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マガジン一覧

靴作りの道具

靴作りの道具についてまとめました。

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靴職人の相棒 ─ レザーエプロンの経年変化を楽しむ

■はじめに──身につける“道具”としてのエプロン 靴作りをしていると、いろんな道具に囲まれて過ごしますが、実は「身につける道具」というのも大事だったりします。 今回は、私が製作中に毎日身に付けているレザーエプロンの経年変化についてお話したいと思います。 完成したばかりの時は、もちろん真っさら。シワもなく、汚れもない、まさに“新品”の姿でした。けれど、そこから一年、二年と毎日着続けることで、革がまるで自分の動きを覚えていくように、だんだんと味わいを増してきました。 ■素

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靴作りの道具 #16『ハサミ』 ― 繊細な決断の刃先

―仕立ての美しさは、切り口から始まる― 今回は、靴作りに欠かせない「ハサミ」について掘り下げてみようと思います。裁断や仕上げの工程で使うハサミは、日常で目にするものとは少し違います。それぞれのハサミが持つ形状や用途に、職人の繊細な判断と美意識が詰まっているのです。 ■ なぜ「ハサミ」が重要なのか? 一足の靴は、ただ縫って貼って完成するものではありません。どのパーツを、どこで、どう切るか。 その“切り口”が、美しいフォルムと履き心地に大きく影響するのです。 そして、使い

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靴作りの道具 #15『針』〜下穴に込められた職人の意図〜

今回は、靴作りにおいて欠かせない小さな名脇役──「針」についてお話しします。 針といっても、ただ糸を通すだけではありません。 実は靴作りに使われる針の多くは、「オール」と呼ばれるもので、縫い針を通す“下穴”を開けるための道具です。 一足の靴の縫製を支える、極めて重要な存在。種類も多く、それぞれの工程や目的によって形状がまったく異なるのが特徴です。 ■ オールとは? オールとは、縫い針そのものではなく、縫い針を通すための穴を革に開けるための「先導針」のこと。 そのまま

靴作りの道具 #14『コテ』 ― 革靴の美と耐久性を上げるために

靴職人の机に静かに横たわる「鉄の棒」。それが、“コテ”と呼ばれる道具です。何の変哲もない金属の塊。けれど、その一押しが、革の表情を変え、輪郭が引き締まり、靴に気品が宿る。 今回はこの「コテ」という道具に焦点を当てて、靴作りにおけるその役割、そして魅力をじっくりと紹介したいと思います。 「コテ」とは何か? 靴作りに使用されるコテは、革の表面に“熱”や“圧”を加えることで、ラインや凹み、装飾的な表情を作り出す道具です。 ラインを1本入れるだけで、靴の印象が変わります。 例

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ローファー

ローファーについて

ローファーのフィット感、フォルムへの拘り

ローファーにおける理想的な履き心地を実現するために、Cornobluが最も重視しているのが「かかとのホールド感」と「美しいフォルムの両立」です。 日本人の足型は欧米人に比べてかかとが小さく、足幅が広めで甲も高くなりがちです。そのため、インポートのローファーによく見られる大きく深いヒールカップではフィットしづらく、靴の中で足が動いたり、かかとが抜けやすくなったりします。 Cornobluでは、長年の経験とフィッティング実績から、日本人の足に適した「J型ラスト」を独自に開発。

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毎日履きたくなる革靴『スリッポン』〜⑤デザインサンプル

スリッポンについて、前回は「スリッポン」のデメリットをまとめました。 第5回目の今回は、「スリッポン」のデザインサンプルについてです。 (全5回に分けて投稿中のため、今回が最後となります。) デザインサンプルハーフサドルローファー サドル(足の甲部分に位置するパーツ)がソールまで伸びていないデザインです。 フルサドルローファー サドルがソールまで伸びたデザインです。 通常、Uチップ(U字部分のこと)をつまみモカと呼ばれる手法で手縫いすることが多いのですが、ミシンで

