかもしれない。チリだし。スパイスみたいなグルーヴとメゾからソプラノの声が素敵。家でもヘビロテしよう。

 

セットリスト

1. tragedy

2.rose

3.See C Love

4. lemonade

5. that’s all i can do

6.Tremolo

7.daylight

8.just try it

9.ひまわり

 

これで、2025年やりたいことのうち1と35がクリアできた。

クリアはしたけど、ライブハウスで新しいバンドと出会うのは何度でもやりたい。そう思って次のライブチケットも申し込んだ。

 

oye-oye.hateblo.jp

 

 

 

 

 

感想 人間の醜さと「折り合いのつけ方」を描くサスペンス:殺意はないけど/乃南アサ

すごいものを読んだ。

作品情報

タイトル:殺意はないけど

著者:乃南アサ

出版社:新潮社 

定価 :737円

 

あらすじ

なぜ、私ではなかったんだろう──高校時代の仲良し女子4人組を、10年後に待ち受けていたのは? 傑作サスペンス。

高校の仲良し女子4人組。10年後──阿季子はアイドルとして活躍したあと玉の輿に乗って主婦に、由記はタウン誌編集長に、はるなは地方局アナウンサーに、玲子はぬいぐるみ劇団の団員になっていた。そして阿季子の芸能界復帰が決まると差出人不明の「贈り物」が次々と送られてくる。穴だらけの写真、ガラス片……その先に待っていたのは!? 心の闇を描く傑作サスペンス。『微笑みがえし』改題。

(新潮社公式サイトより引用)

 

読んだきっかけ

1991年に刊行された作品が、2025年8月に新潮文庫から文庫化。裏面のあらすじを見て、面白そうじゃないと軽い気持ちで手に取った。どんなサスペンスかも知らずに。

ネタバレの感想

三人と一人、由記・玲子・はるなと、見下される阿季子の四人組。由記・玲子・はるなは理想が高く三人の中でも見下し合っている。ただ、そんな四人の中で阿季子が理不尽な世を渡り歩くだけの図太さを持っていただけ。友人にいたら確かに嫌だけれど。

こんな人に時間使うの無駄だよ、三人とも、この時代に自分の仕事を持ってやっていってるんだから十分にすごいよ。早々に諦めて見限って健全な世界で生きていけばいいのに。そう思うのに、もっとやれ、ばれるな、と復讐を肯定する自分もいる。

 

作者乃南アサと同じく、その場にいない人の陰口を叩く陰湿さを苦手とした側だと思っていたけど、あれ、そうでもないな。

 

割れたガラス片のついた鉢植えを贈り、贋作を作るよう仕向け、さらに週刊誌に最初にたれ込んだのは由記。

肌が荒れやすいクリームを買い与え、整形を勧めたのは玲子。

阿季子の夫と共謀し週刊誌にたれこんだはるな。

 

こうしてみると、由記が一番恨みを持っていたのかもしれない。理由は最後に明かされるが、これは確かに恨まれても仕方ない。殺意を持たないのがすごい。由記の人間性を表している。でも3人の殺意ではないなにかが合わさって、無事に失脚した。

 

メインには据えられていないが、阿季子の元夫である清隆が諸悪の根源。

 

ラストは、結局由記が阿季子の面倒を見ている。心中はいざ知らず、外から見たらへこたれない阿季子。きっと数年すればまた返り咲いて、バラエティのご意見番みたいなキャラになっているのかもしれない。

阿季子はきっといつの時代も誰といてもしたたかに生きていく。令和風に言えば生粋のテイカーで、それに罪悪感を持たない。

清隆はいつの時代にもいる、自分だけはうまくやれると勘違いしている、平凡なカス男。

由記・玲子・はるなはただ人間として生きていて、折り合いをつけるために殺意ではない何かを昇華させるしかなかったと、そう思って辛い。

 

読んでくれている人も、私も、誰かと比べて妬ましくて苦しくなったことがあると思う。これからの令和の時代にはそんな息苦しさがないといい。