肉厚なロードマップをつくるには? - フライホイールを添えて
世の中にプロダクトや事業をうまくつくるためのフレームワークは多々あります。フレームワークを埋めて終わりにせず、もう一歩深めて肉厚にしたい。
☠️ ペラペラなロードマップの例
よくない例として、ペラペラなロードマップを書いてみました。
こういったロードマップは多くの新規プロジェクト説明用資料の最後に登場し、その後誰にも更新されることなく忘れ去られていきます。

なぜ良くないのか?
🙅 時期以外の情報量がペラペラ
4Qの終わりにリリースをしFY26から営業開始することは読み取れますが、どんな戦略なのか、何が進捗すればロードマップ通りなのか?このロードマップの通りに進んだとしてそれが成功に向かったと言えるのか?という観点が抜けています。
🙅 仮説検証する想定になっていない
ウォーターフォールであり、仮説検証する余地がありません。どの仮説にどの順番で向かうのか?という観点が抜けています。
🙅 ワクワクしない
このロードマップに従って働くと目指す姿に近づきお金が稼げるイメージを持つことができず、ワクワクできません。
🥩肉厚なロードマップをつくる
1. ビジョンから逆算してゴールを決める
ロードマップの達成地点に「ビジョンの達成」があると、プロダクトが正しい方向に進んでいることがわかります。
しかしながら、ビジョンは大きすぎてどのように達成するかが不確実で起きづらいです。そこで「ビジョンに向けて10%進捗している状態(ビジョンLv.10)」を右端に置くことをおすすめします。

このとき、「3年後は?」ではなく「10%進捗は?」と考えるのがコツです。年数で区切って検討すると目の前にあるタスクを積み上げてしまい、いつまで経ってもビジョンを達成しない状況に陥りがちです。

プロダクトを改善するためにやったほうがいいことは無数にあります。
目の前にあるタスクや課題から考える方向とビジョンから逆算して考える方向の両軸から検討する必要があり、中長期のロードマップでは逆算を忘れないようにしましょう。
2. フライホイール(はずみ車)を回す
次に、目指すLv.10を事業として成立させるためにするため事業全体のフライホイールを書いて必要項目を洗い出してみましょう。フライホイールは以下のAmazonのものが最も有名です。このはずみ車が回れば回るほどプロダクトが成功するモデルを検討します。

良いフライホイールには以下の3つの特徴があります。
1. 沼がある
あまり良い表現ではありませんが、ユーザーが一度落ちると抜け出せない沼があると良いです。その沼ループが回れば回るほど、ユーザーがゴールにどんどん近づくと素敵です。
2. 沼にはめる仕組みがある
良質な沼だけではなく、その沼への呼び水があるといいでしょう。
ユーザーが最初に使い始めるきっかけになるわかりやすい価値と、使って初めて気づく価値は別のものになりがちです。
3. 沼の中で収益化できる
一番良くないのは良質な沼があってユーザーがゴールに近づく術があるが、沼にハマっても収益化できない構造です。血(キャッシュ)が巡るフライホイールとするために、どこでどんなキャッシュポイントを得るのかを明確に設計しましょう
👀よくある質問
Q. はずみ車が円になりません。一方通行です🥺
A. 初めて書いたフライホイールが円にならないことはよくあります。一度使って終わりのプロダクトでいいなら一方通行なのかもしれませんが、グロースのためにいま事業に足りないものを発想してみることをおすすめします。
3. ざっくりした実現方法と優先順位を考える
フライホイールでLv.10を回すために必要な事項が洗い出せたら、いまそれがどうして回っていないのか、回すために何が必要なのかを考えましょう。

そして、どこからガソリンを撒けばフライホイールが一番爆速に回るのか?で優先順位と目標となる指標を決めましょう。具体的に実施する施策の開発項目と事業数字の概算見積ができたら、時系列に並べて目標達成ができるか確認しましょう。
4. 経営、ビジネスサイド、開発サイドをつなげて指差し確認
ここまでの検討が煮詰まってくるとフライホイールを回すために必要な「状態」に優先度をつければ、自ずと事業数字と機能が紐づいてくるはずです。
事業数字、状態、機能をそれぞれ並べて現実的な時間軸になっているかを、経営・ビジネス・開発のそれぞれの視点からレビューします。

「事業数字の話をされてもエンジニアは分からない」ではなく、事業数字→状態→機能の翻訳を相互に確認することで各職種でのレビューができるようになります。
このとき、このロードマップがあやふやで根拠が薄いものであることを不安に思いすぎないでください。これは不確実性と戦うための現在の全員の頭の中を吐き出したものであり、このロードマップのとおりに進むことを確約するものでなくてよいのです。地図も、目標地点も無ければそこで漂うだけですが、方針があれば行動することができます。ロードマップは時間の経過とともに更新していくものです。
ロードマップ浸透の注意点
🐅 ロードマップは生き物
プロダクトをつくることは仮説に仮説を重ね、それを紐解いて検証していく作業です。ビジョンから逆算するロードマップは仮説と本音の戦略を含むものになるので、日々更新されていきます。
このあけすけなロードマップは社外秘であり、顧客に見せるようなものではありません。
🐸 ふりかえりをしましょう
ロードマップ作成は総力戦です。
社内の垣根を超えて全スキルを使ってつくり、事業に関わる全員が同じ理解にならなければ一貫性がある戦略の実行はできません。より良いロードマップはどうすればよいのか?を関係者全員でふりかえり、会社としてよりよいプロセスとゴールを探索することが強い組織を作ります。
🐇 進捗を確認しましょう
絶対に作りっぱなしにはしないでください!!!!絶対にです!
定例会議などでその進捗を確認し、仮説検証の結果を反映していってください。日々の更新に追加して四半期ごとのアップデートも大変おすすめです。
以上となります。
ぜひ、みなさまからのフィードバックをいただけますと幸いです。
お読みいただきありがとうございました。
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