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忘れられないもの

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日常の中のささやかな違和感や、ふとよみがえる景色や音、心をかすめる記憶の断片。どうでもよさそうだけど、なぜか忘れられない。そんな事柄をすくい取ったエッセイ集です。
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記事一覧

足元

毎朝、目を覚ますと、身支度もせず玄関へ向かう。2畳ほどの玄関土間に来ると、猫が胸の高さく…

西出光一郎
4か月前
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Tさんの言葉

ともかくぼくは、仕事ができなかった。25歳で中途入社した会社でのことだ。 目黒の編集プロダ…

西出光一郎
5か月前
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夏になると本を読みたくなる

20代中頃から後半にかけて、東京の下丸子に住んでいた。最寄駅はそのまま下丸子駅で、蒲田行き…

西出光一郎
6か月前
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ジェット機と自転車のペダル、耳からぶら下げたイヤホン

「あれから10年も この先10年も」 たまにこのフレーズを思い出す。渡辺美里のアルバム『ribbo…

西出光一郎
6か月前
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えぐみのあるコーヒーが教えてくれたこと

何かを毎日やっていると、考えなくても体が動くようになってくる。その状態は楽なのだけど、い…

西出光一郎
6か月前
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攻略本を見ながらの人生は何も残らない

今から25年くらい前、情報系のテレビを見ていたら「ディズニーランドの楽しみ方」みたいな番組…

西出光一郎
6か月前
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壊れても壊れても、2008年式ポロに乗り続けている

またポロが故障した。今度はクーラーが効かなくなってしまった。 想像してみてほしい。炎天下に「暑い暑い」とこぼしながら車に乗り込み、エンジンをかけてクーラーをオン。すると、ぬる~い風が吹き出し口から出てくる。ちょっとした絶望を感じた瞬間である。 「また故障した」というのは、つい先日も天井のクロスが垂れ下がっているのがわかったからだ。国産車に乗っている人はあまり想像つかないだろうけど(そういう自分も今回初めて知った)、欧州車を高温多湿の日本で乗っていると、経年劣化で糊が剥がれ

アイ・ラブ・ソリチュード

2018年12月に、一か月ほど語学留学でアイルランドに滞在した。行くことにした理由は、とても軽…

西出光一郎
7か月前
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4年間、iPhoneを替えずにいたら、いつしか自分が変わっていた

いつからか、新しいiPhoneを見てもほしいと思わなくなった。 2021年発売のiPhone 13 Pro Max…

西出光一郎
7か月前
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勝ち組になれなかったけど、負けもしなかったかもしれない

「君は今から勝ち組になるのは難しいかもしれないが⋯⋯」。ある夜、当時働いていた書店の店長…

西出光一郎
8か月前
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ダーツを投げられなかった女の子

その男性は、ダーツの的の近くに椅子を置いて腰掛けていた。そして女の子に、「投げないことに…

西出光一郎
8か月前
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