患者との接し方入門

理解してもらえない、伝わらないから抜け出すために

患者に伝わる話し方

医療現場の橋渡し役となる看護師は、患者やご家族に病状や治療、生活指導など、多くのことを伝えなければならない。
しかし、一生懸命に伝えたとしてもその意図が相手に正しく伝わらなければ、ケアの効果は半減してしまう。
そこでここでは、看護師が押さえておきたい「伝わる話し方」について言及していきたい。
まず重要なのが、言葉だけでなく表情にも気を配ること。
患者は看護師の言葉だけでなく、表情からも多くの情報を読み取っている。
そのため、笑顔や真剣な表情など、伝えたい内容に沿った表情を作ることで、言葉に説得力が増し、相手に意図を訴えかけることができるのだ。
特に、理解が難しい話や不安を与えやすい話をするときは、安心感を与えるために、穏やかで落ち着いた表情を心がけるべきである。


次に、身振り手振りを加えることも有効だ。
身振り手振りは、言葉だけでは伝わりにくい内容を補強し、視覚的に理解を助ける作用がある。
具体的には、薬の飲み方を説明するときに手のひらで量を示したり、体の不調な部分を指したりすることで、よりわかりやすい説明になる。
ただ、過度な身振り手振りは落ち着きがない印象を与えるため、伝えたいポイントに合わせて効果的に活用したい。
加えて、言葉の選び方と言い回しにも注意が必要だ。
なるべく専門用語は避け、患者が普段使っている言葉や、誰もが理解できる簡単な言葉に置き換えて説明しよう。
また、「〜しなければなりません」といった一方的な言い方ではなく、「〜すると、もっと良くなりますよ」「〜を一緒に頑張ってみませんか」といった自主性を尊重し、前向きになれるような言い回しを心がけてほしい。

患者指導における大切な心得

患者指導は、患者の治療や生活の質を左右する非常に重要な業務だ。
指導の際は、知識や方法を伝えるだけではなく、相手が納得し、行動を変えるためのマインドのサポートも必要だ。
心に寄り添うためには、患者の状況を深く理解するアセスメントは徹底しなければならない。
このとき、患者がどのような生活を送り、病気に対してどのような知識・価値観を持っているのか、何に困り、何に不安を感じているのかを詳しく聞き出そう。
病状だけでなく、患者の生活背景全体を把握することで、指導すべき内容の優先順位が見えてくる。
アセスメントは、患者指導を成功させる土台となるため、しっかり時間をかけたい部分だ。


実際の指導の中では、共感の姿勢が欠かせない。
「指導する側」と「指導される側」という関係性ではなく、相手の苦痛や不安を理解しようとする態度を示すのを忘れてはならない。
患者さんが「言われた通りにできない」と悩んでいるときは、その原因を責めるのではなく、「頑張っているのに大変ですね」と共感の言葉をかけよう。
この共感のひと言が、患者の心を開き、指導を前向きに受け入れるうえでの働きかけになるからだ。
ただ、ここで注意したいのが、患者のプライバシーや感情に配慮すること。
たとえば、家族構成や経済状況などデリケートな情報に触れる際は、慎重に言葉を選び、相手が不快にならないよう細心の注意を払う非必要がある。
また、指導内容が患者の生活に大きな負担をかける場合は、一気に押し付けず、一緒に解決策を探す姿勢を示そう。
知識や技術だけでなく、この人間的な配慮こそが、患者指導を成功させるための鍵といえるのだ。
より具体的な患者指導のコツを知るなら、手引きサイトにもアクセスしてみると良いだろう。