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毎日履きたくなる革靴『スリッポン』〜④デメリットと注意点:オーダー靴専門店の視点から

スリッポンについて、前回は「スリッポン」のメリットをまとめました。 第4回目の今回は、「スリッポン」のデメリットと注意点についてです。(全5回に分けて投稿中です) スリッポンはその手軽さとシンプルなデザインが魅力の靴ですが、万能ではありません。オーダーメイドでスリッポンを選ぶ際には、いくつかのデメリットを考慮する必要があります。ここでは、専門的な視点からスリッポンの課題を整理し、解決策についても触れてみます。 【デメリット】1. フィット感の調整が難しい スリッポンは

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毎日履きたくなる革靴『スリッポン』〜③メリット:オーダー靴専門店の視点から

スリッポンについて、前回は「スリッポン」の起源と歴史をまとめました。 第3回目の今回は、「スリッポン」のメリットについてです。(全5回に分けて投稿中です) スリッポンはシンプルでありながら、その実用性とデザイン性の高さから、多くの場面で活躍する万能な靴です。 特にオーダーメイドのスリッポンは、既製品にはない快適さと個性を実現できる点で注目されています。 ここでは、オーダー靴専門店の視点からスリッポンのメリットを詳しく解説します。 前提として、サイズが合っていること(踵が

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レイジーマン

レイジーマンについて

片足わずか1秒で脱ぎ履きできる革靴『エラスティックシューズ』〜④デザインサンプル

エラスティックシューズについて、前回は「エラスティックシューズ」のメリット・デメリットをまとめました。 第4回目の今回は、「エラスティックシューズ」のデザインサンプルについてです。 (全4回に分けて投稿中のため、今回が最後となります。第1、2回目の記事は下記リンクからご覧になれます。) デザインサンプルサイドエラスティックと言えばこちら 革の模造レースにイミテーションのフルブローグ、ゴアが見えないようにスリットパーツの革を縫い付けています。 レースアップシューズで言うと

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片足わずか1秒で脱ぎ履きできる革靴『エラスティックシューズ』〜③メリット・デメリット

エラスティックシューズについて、前回は「エラスティックシューズ」の起源と歴史をまとめました。 第3回目の今回は、「エラスティックシューズ」のメリット・デメリットについてです。(全4回に分けて投稿中です) 主にサイドエラスティックに注目し、まとめています。 メリット・デメリットまずはメリットです。 前提として、サイズが合っていること(踵が抜けない、適切な捨て寸がある、甲や指先などの一部が点ではなく面で当たっており痛みがないなどなど)とします。 以前に「靴のサイズ換算表につい

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片足わずか1秒で脱ぎ履きできる革靴『エラスティックシューズ』〜②起源と歴史

エラスティックシューズについて、前回は「エラスティックシューズ」とは?についてまとめました。 第2回目の今回は、「エラスティックシューズ」の起源とその歴史についてです。(全4回に分けて投稿中です) 「エラスティックシューズ」の起源と歴史起源 初めてゴアを取り得れた靴が作られたのは、1830年代のイギリスだとされています。その時の靴が、「サイドゴアブーツ」です。 アレクサンドリナ・ヴィクトリア(以下、ヴィクトリア女王)のためにデザイン開発され、その靴を愛用したようです。

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片足わずか1秒で脱ぎ履きできる革靴『エラスティックシューズ』〜①どんな靴なのか?

今日の紳士靴は、靴紐で締め上げることで足を靴に固定するような「レースアップシューズ」が主流だと思います。 しかし、そのような靴は『靴紐を結ぶ、解く、緩めるなどの少々面倒だ』と思ってしまい、つい靴紐を結んだまま脱ぎ履きをする方が多くいるように思います。(かつての私もそうでした。。。) 靴の脱ぎ履きが多くある日本のライフスタイルを考えると仕方のないことだと思います。 そんな中、靴紐以外にも靴の脱ぎ履きを比較的楽にし、足を靴に固定するようなデザインがいくつか存在します。 例えば、

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