新年のBOOKOFFセール(本20%OFF)に行ってきました。 いつもセールがある大型連休のタイミングでBOOKOFFに足を運び、気になった本をまとめ買いするのが恒例です。 今回、ふと目に留まったのが『ある行旅死亡人の物語』でした。
そもそも「行旅死亡人」とは何か。 表紙の見返し部分に説明があったので、以下を抜粋します。
病気や行き倒れ、自殺等で亡くなり、名前や住所など身元が判明せず、引き取り人不明の死者を表す法律用語。行旅病人及行旅死亡人取扱法により、死亡場所を管轄する自治体が火葬。死亡人の身体的特徴や発見時の状況、所持品などを官報に公告し、引き取り手を待つ。
要するに、身元不明のまま亡くなってしまった人のことです。 本書で扱われる行旅死亡人は、長年暮らしていた自宅で孤独死していた女性。ところが住民票がなく、戸籍にも行きつかず、結果として身元不明になったという非常に珍しいケースでした。
なぜ彼女はそのような暮らしを選んだのか。 その謎を追って、新聞記者たちが断片的な手がかりを拾い集めていく――本書はそんな取材の過程を描いたノンフィクション作品です。
彼女は最期を孤独死という形で迎えます。 けれど、彼女の人生、彼女の物語は確かに存在していました。 遺された写真に写る彼女は穏やかに微笑んでいて、その表情からは「幸せだった時間」も確かにあったことが伝わってきます。 だからこそ、なぜこんなにも謎に包まれた人生を生きたのか、読めば読むほど惹き込まれてしまいました。
遠く離れた故郷の小用であなたのことをずっと心配していた人がいましたよ。
「・・・きれいな人だったからね。」
取材の過程で、彼女のことを覚えている人たちが登場します。 人は誰しも、完全に孤独で生きているわけではない。 自分が思っている以上に、誰かの記憶の中に、しかも案外ポジティブな形で残っているものなのかもしれません。
この本を、もし彼女自身が読めたなら、どう感じただろう。 そんなことを考えながら、静かにページを閉じました。










