健康に関わる本は定期的に読みたいトピックの一つです。過去読んだ健康テーマの本で殆ど全てで紹介されており気になっていたライフスパンを読みました
老化現象というのは人類に100%起こる変化であり、最終的には死へと向かう現象です。本書のメインメッセージは老化を病気と捉え、治療できる物事であるという新しい価値観の提示を科学的根拠を持って行われています。
Chat GPTによる動画まとめ
📌 動画の概要(要点まとめ)
🎥 タイトル(推定)
“The Biology of Slowing & Reversing Aging”(老化を遅らせ、逆転させる生物学)というテーマで、米国ハーバード大学のデヴィッド・シンクレア博士が老化の仕組みとその抑制・逆転について科学的に解説する内容です。Rumble
🧬 主なポイント
1. 老化は生物学的プロセスであり制御可能
- 老化は単なる「時間の経過」ではなく、細胞レベルの生物学的な変化として理解できると説明しています。
- 遺伝子、エピジェネティクス(DNA の発現調整)、代謝システムが老化に深く関わっているという考え方。Rumble
2. 老化を遅らせる可能性のある分子・介入
博士は自身の研究や実験をもとに、以下のような分子や介入が老化のプロセスに影響すると述べています:
📌 NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)
→ NAD⁺(体内エネルギー代謝に重要な補酵素)の前駆体で、加齢によって減少する NAD⁺ を補うことで エネルギー代謝改善・老化関連機能の改善効果が期待されるという考え。Medium
📌 レスベラトロール(Resveratrol)
→ ワインに含まれる化合物として有名で、「抗酸化作用・老化関連遺伝子 SIRT1 の機能活性化」などが研究されている。Medium
(※ YouTube の動画で博士本人が具体的にこうした物質について触れている可能性は高いですが、要点として 老化関連の分子研究/介入法 の紹介が中心です。)Rumble
3. 老化逆転・長寿研究の未来
4. 科学的根拠に基づくアプローチ
📒 Summary + Notes | まとめノート
老化の原因
老化が起きる理由について考えることは新しい視点でした。そもそも年を取って老化が起きることは当たり前に受け入れているものでそれについてなぜと研究され始めたのは最近です。3年しか生きない生物もいれば、100年生きる生物もいる。
老化に関する研究がさかんに行われ、とある研究ではDNA損傷が原因であるといわれ、抗酸化物質が効果があるなどともいわれ、新たな発見が次々に発表されるものの、たった1つの原因にはたどり着きませんでした。そもそもそんなものは存在せず、典型的特徴の組み合わせによるものだと考えられるようになります。
- DNA損傷によってゲノムが不安定になる
- 染色体の末端を保護するテロメアが短くなる
- 遺伝子スイッチのオンオフを調節するエピゲノムが変化する
- タンパク質の正常な動きが失われる
- 代謝の変化によって栄養状態の感知メカニズムがうまく調節できなくなる
- ミトコンドリアの機能が衰える
- ゾンビのような老化細胞が蓄積して健康な細胞に炎症を起こす
- 幹細胞が使いつくされる
- 細胞巻情報伝達が異常をきたして炎症性分子がつくられる
これらのうちのいくつかに対処することによってより老化を遅らせることができると考えます。
人の身体に許容量のウイルスを打つことで抗体をつくるということがワクチンですが、細胞は適度なストレスをうけることにより機能を活性できます。(ホルミシス)
老化の研究は酵母の研究から発展してきました。1992年の国際酵母会議にて著者はMITの教授ガレンティのプロジェクトを知り研究室に入ることに興味を持ちます。幸運にもガレンティの研究室に入ることができたシンクレアは酵母研究を通じて老化の情報理論を組み立てていきます。
若さ→DNAの損傷→ゲノムの不安定化→DNAの巻き付きと遺伝子調節(エピゲノム)の混乱→細胞のアイデンティティの喪失→細胞の老化→病気→死
老化研究が進んでいく中で一つの啓蒙活動として、老化を病気として捉えようという考えです。本書でも度々触れられているものなのです。現代では死因の特定がとても重要とされており、その中にある多くの量を占める死因に対して対処をしようとすることが行われています。そうすると老化という死因ではなくなり、疾患、病気の名称が死因として記録され、老化と病気は切り離すことができない物事にもかかわらず病気の話だけが重要視されてきました。
さらに老化というものは生活の質を下げ、様々な制限をもたらすものです。そして疾患をもたらすために、老化を病気と認めて老化の対策をすることはとても重要になります。
