世界の絶景温泉

世界の見知らぬ温泉を探して旅しています

A97 アラブ諸国の温泉6 アラブ首長国連邦(UAE)

湯量豊富なアル・アイン温泉

  アラブ諸国の温泉を巡る最後はアラブ首長国連邦、UAE(United Arab Emirates)です。UAEのE、エミレーツは航空会社の名前として世界的に有名ですが、「首長国」という意味です。UAEはアブダビ、ドバイ、フジャイラ、ラスアルハイマなど、7つの首長国の連邦国家で、首都はアブダビです。最大の都市は世界屈指の金融センターとして知られるドバイで、奇抜な設計の高層ビルや高級リゾートが建ち並ぶ観光地としても人気です。筆者にとって華やかなドバイは無縁ですが、中東やアフリカへの経由地として何度かドバイで乗り継ぎました。その際、乗り継ぎ時間を利用して、UAE内の温泉をいくつか巡ってみました。そんなにスゴイ温泉はないのですが、参考までに紹介します。

UAEの位置(Google Map)

【一番有名な温泉はアル・アイン】

アル・アインはアブダビ首長国の東端、オマーンとの国境近くにあります。アルは定冠詞、アインは泉の意味です。ドバイ空港から南へ130キロ、一面の砂漠の中を走り続けて、タクシーで1時間半程度です。温泉は町の郊外、鋸のようにギザギザしたジュベルハフィート山の麓にあります。公園に入ると、小さな岩山の下から湧く温泉が勢いよく流れています。昔から自噴していた温泉とのこと。湯温は約40℃。無色透明ですが口に含むとはっきりとした塩味がします。

特徴的なジュベルハフィートの山並み

温泉の川は足湯にちょうどよい

  温泉の流れる水路は子供たちにとって格好の遊び場のようです。左奥の建物の中に大きな温泉プールがありました。係の人に聞くと、源泉は55℃でプール用に冷ましていると言いますが、40℃近い温度で泳ぐにはちょっと熱い感じでした。なお、温泉プールは男性専用で、女性は残念ながら屋外の足湯しか楽しめないようです。

日帰り温泉施設の外観

温泉は屋内のプールのみ

【UAEで一番設備の整った温泉】

  アル・アインを出発して、ラスアルハイマ首長国の温泉に向かいます。2時間以上、ひたすら単調な道を走ります。正午を過ぎたので、ドライバーと一緒に昼食をとるため、街道沿いのレストランに立ち寄りました。外観はきれいな店でしたが、提供されたライスを見て、ドライバーが強い口調で抗議。小銭を置いて「店を出よう」と言います。聞けば衛生面で問題があるのでダメだというのです。

    世界各地の田舎町で食事をしてきた筆者には、全く問題ないレベルだったのですが、客がお腹を壊してクレームが来たら、ドライバーの減点になるのかもしれません。夜のフライトで帰国するので、UAEでは昼食しか食事をとる機会がなかったのですが、代わりに立ち寄ったのはファーストフードのハンバーガー店でした。

   ハット温泉に到着。ラスアルハイマ郊外の崖の上にホテルが建っています。以前はハットスプリングスホテルという名称でしたが、ヨーロッパ系のホテルチェーンに経営が変わり、ゴールデンチューリップホテルという名称でした。

ホテル名は変わったが、温泉施設はハット温泉のまま

   温泉は崖の下にあるので、長い階段を下りて行きます。男女別の浴室が一つずつあり、女性用は屋根つきの内湯ですが、男性用は露天風呂で日除けのシートがかかっていました。どうやら源泉の湧き出す場所にそのまま露天風呂を作ったようで、浴槽の底には岩や石が転がり、岩の隙間から温泉が湧いています。

  ただし、場所によっては深さが1メートル40センチもあるので、心配な人は浮き輪を利用しましょう。3人組のドイツ人家族は浮き輪で漂っていました。温泉は無色透明無味ですが、かすかに硫黄臭があり、湯温も40℃前後と最適です。ホテルに泊まって、何度か入浴を楽しんでみたい温泉でした。

覆い付きの露天風呂は意外に深かった

浴槽の床を拡大するとこんな感じ

【最後の一湯はやや拍子抜け】

   再び何の変哲もない砂漠道を激走。フジャイラ首長国のマダブ温泉に立ち寄りました。受付で入園料を支払い園内に入ると、ナツメヤシの並木の脇に広場があります。子供向けの遊具が並び、地元民向けの公園のようです。右奥の建物が温泉と言われましたが、ただの屋内プールでした。説明には硫黄泉と書いてありますが、まったくにおわず、しかも水に近い温度です。

マダブ硫黄温泉公園という看板に期待したものの

園内は完全に家族向けの公園

  源泉池らしき写真を持参したので、係りの人にみせると、左の裏手にあるとのこと。向かうと確かに広大な温泉池がありましたが、立ち入れません。右手の源泉小屋を覗くと、豊富な温泉が湧いていますが、水温に近い温度です。係りの人の話だと、湧き出した瞬間は硫黄臭があるという話です。入湯数を稼ぐためならよいかもしれませんが、温泉を目的に訪れる場所ではないようです。

温泉が溜まった池だが、ここには浸かれない

  一日で三か所の温泉を回り、ドバイの空港に戻りました。ドバイの華やかなホテルやショッピングセンターの写真が一枚もないのは、かえって筆者らしいかもしれません。最後はちょっと尻すぼみになってしまいましたが、これでアラブ諸国の温泉特集を終わります。

  イラクやシリア、レバノン、リビアにも多くの温泉がありますが、今の情勢では難しいかもしれません。モロッコや最近、観光に力を入れているサウジアラビア、アラブではないもののイスラエルにも多くの温泉があります。続報を紹介できる日が来れば嬉しい限りです。