今日は、「未成年者が法定代理人の同意を得ていないことを知りながら、未成年者が購入した商品の支払債務につき連帯保証人となった者の責任」についての判例です。
未成年者が高額商品を購入し、その支払債務が立替払となる場合は、連帯保証人を立てることがあります。
その売買契約時に未成年者が法定代理人(親権者)の同意を得ていない場合は、契約の取消しが可能となりますが、契約を取り消した場合、その連帯保証人の保証債務はどうなるでしょうか?
保証債務の付従性により消滅するように思われるかもしれませんが、民法には次の規定があります。
民法
(取り消すことができる債務の保証)
第四百四十九条 行為能力の制限によって取り消すことができる債務を保証した者は、保証契約の時においてその取消しの原因を知っていたときは、主たる債務の不履行の場合又はその債務の取消しの場合においてこれと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定する。
つまり、未成年取消しが可能と知りながら、連帯保証人となった人は、未成年取消しされたとしても、保証債務を履行しなければならないのが原則であるということです。
この規定を踏まえて判例の事例を見ていきましょう。
平成3年の判例です。
当時19歳だったAさんはBさんのスナックでアルバイトをしていました。
そして、スナックの客から116万円の着物の購入を勧誘されたために、信販会社との間で月約4万円で36回払いの立替払契約を締結しました。
なお、契約時にAさんは親権者の同意を得ていませんでしたが、Bさんが連帯保証人となりました。
その後、Aさんが未成年取消ししたという事例です。
裁判所は、民法5条の処分を許した財産は、月約4万円の賦払い金ではなく、代金総額の116万円で判断すべきとして、本件では処分を許した財産とは言えないので未成年取消しができると判示しました。
民法
(未成年者の法律行為)
第五条
3 第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。
そして、Bさんの連帯保証債務については、制限行為能力者の連帯保証人が損害担保の意思を一般的に有すると解するのは疑問があるとして、連帯保証人であるBさんが独立の債務を負担することを否定しました(大分地判平成3年6月27日)。
民法449条は、推定規定ですから、このような結論を得ることも可能ということですね。
未成年者の保証債務関係のトラブルを抱えた場合は参考にしてください。