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試し読み / U-NEXTオリジナル書籍

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U-NEXTオリジナル書籍に関する「試し読み」を集めました。ぜひお気軽に手にとっていただけるとうれしいです。
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推しが全て、推しのために身体も売る・・・◎11月21日発売◎山下紘加 衝撃作『でも、ほしい』冒頭大公開③(全4回)

推しが全て、推しのために身体も売る・・・◎11月21日発売◎山下紘加 衝撃作『でも、ほしい』冒頭大公開③(全4回)

   安西桃
 
 安西って、欲望にジッチョクだよね、とロボットが運んできたタワーみたいなパフェをスプーンでつつきながら、川田が呆れたように口にする。あたしは「ジッチョク」が漢字に変換されなくてちょっと焦った。
「ジッチョクってどう書くんだっけ?」
「はあ? ……もういいわ。そういうさ、アホなのに高み目指そうとしてる感じとか、すごいよね。こわいものしらずだよ」
「え、もしかして今けなされてる?」

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どれだけマッチしたら理想の男に会えるのだろう・・・◎11月21日発売◎山下紘加 衝撃作『でも、ほしい』冒頭大公開②(全4回)

どれだけマッチしたら理想の男に会えるのだろう・・・◎11月21日発売◎山下紘加 衝撃作『でも、ほしい』冒頭大公開②(全4回)

   守山みつき
 
「何人くらい会いました?」
 カップをソーサーに戻してから、私は慎重に切り出した。隣の席の親子が食事を終えて席を立ち、私たちのテーブルにはパスタランチのデザートとコーヒーが運ばれてきて、互いの仕事と家族構成とそれに付随する他愛もない雑談はサラダとパンとパスタを食べながら交わしたので、ちょうどいい頃合いだと思った。顔を合わせてから、すでに一時間は経過している。年齢や趣味、年収や

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子供ができない、だから私は見知らぬ男の精子を買った・・・◎11月21日発売◎山下紘加 衝撃作『でも、ほしい』冒頭大公開①(全4回)

子供ができない、だから私は見知らぬ男の精子を買った・・・◎11月21日発売◎山下紘加 衝撃作『でも、ほしい』冒頭大公開①(全4回)

   中原多恵
 
 冷や汗をかいていた。ショッピングモールの中は冷房が効いている上に、地階で購入した冷たいミックスジュースを一気飲みしたせいで、身体の芯は冷え切っており、だからわたしの額や首筋から湧き出てくる尋常ではないほどの多量な汗は不自然だった。ミックスジュースは、パイナップルとりんごとバナナの他にもうひとつ何かが入っていたような気がするが、思い出せない。それらのフルーツと氷、それから牛乳が

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千夜文庫9月刊 久賀理世×ビブリオ奇譚『書林コマドリ裏口ヨリ』冒頭一万字大公開

千夜文庫9月刊 久賀理世×ビブリオ奇譚『書林コマドリ裏口ヨリ』冒頭一万字大公開

 なんという目力だろう。
 晴れあがった夏の朝空の瞳。
 まるでラムネの泡をまとった硝子玉のようにご機嫌な、それでいて遠い遠い過去や未来を映しだす水晶玉のように厳かな……。
 そんな魅惑のまなざしを向けられた瑛麻は、道端で足をとめたまま動きだすことができなくなった。
 猫である。
 鈴つきの赤い首輪をはめているので、きっと飼い猫だ。
 なめらかな生クリームの毛並みに、手足や耳や鼻の先だけチョコレー

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千夜文庫創刊! 白川紺子×アンティークミステリー『雪華邸美術館の魔女』冒頭一万字大公開

千夜文庫創刊! 白川紺子×アンティークミステリー『雪華邸美術館の魔女』冒頭一万字大公開

一 子爵夫人の再婚

「あなたは強運の持ち主ですよ」
 これまで幾度となくくり返したその言葉を、弁護士はまた口にした。小百合はもう相槌を打つのも面倒になって、黙って車窓を眺める。窓の外には森がつづいていた。
「このあたりは神社の森ですよ。つきあたりに二の岡神社という神社があるんです。明治のころから、ここ御殿場は別荘地でしてね。夏になると華族や実業家、政治家といったそうそうたる面々が避暑におみえにな

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千夜文庫創刊! 内藤了×伝奇ホラー『火之神の奉り』冒頭一万字大公開

千夜文庫創刊! 内藤了×伝奇ホラー『火之神の奉り』冒頭一万字大公開

——おまえは永久の命を持つモノなれば、歳月を経て再びまみえることもあろう、それを待て。
 別れのとき彼はそう言った。名もなく、姿も持たず、気配でしかなかった吾と約束をした。いつかまた大地が穢れて毒を吐き、天が荒ぶるときを待て、と。
 彼は憑童。吾の主あるじだ——

プロローグ

 太陽に炙られたアスファルトはまだ熱く、足元から熱気が湧いてくる。たなびく雲は銀色で、空よりも下界のほうが黒く見え、建物

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「有田さんはこれより出張禁止になります」・・・石田夏穂さん最新作『冷ややかな悪魔』冒頭約5,000字大公開!

「有田さんはこれより出張禁止になります」・・・石田夏穂さん最新作『冷ややかな悪魔』冒頭約5,000字大公開!

