
「アクセシビリティ:検討が必要です」とは?突然表示される理由
Excelで作業中、突然画面下部のステータスバーに「アクセシビリティ:検討が必要です」というメッセージが表示されて驚いた経験はありませんか?このメッセージが表示されると、Excelが固まって操作できなくなったり、ファイルが開けなくなったりするトラブルが発生することがあります。
このメッセージは、Microsoft Officeに搭載されているアクセシビリティチェック機能が自動で作動している状態を示しています。アクセシビリティ(Accessibility)とは「利用しやすさ」「アクセスのしやすさ」を意味し、視覚障がいや読字障がいのある方がスクリーンリーダー(音声読み上げソフト)を使用する際に、ファイルの内容を正しく理解できるかを自動的にチェックする機能です。
なぜ突然表示されるようになったのか
多くのユーザーが「以前は表示されなかったのに、急に出るようになった」と感じています。これは、Microsoft 365やOfficeのバックグラウンド更新時に、設定が自動的に変更されることが主な原因です。特にMicrosoft 365では、アクセシビリティ対応の強化に伴い、2024年頃から自動チェック機能がデフォルトで有効になるケースが増えています。
大前提として、この警告が出て急にExcelが開かなくなった、というような場合は、まずはPCを再起動(※シャットダウンではなくて再起動)してください。これだけで治ることがよくあります。
「アクセシビリティ:検討が必要です」でExcelが固まる原因
このメッセージが表示されるだけでなく、Excelが固まったり(フリーズ)、ファイルが開けなくなるという深刻な症状が発生する場合があります。
固まる原因
- 大量の図形やオブジェクトがある – ファイル内に代替テキストが設定されていない図形やグラフが大量にある場合、アクセシビリティチェックの処理に時間がかかり、Excelが応答しなくなります
- 複雑なシート構造 – 複数シート、結合セル、複雑な数式が多数含まれるファイルでは、チェック処理が重くなります
- 自動チェックの連続実行 – 「作業中にアクセシビリティチェックを実行し続ける」設定がオンになっていると、編集のたびにチェックが走り、動作が遅くなります
- PCのスペック不足 – メモリやCPUのリソースが限られている環境では、バックグラウンド処理が負担となり固まりやすくなります
アクセシビリティチェックの検査内容
アクセシビリティチェックでは、具体的に以下のような項目が検査されます。
エラー(修正必須)
- 代替テキストが設定されていない図形、画像、グラフ
- テーブルに見出し行が設定されていない
- 意味のないハイパーリンクテキスト(「こちら」「クリック」など)
警告(修正推奨)
- シート名が「Sheet1」「Sheet2」など識別しにくい名前のまま
- 結合されたセル(スクリーンリーダーが正しく認識できない)
- 空白の行や列が連続している
- コントラストが低い文字色と背景色の組み合わせ
ヒント(推奨改善点)
- テキストボックスの読み上げ順序が論理的でない
- シンプルなテーブル構造になっていない
【対処法1】アクセシビリティ表示を完全に消す方法
アクセシビリティチェックが不要な場合、表示を完全に無効化できます。これが最も簡単で即効性のある対処法です。
ステータスバーから非表示にする方法
- Excelの画面左下にある「アクセシビリティ:検討が必要です」のメッセージ部分を右クリックします
- 表示されるメニューから「アクセシビリティチェック(A)」のチェックを外す
- メッセージが即座に消えます
オプション設定から完全に無効化する方法
- 画面左上の「ファイル」タブをクリック
- 「オプション」をクリック
- 左側メニューから「アクセシビリティ」を選択
- 「作業中にアクセシビリティチェックを実行し続ける」のチェックを外す
- 「ユーザー補助アシスタントのアクセシビリティの状態をステータスバーに表示する」のチェックを外す
- 「OK」をクリックして完了
注意点:この設定は、現在使用しているExcelアプリ全体に適用されます。今後作成する新しいファイルでもアクセシビリティチェックは実行されなくなります。
【対処法2】アクセシビリティの問題を修正する方法
アクセシビリティ対応が必要な場合や、根本的に問題を解決したい場合は、指摘された項目を修正します。
アクセシビリティチェックを開く
- 「校閲」タブをクリック
- 「アクセシビリティチェック」ボタンをクリック(Excelのバージョンによっては「アクセシビリティの確認」)
- 画面右側に「アクセシビリティ」作業ウィンドウが表示され、検査結果が一覧表示されます
注:Excel 2016以前のバージョンでは、「ファイル」→「情報」→「問題のチェック」→「アクセシビリティチェック」から開きます。
代替テキストを設定する(最も多い問題)
図形、画像、グラフに代替テキストが設定されていない場合の修正方法:
- 対象の図形や画像を右クリック
- 「代替テキストの編集」または「代替テキストを表示」を選択
- 表示されるウィンドウに、図形や画像の内容を説明するテキストを入力
- 例:「2024年度売上推移グラフ、1月から12月まで右肩上がりの傾向を示す」
- 例:「会社ロゴマーク」
- 装飾目的のみの図形(内容に関係ないデザイン要素)の場合は、「装飾としてマーク」にチェックを入れます
シート名を変更する
- シートタブを右クリック
- 「名前の変更」を選択
- 内容がわかりやすい名前に変更(例:「売上データ」「顧客リスト」「集計結果」)
結合セルを解除する
- 結合されているセルを選択
- 「ホーム」タブの「セルを結合して中央揃え」のドロップダウンをクリック
- 「セル結合の解除」を選択
【対処法3】ファイルが開けない・固まる場合の緊急対処法
アクセシビリティチェックが原因でExcelが固まって操作できない場合の対処方法です。
タスクマネージャーで強制終了
- Ctrl + Shift + Escキーを同時に押して、タスクマネージャーを起動
- 「アプリ」一覧から「Microsoft Excel」を選択
- 「タスクの終了」をクリック