老化対策でできること
老化の対策ためにできることも様々紹介されています。
- 食べる量を減らす:サーチュインのプログラムを働かせる
- カロリー制限
- 間欠的断食
- アミノ酸の制限:動物性タンパク質の量を制限する
- 運動する:テロメアが長くなる傾向
- 寒さに身を晒す
- タバコや有害な化学物質、放射線は老化を早める
著者の父に起きたこと
著者の父は2014年に妻を亡くし、旅行や庭弄りが趣味だったものの衰えがみられました。耳が遠くなり、疲れやすくなり、同じ話を何度も繰り返す。さらには不機嫌になることも増えたと言います。
境界型糖尿病の治療のために、メトホルミンの服用を始め、NMNも摂取するようになりました。最初は違いを感じていなかったものの半年をほど経った後に疲れをかんじなくなり、イライラが減り、頭もはっきりしていることに気が付きます。友達を足並みが揃わなくなり、オーストラリアから著者に会いにアメリカに来るように旅行も昔と同じように行います。
子どもの大事な瞬間に立ち会えるなんて、長い人生とはこういうことのためにあるんだ
未来について
健康関連のイノベーションは様々起きており、センサー類の発展もあり健康をトラッキングできるようにもなってきました。血糖値を細かく把握することで、何を食べると血糖値の上昇につながるか認識したパトリックという寿命研究者もいます。
著者が認識するなかで長寿命化するのはほぼ間違いなさそうであり、いつどの程度なることは分からないものの、本書の後半ではその未来に関する倫理的な話、情緒的な話が書かれています。
長寿命化すると、過去と同じスピードで子どもを生み続けていればもちろん人口が増えていきます。地球が抱えきれないと言われた人口がありますが、実際の所を見ると過去言われていた水準に達している現在でもまだ許容できる状態です。他に危惧されることに、大量消費社会による環境の危機、政治家が長く居座ること、社会保障費の圧迫、相続税の対応が進み富の格差が縮まらないこと、などが挙げられます。
少しポジショントーク的なものでもあると思いますが、老化研究に割かれる費用の低さにも言及されており、治療するコストよりも老化を抑えるコストの方が優位であるためにもっと研究に費用が投下されても良いのではと訴えられています。
著者が実践すること
- NMN1グラム、レスベラトロール1グラム、およびメトホルミン1グラムを毎朝摂取
- ビタミンD及びK2の1日推奨量を摂取し、83ミリグラムのアスピリンを服用
- 砂糖、パン、パスタの摂取量をできるだけ少なくする。デザートを食べるのは40歳でやめた
- 1日のどれか1食を抜くか、少なくともごく少量に抑えるようにする。
- 数カ月に一度、専門家が自宅にやって来て血液を採取し、バイオマーカーの確認をする
- 毎日できるだけ歩く、週末はジムに行く、サウナと冷たい水風呂に行く
- 植物をたくさん摂取し、肉は運動したときにのみ食べる
- タバコは吸わない。電子レンジにかけたプラスチックや、過度な紫外線、レントゲンやCTスキャンを避ける
- 日中と就寝時は涼しい場所にいるようにする
- 健康寿命を延ばすうえで最適な範囲内のBMIを保つ
感想
最新の研究とともに老化という事象について知ることができるとてもおもしろい本でした。老化に関わる研究や分かってきたことを知ることができ、長寿化に対する倫理的な話や批判について、そして老化研究をするにあたり予算割の仕組みなどについて知ることができます。老化について多くの発見があり、そこから処置の方法が見つけられてきており老化対策することにより病気の対策にもなるということで自分の健康の事を考えるきっかけにもなります。長生きすることに対してあまり興味を持てなかったのですが、本書の説得を読むと長生きも悪いものじゃないかもしれないなと感じることができます。
アメリカの社会的な問題、主に医療制度にかかる費用に関して、そして格差によって寿命が大きく異なる点について触れられている部分を見ると日本はかなり恵まれている社会であると実感できます。お金が無くて早死してしまうというケースが世の中には少なくないと知るとアメリカの資本主義社会の弊害が理解できます。
健康年齢を長くするために健康トラッカー器具も増えてきており、自分の健康理解がさらにしやすい時代にもなってきました。健康診断で毎年一回体調を確認していますが、もう少し良い方法があるのではとも思えるので2026年は健康診断以外にできることも考えていきたいと思います。
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