 出張先のクアラルンプールから次の目的地に向かうところだった。いざ機内モードにしようとしたら、部長からメールが入っている。
〈十五日、本社に出てこれる?〉
 今日は十日の金曜日だ。いまから週末を利用して二度の乗り継ぎをして、次のトロントに向かう。同地を発つのが現地時間の十四日の夕方だから、十五日は難しそうだ。
 その旨をただちに返信する。まったくこき使いやがって。部長はいつものことながら私のフット

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【冒頭16ページ分を大公開】寺地はるなさんの最新小説『そういえば最近』

【冒頭16ページ分を大公開】寺地はるなさんの最新小説『そういえば最近』

 七年も書いてない人なんてそんな人ぁもう作家じゃあないですよ、と利根川さんは言い放ち、器に残っていた羊肉の大きな塊をスプーンで掬った。
 二十八回。彼女の咀嚼回数を心の中で数えてから、瑠依は口を開いた。
 「そんなことはないでしょう」
 咀嚼回数を数えたのはざわついた気持ちを静めるためだったが、その甲斐なく尖った声が出てしまい、あ、と思う。しまった、失敗した。
 「そんなことあるんです。だから、そ

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【試し読み】朝倉かすみさん短編『みんな夢の中』

【試し読み】朝倉かすみさん短編『みんな夢の中』

    1

 蟹江立夏は児童公園の入り口で足を止めた。後ろの二人も立ち止まった。小学校低学年の男児と、猫背の中年男性だ。立夏に連なり歩いてきていた。
 立夏は二人を振り向いて、ジャングルジムを指差した。飛行機のかたちをしていて、その児童公園のシンボリックな遊具である。テニスコート三面ほどの敷地の真ん中に位置している。
「なんかびっくりした!」
 男児が声をあげた。目を丸くして中年男性を振り向き、

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【11/20発売!冒頭を大公開】山内マリコさん最新作『逃亡するガール』

【11/20発売!冒頭を大公開】山内マリコさん最新作『逃亡するガール』

     スタバ

 スタバほど勉強に集中できる場所はない。家より塾より学校より、スタバが好きだ、ここが世界でいちばん落ち着く。週二回、高校の授業が終わって塾がはじまるまでの時間を、あたしはいつもスタバで過ごした。
 学校の最寄り駅から〈富山地方鉄道〉に乗って電鉄富山駅で降り、マリエ一階のスタバに直行して席を確保するのがルーティン。この店舗はなぜかフロアが二つに分離している謎なつくりで、小さいほう

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【試し読み】『The Living Dead』ジョージ・A・ロメロ&ダニエル・クラウス著/阿部清美訳 ⑦

【試し読み】『The Living Dead』ジョージ・A・ロメロ&ダニエル・クラウス著/阿部清美訳 ⑦

流産

 その首がねじれた。ルイスの指は瞬時に汗ばみ、イヤホンの録音ボタンから滑ってバインダーの上に落ちた。バインダーは、これまでの事実を書き留めた記録でいっぱいになっていたが、そんな事実など、全て意味がないも同然だった。

 死体の首は、シャーリーンが入れた切り込みからの凝血で縞模様になっている。医学書では胸鎖乳突筋と書かれている右頸部の細長い筋が、吊り橋のケーブルのごとくピンと張り詰めていた。

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【試し読み】『The Living Dead』ジョージ・A・ロメロ&ダニエル・クラウス著/阿部清美訳 ⑥

【試し読み】『The Living Dead』ジョージ・A・ロメロ&ダニエル・クラウス著/阿部清美訳 ⑥

見えない手

 

 午後九時一七分、シャーリーンはメスを入れ、切開を開始。とりあえず全ての銃創を無視し、左耳の後ろから切り始め、自分のPM40メスを胸骨に向かってゆっくりと引いていく。身元不明遺体の肉がパン生地のように分かれた。右側も左側と同じように耳の後ろからメスを入れ、V字形に切り込む。次に、Y字カットを完成させるため、メスは腹部へと進んだ。フェイントをかけるかのごとく急に右に曲がってヘソを

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【試し読み】『The Living Dead』ジョージ・A・ロメロ&ダニエル・クラウス著/阿部清美訳 ⑤

【試し読み】『The Living Dead』ジョージ・A・ロメロ&ダニエル・クラウス著/阿部清美訳 ⑤

最後に笑うのは誰?

 午後八時四二分、届け物の到着を知らせるベルが鳴った。それは、シャーリーンが通う美容院のチャイムと同じ、デジタル音の呼び鈴だった。それを聞いた彼女の本能的な反応も同じ。鏡で自分をチェックしようとするのだ。手洗いにあるトイレットペーパーでできる限りマスカラを拭き、体裁を整えてみたが、多少のインクは毛穴の奥に入り込んでしまったに違いない。彼女の肌はくすみ、クマができて目の下が凹ん

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【試し読み】『The Living Dead』ジョージ・A・ロメロ&ダニエル・クラウス著/阿部清美訳 ③

【試し読み】『The Living Dead』ジョージ・A・ロメロ&ダニエル・クラウス著/阿部清美訳 ③

ここがその場所

 

 その飾り額は、かなり長いことルイスのオフィスに掛かっていたのだから、とっくに見るのをやめているべきだった。読み手の不安を煽る人騒がせな政治的投稿を拾い読みして時間を潰す、全く記憶にも残らない退屈なランチタイムが、平然と同じ場所に佇むその存在のせいで、一体何度邪魔されたことか。それには彼もうんざりしていた。飾り額の文言は、ソーシャルメディアで更新されるほとんどのコメントより

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