セーフモードでExcelを起動
- Windowsキー + Rを押して「ファイル名を指定して実行」を開く
- 「excel /safe」と入力してEnterキーを押す
- Excelがセーフモードで起動します(アドインや一部機能が無効化された状態)
- この状態で問題のファイルを開き、アクセシビリティチェックを無効化する設定を実施
別のPCまたはWeb版Excelで開く
どうしても開けない場合は、以下の方法を試してください:
- Excel Onlineを使用 – OneDriveにファイルをアップロードし、ブラウザ版のExcelで開く(アクセシビリティチェックの動作が軽い)
- 別のPCで開く – アクセシビリティチェックが無効化されている別のPCで開き、問題を修正してから元のPCに戻す
【対処法4】Excelの修復機能を使う
ファイルが破損している可能性がある場合、Excelの修復機能を使用します。
- Excelを起動し、「ファイル」→「開く」を選択
- 問題のファイルを選択(まだ開かない)
- 「開く」ボタンの横にある下向き矢印をクリック
- 「開いて修復」を選択
- 表示されるダイアログで「修復」をクリック
【対処法5】Officeの修復インストールを実行
上記の方法で解決しない場合、Office自体に問題がある可能性があります。
Windows 10/11での修復手順
- 「設定」を開く(Windowsキー + I)
- 「アプリ」→「アプリと機能」(Windows 11では「アプリ」→「インストールされているアプリ」)
- 一覧から「Microsoft 365」または「Microsoft Office」を探す
- 右側の「…」または「変更」をクリック
- 「クイック修復」を選択して「修復」をクリック(数分で完了)
- それでも解決しない場合は「オンライン修復」を実行(インターネット接続が必要で、時間がかかります)
予防策:今後同じ問題を起こさないために
定期的にExcelのバージョンを確認する
Microsoft 365を使用している場合、自動更新で設定が変わることがあります。重要な作業の前にバージョンを確認しましょう。
- 「ファイル」→「アカウント」をクリック
- 「製品情報」で現在のバージョンを確認
- 必要に応じて「更新オプション」から「今すぐ更新」を実行
ファイル作成時にアクセシビリティを意識する
最初から以下の点に注意すると、後で問題が発生しにくくなります:
- 図形や画像を挿入したら、すぐに代替テキストを設定する習慣をつける
- シート名はわかりやすい名前に変更する
- 結合セルの使用を最小限にする(代わりに「セルを中央揃え」の「選択範囲内で中央」を使用)
- テーブル機能を積極的に使う(「ホーム」→「テーブルとして書式設定」)
バックアップを定期的に取る
OneDriveやGoogleドライブなどのクラウドストレージに定期的にバックアップを保存しておくと、万が一ファイルが開けなくなっても安心です。
よくある質問(FAQ)
Q1. アクセシビリティチェックを無効にしても大丈夫?
A. 個人使用や社内のみで使用するファイルであれば、無効にしても問題ありません。ただし、以下の場合は対応が推奨されます:
- 公的機関や教育機関に提出する資料
- 不特定多数が閲覧する可能性のある文書
- 2024年4月の改正障害者差別解消法により、合理的配慮の提供が義務化された組織の文書
Q2. 「アクセシビリティ:検討が必要です」と「アクセシビリティ:利用不可」の違いは?
A. 両者の違いは以下の通りです:
- 「検討が必要です」 – アクセシビリティチェックが実行され、修正すべき項目が見つかった状態
- 「利用不可」 – アクセシビリティチェック機能自体が無効になっている、またはチェックできない状態
Q3. Excel 2016や2019でも同じ方法で対処できますか?
A. 基本的な対処法は同じですが、メニュー位置が若干異なる場合があります:
- Excel 2016以前:「ファイル」→「情報」→「問題のチェック」→「アクセシビリティチェック」
- Excel 2019以降:「校閲」タブに「アクセシビリティチェック」ボタンが直接表示
Q4. Macでも同じ問題が発生しますか?
A. はい、Mac版のExcelでも同様の問題が発生します。対処方法もほぼ同じですが、メニュー名が若干異なる場合があります。Mac版では「Excel」→「環境設定」→「アクセシビリティ」から設定を変更できます。
Q5. 会社で使用するファイルはアクセシビリティに対応すべき?
A. 以下のケースでは対応を検討すべきです:
- 障がいのある従業員や取引先が閲覧する可能性がある
- 公開資料や外部提出書類である
- 企業のダイバーシティ&インクルージョン(D&I)方針に沿った対応が求められる
- 官公庁や自治体との取引がある(2024年4月以降、合理的配慮の提供が義務化)
社内のみで使用する簡易的な資料であれば、無効化しても問題ない場合が多いです。
まとめ:「アクセシビリティ:検討が必要です」は簡単に解決できる
「アクセシビリティ:検討が必要です」というメッセージは、突然表示されるため驚きますが、適切な対処法を知っていれば簡単に解決できます。
解決方法の選び方
- 今すぐ消したい・不要な機能 → 【対処法1】でステータスバーから非表示、またはオプションで無効化
- アクセシビリティ対応が必要 → 【対処法2】で問題を修正
- Excelが固まって操作できない → 【対処法3】で強制終了&セーフモード起動
- 何をしても解決しない → 【対処法4】【対処法5】でファイル修復・Office修復
最も重要なのは、この機能は決して異常やエラーではなく、Microsoft Officeの正常な機能の一つであるということです。必要に応じて有効化・無効化を切り替えながら、快適にExcelを使用してください。
また、今後のMicrosoft 365のアップデートで自動的に設定が変わる可能性もあるため、この記事をブックマークしておくことをおすすめします。












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