大阪・関西万博のクウェート料理レストランで腕を振るったシェフが、谷町九丁目でテイクアウト専門のクウェート料理を提供していると聞き、足を運んできました。

地図を頼りに現地へ向かうと、目に入ってきたのはミャンマー料理店。あれ、場所を間違えたかなと思ったのですが、今回の目的地である「EXPO KUWAIT KITCHEN」は、その隣にある「KitchenBASE」の中にあります。表通りに看板が出ているわけではないので、初めて行く場合は少し戸惑うかもしれません。「KitchenBASE」と書かれた建物に入るのが正解です。

もともとはイートインスペースのあるレストランとして構想されていたそうですが、事情があり、まずはテイクアウトオンリーでのスタートになったとのこと。実際に訪れてみると、必要最小限ながらも整えられた空間で、料理そのものに集中している印象を受けました。派手さはありませんが、その分、専門性を感じさせる雰囲気です。

メニューの中心は、中東の湾岸諸国で広く食べられている国民食、マチブース。スパイスで味付けした長粒米に、肉や魚、野菜などを合わせた炊き込み系の料理です。こちらでは、ラム、チキン、ベジタリアン向けのオクラの3種類が用意されていました。
今回テイクアウトしたのは、ラムのマチブース。一般的な炊き込みスタイルとは異なり、米と具材を一緒に炊き込むのではなく、スパイスで煮込んだ長粒米の横に、ラム肉が添えられる形で提供されます。見た目はシンプルですが、米はふんわりと軽く、スパイスの香りが立ちすぎない、穏やかな仕上がりです。

ラム肉は、さほどスパイシーではないにもかかわらず、気になる臭みはほとんど感じませんでした。普段からラムを食べ慣れているので、そのあたりは多少甘めの評価かもしれませんが、それを差し引いても食べやすい印象です。肉質は非常に柔らかく、スプーンでもほぐれるほどで、長粒米との相性も良好でした。派手な味付けではなく、素材とスパイスのバランスを大切にしている料理だと感じます。チブース以外にも、チキンレッグやサモサといったメニューが用意されていました。いずれも中東料理としては馴染みのある構成で、次回は別の料理も試してみたくなります。

シェフは簡単な日本語が通じるようで、オーダーの際にスマートフォンの自動翻訳を使う必要はありませんでした。細かなニュアンスまでは難しい場面もありますが、注文に困ることはなく、必要最低限のやり取りは問題なく成立します。
谷町九丁目という場所柄、日常の延長線上でクウェート料理に出会える、少し珍しい存在です。テイクアウト専門という形ではありますが、万博で経験を積んだシェフの料理を気軽に味わえるのは、なかなか貴重だと思います。中東料理に興味がある方や、普段とは少し違う食体験を求めている方には、一度試してみる価値のある一軒です。
(参考)










































