雨の国の王者

探偵小説好事家本人のためのノート

2015-01-01から1年間の記事一覧

12月23日(祝)

新古書店にて、 山村正夫『裂けた背景』春陽堂書店(春陽文庫) 邦光史郎『社外極秘』春陽堂書店(春陽文庫) 小林久三『暗黒告知』講談社(講談社文庫) アイラ・レヴィン『ローズマリーの赤ちゃん』早川書房(ハヤカワ文庫) 小松左京『やぶれかぶれ青春期…

12月19日(土)

新古書店にて、 コリン・ウィルソン『賢者の石』東京創元社(創元推理文庫) エラリー・クイーン『ニッポン樫鳥の謎』東京創元社(創元推理文庫) アイザック・アシモフ『ABAの殺人』東京創元社(創元推理文庫) P・G・ウッドハウス『ジーヴスの事件簿…

ジャック・フットレル『思考機械』早川書房(ハヤカワミステリ文庫)

数多の類似作品と比較した感じでも、まったく古びた印象をわたくしが持たないのは、翻訳が優れていることもあるだろうが、原作そのものが時代に耐えうる作品ぞろいということなのだろう。 わたくしは、とても好感を持った。 2015年12月5日(土)読了。

西村京太郎『京都駅殺人事件』光文社(カッパ・ノベルス)

冒頭の殺人と京都駅爆破の動機が弱い。 そのあとの、亡き犯人の遺志を継ぐ者の動機ならば、なんとか納得できるのだが。 フーダニットではなく、ホワイダニットのサスペンスで、真犯人は唐突に我我の前に現れるのだ。 2015年11月29日(日)読了。

F・デュレンマット『判事と死刑執行人』同学社

はじまりは、二週間前の古書店からだった。 資格試験を了えて、ほっとしたわたくしは、帰りのJRの駅までの途中にある古書店へ立ち寄った。 そこのミステリ類を置いてある棚で、偶然にもペーパーバックタイプのデュレンマット『疑惑』を見つけて、やあ懐か…

フィリップ・マクドナルド『鑢-名探偵ゲスリン登場』東京創元社(創元推理文庫)

田舎に住むわたくしにとって、フィリップ・マクドナルドの諸作は、どれも幻の作品だった。 だから、本書を新刊書店で購入したときは、天にも昇るような気持ちだったに違いない。と今思うのだが、本の奥付は1983年10月21日初版とあるのを見ると、おやおや既に…

続・気味の悪い話

ある担当の三人グループ。 そのうちの、とても親密で、なにかあれば、毎度二人が共同体のようにして発言する仲良しカップル以外の、もう一人(とても素直で素敵なひと)に、とあることについて、わたくしが、誤りを見つけたので、その説明、訂正を促したこと…

西村京太郎『十津川警部 箱根バイパスの罠』講談社(講談社文庫)

いつものように、プロットは竜頭蛇尾だが、竜の頭がすばらしいので、尻尾が小さくても損をしたとは思わせないところが、凄いのだろう。 とってつけたように、真犯人を持ち出してくるところも、不自然というより、愛嬌と感じさせることができるというところが…

11月15日(日)

これは断じて、小春日和ではない。だって初夏を思わす陽気だもの。屋外では、日焼けを気にしなければ、半袖で過ごしたいぐらいだ。 陽気に誘われたのでは、まったくなくて、今日がその日の資格試験に、新幹線で検定会場へ赴く。 検定料金よりも、交通費の方…

江戸川乱歩『塔上の奇術師』ポプラ社(少年探偵江戸川乱歩全集15)

おお、予告期日までの恐ろしき謎のカウントダウンは、形こそ違え『魔術師』そっくりそのままだし、それに、大時計の穴に首を入れた途端、時計の長針にあわや首を切断される危機に陥れられるところも『魔術師』の映像化『浴室の美女』の一シーンにほかならな…

ディクスン・カー『皇帝のかぎ煙草入れ』東京創元社(創元推理文庫)

初読から四十年余り・・・・・・というのは、いささか大げさな表現で、実はたぶん、約三十五年振りぐらいに読み返すのではないかと思う。そうして案の定、記憶喪失状態の自分を発見することになる。 読みすすめてみて、井上一夫氏訳だから、読みやすいのかな…

S・S・ヴァン・ダイン『グレイシー・アレン殺人事件』東京創元社(創元推理文庫)

S・S・ヴァン・ダインの一ダースの長篇のなかで、本書『グレイシー・アレン殺人事件』がもっとも質が落ちると聴いていたので、おっかなびっくりで読んだが、『カシノ殺人事件』と『誘拐殺人事件』は未読ながら、最低なのは『ウインター殺人事件』ではない…

伊藤潤二『うずまき①』小学館(スピリッツ怪奇コミックス)

わたくしは、まったくといってよいほどマンガを読まないので、マンガをとりあげることを許されよ。 グロテスクなのが、気に食わないが、お話は、どんどんリアリティから遠ざかって破天荒なまでのファンタジィにまで昇華されるのが、なかなかに乙であると思う…

『黒いダイヤモンド』偕成社(ベルヌ名作全集7)

函帯には「巨大な空想、スリルと冒険のSF!」と刷ってあるが、SFではない。けれども飛び切り面白いスリルと冒険の世界だ。 とても愉しい。 2015年10月30日(金)読了。

佐賀潜『ある疑惑』荒地出版社

装幀 不明(記載なし) 春陽文庫版で読んだ江戸川乱歩賞受賞作『華やかな死体』は詰まらなかった(ほんとうは、まったく憶えていない)が、本書は読み応えがある。 小学校の労働問題を背景として、聖職者である教諭のある人間てきな部分を焦点としているのが…

西村京太郎『特急「有明」殺人事件』祥伝社(祥伝社文庫)

こんな動機で人は殺さないよ。 そう文句云いつつも、やはり、リーダビリティは相変わらず高い。 2015年10月25日(日)読了。

高飛車とはこういうことかしらん

わたくしの子どもに届いたメールを以下紹介する。 ×× ×× こんにちは! ××大学入試事務室です。 いよいよ、今年最後のオープンキャンパスが近付いてきました! 【日時】10月25日(日)12:00~16:00 ※××(全学部)・××(マネジメント創造学部)・××××××××(フロンティ…

西村京太郎『終着駅殺人事件』光文社(光文社文庫)

再読。 これも、人死が出るわ出るわで、今読んでも、びっくりだ。 さすがに厳しいのは、犯行動機で、贔屓めでみても、これは苦しい。 それでも、トラヴェルミステリ初期のころだからこそか、力こぶは充分に入っており、 相変わらずのページタナーぶりは健在…

西村京太郎『京都感情旅行殺人事件』光文社(光文社文庫)

動機の調査の過程で、彼女たちが「嘘の告白をした」を、いかにして知りえたかというところを曖昧にしているのが、唐突かつ短絡てきにみえる。また、重要な鍵を握る「ノート」の存在について、なぜいとも簡単にたどりつけたのか、そしてよくその「ノート」が…

西村京太郎『L特急たざわ殺人事件』実業之日本社(JOY NOVELS)

殺すわ殺す。いったい何人の死者が出たことやら。 “なぜ?”の解明が愉しい。 2015年10月11日(日)読了。

西村京太郎『夜間飛行殺人事件』光文社(カッパ・ノベルス)

新婚カップルの謎の失踪。北海道の人気のない浜辺で足跡だけ残したまま。それも三組連続で・・・。 やあ、某国に依る拉致事件の先見か、と勘ぐったが、あにはからんや、それはヒューマニストの作者だからこその、難民問題とのキーワードを持ち出すとは感服。…

ブライアン・W・オールディス「リトル・ボーイ再び」早川書房(SFマガジン130号)

SFファンであれば、誰もがご存知の代物。 私もようやくこの齢にして読むことがかなった。 本篇の存在を知ったのは、石川喬司氏の紹介によるものだったように記憶するが定かではない。 まあ、一読あれ。 私は、読みながら吐き気を催したが・・・、あなたは…

渋谷昌三『心理学が面白いほどわかる本』河出書房新社

面白いほどわかったか、と問われても、イエスとは云いにくいが、面白かったのは事実だ。 2015年10月3日(土)読了。

五井野正『七次元よりの使者 第一巻』創栄出版

奇想天外な物語かと思いきや、ごった煮の、いわゆる思想小説だろうか。 印象でいうと、強引ながら、高橋克彦ぽいかなあ。 極めつけの怪作というほどではないから、大枚をはたいて購読するほどではないと、わたくしは思う。 2015年9月27日(日)読了。

9月21日(火)

晴れるという天気予報だったのに、うす曇り。 家族と子どものお友だちと計四人で新幹線で隣県へお買い物がメインのおでかけ。 座席は、子どもたちが二列席の前のシートで、わたくしたち夫婦が後方座席。 けれども、先般報告済みのとおり、相性のよかった古書…

加戸野五郎監督『怪談乳房榎』1958年

幽霊は出てくるけれども、怪奇映画ではない。恐怖度の面からいうと、記すのを忘れていたが、8月の中旬ぐらいに観た佐藤肇監督『怪談せむし男』1965年が、出色の出来だっただけに色褪せてみえるのかもしれないが。 これでもかというエンディングには、意外性…

ルネ・カルドナ監督『暴行魔ゴリラー(NIGHT OF THE BLOODY APES)』1969年

血しぶきのあがるスプラッタなグロテスク描写には閉口して、そういうシーンは申し訳ないが、飛ばして観た。裸体となる女性は見事なプロポーションだけれども、口のなかが美しくなかったのが、残念。 まあ、お暇な方はどうぞ、といった類い。 2015年8月26日(…

武智鉄二監督『白日夢』1964年

映倫からの働きかけもあったそうだから、どのぐらい元版から変わっているのか、評価は出来上がったものからするしかないからね。わたくしの感想としては、去年観たリメイクの1981年版よりは、まだましかもしれないが、それでもやはり、満足はしかねる。 けれ…

8月11日(火)

晴れ。明日から暑さは一段落するそうだ。だって、今年の梅雨明けは7月29日と、例年より大分遅かったようだが、梅雨明けしてからの高温には、寒さが苦手なわたくしでもぐったりだったからなあ、喜ばしいよ。 それはそれとして、先週木曜日は、<世界なんとか…

滝田洋二郎監督『痴漢電車 車内で一発』1985年

我が“螢雪次朗”氏は、今度は殺し屋役。その名も<ゴルゴ17>こと<ジョーク東郷>ときたもんだ。 ロミオとジュリエットを二大暴力団(山内組と武内組)の抗争に絡ませ、なんと<ゴルゴ17>は、仲裁役を買って出るのだ。 なんと最後は、やっぱりダジャレ(コ…