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暮らしや営みの中で零れ落ちそうなことを掬い上げたり、心や脳に浮かんだ閃きを忘れないよう書き留めたりする、思考や思想の直売所のようなものです。
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記事一覧

思い出、とかいう上書き更新可能なフォルダ

私は、昔のことをやたらとよく覚えている。 自分に降りかかった出来事はもちろん、小学校時代にうちに遊びに来た姉の友人の着ていた服や、ピアノの発表会で友人が弾いていた曲とその出来栄え、小学校の教室の前で育てていたチューリップのプランターで、一人だけ花が咲かなかった子がいたことなど、極めて取るに足らない、些細なことまで覚えている。 とはいえ記憶力全般に秀でた人間である訳でもない。むしろどうでもいいことに頭のメモリを割きすぎているためか、日頃の記憶力は異常に低い。数字や固有名詞の

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出産17日後に、やっと胎盤が出た話

2025年が終わる。あぁ、終わるのだなぁ……としみじみ振り返る。産後、あまりにも身体がしんどくて「後陣痛 いつ終わる」「悪露 いつ終わる」と検索ばかりしていたのだけれど、そうした諸々の痛みも年の瀬の今となってはほぼ終わり、人間の身体というのはエラいもんやなぁ、と我が身の治癒力を再認識した2025年であった。出産については2本に渡って書いてきたけれど、今読み返すと10年くらい前の出来事、もしくは他人事のような気持ちにさえなるのだから、不思議なものだ。 ただ、出産後最大の災難に

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「子育て罰」という言葉もあるけれど……

不妊治療をしていた間、治療を続ける気力が消えてしまいそうなことは何度かあった。 治療には痛みを伴うし、行動制限はかかるし、お金ばかりが出ていく。働き盛りと言われる30代がそうして溶けていってしまうこと自体も辛かったのだけれど、もし治療が成功したならばより大きな「痛みを伴い」「行動制限がかかり」「お金が出ていく」数々の出来事が待ち構えてもいるのだ。 もちろん大前提として、子どもを望んでいるから治療を受けていた。大きな責任が伴うその行為に、中途半端な気持ちで挑んでいた訳ではな

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科学者の夫との子育て

夫は物理学者で、大学で日々研究に勤しんでいる。目が覚めた瞬間から寝る直前、なんなら夢の中でも脳内で研究をしているようなタイプで、デート中に無口になるときはおおよそ、脳内で計算機を回している。最初は「え?」と思ったが、もう慣れたので、そういうモードに入ったならばしばらく私は無駄に話しかけないようにしている。 そして脳が元気な時間はすべて研究に没頭したい……と思っているので、休日にお出かけをすることを「義務」のように捉えていることも多々あり、そうした態度は日常生活のパートナーと

「ヘルメット治療、ねぇ」と思っていたのだが…

ここ数年、とりわけ都内ではヘルメットをかぶってる赤ちゃんを見ることが増えてきた。まだ自転車の後ろにも乗れないような小さな赤ちゃんが、立派なヘルメットをつけて抱っこ紐の中などでキョロキョロしている。それはもちろん、転倒による怪我防止などではなく、頭の形のためである。 そうしたヘルメットは絶壁などを治療するものであること、そして保険適用外なのでめっちゃ金がかかるものであること…くらいの浅い知識だけを持っていた私は、ヘルメット赤ちゃんを見るにつけて「はぁ〜〜……すごいなぁ、お金あ

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「子が産まれると部屋が瞬く間にダサくなる」問題に立ち向かえ!

我が家に赤ちゃんがやって来た。で、またたく間に部屋がカオスになった。 急いで脱がせたベビー服。なにかを少しだけ拭いたティッシュ。そこかしこに点在するミルクのシミ。未開封の段ボール。ベビー用品に毎度付随してくるUSBケーブルや説明書。行政や病院から押し寄せる数多の書類。各所から巡り巡ってやってきた玩具たち。他、もろもろもろ…… いや〜〜〜おかしい。妊娠中に、「これはここに収納しよう!」とある程度準備していたはずなのに、いざ育児が始まると、テトリスの後半か? というくらいに大

母になっても譲れない尊厳、それは何処に?

「私の存在価値は乳になり、人間としての尊厳を失った」 昨夜、搾乳しながらSNSを見ているときに、そんな投稿が目に入った。投稿主曰く、子どもは可愛い。乳を飲んでいるときの姿も愛らしい。けれども、周囲から「赤ちゃん、おっぱい欲しがってるよ」「母乳が足りてないんじゃない?」「母乳のためには栄養を……」などと色々言われながら、赤子からも周囲からも乳ばかり求められ続ける生活に疲れてしまったのだそう。 もっとも、これまで秘めておくべきであった乳という極めて私的な部位が、突如食事処とな

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赤子の世話、それは世にも穏やかな激務

昨日、息子が生後2ヶ月を迎えた。 産後、ぶっ壊れた身体で新生児育児に奮闘した1ヶ月目は、白目をむくほど大変だった。ただ2ヶ月目になると身体はかなり回復し、様々なお助けグッズを買い揃えたことでお世話の難易度はかなり下がった。そして赤子が言葉にならない言葉でよく喋るようになってきて、ここ最近は幸福度が爆上がりしている。 赤子が笑ってくれる度にハピネスが限界突破して感情が上書き更新されていくので、noteで前回、前々回と書き残していた痛み苦しみの出産レポートを読み返すと「…ぁあ

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分娩台で頑張ってる最中に、万博のプロデューサーに就任していた話(マジで)

お産についてのレポート第3弾……を書く前に、箸休め的な謎コンテンツをぶっこみたい。ちなみにこの話、可燃性が高すぎるので、SNSでのシェアは控えていただけますよう、何卒よろしくお願いします……!

知らんかった、産後がここまで辛いとは……

さて、8月28日の夜に大きな男の子がひっぱり出されて無事に産まれた。が、その後胎盤が出てこなかった。そこで医師が私の股に腕を突っ込んで胎盤を引き剥がしたのだけれど、もし無痛分娩の麻酔が効いていなければ私は痛みで狂い、きっと獣か妖怪になり果てていただろう……というのが前回までの話。 そうしたお産の翌朝。朝6時に採血のために起こされ、その1時間後に「今から先生の診察がありますので、内診室でお待ちしてます〜」と看護師さんに伝えられる。 はいわかりました〜、と上体を起こそうとする

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自然無痛分娩で命拾いした、かもしれない話

1ヶ月前、3823グラムの大きな男の子を出産した。 あのときの胚盤胞が、10ヶ月の間この身体を棲家として動いていた存在が、眼の前で小さいながらもひとりの人間として息をしている……というのは、とても不思議なもので、ウゴウゴと動く赤子を見るにつけ「ホンマにエラかったなぁ」「すごいことやな」「なんじゃこりゃ」と感心しながら、とはいえなにかを深く思考するような暇もなく、オシッコ!ウンチ!おっぱい!洗濯!消毒!オシッコ!ウンチ!……の無限ループの中にいる。 そんな生活の渦中ではある

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産まれた!

先日、3823gのそれはもう立派な男の子を出産しました。 取り上げた方々も「え、でかいな?!」と驚くほどの大きな赤ちゃん。妊娠後期はずっと、重い、苦しい、とにかく重い……と感じていたけれど、これほどに立派な男児が私の腹の中いっぱいに動いていたとは。 もともと160センチ、42キロほどだった私の体重は、妊娠中に57キロまで増加。ちょっと増え過ぎなんとちゃうやろか……と懸念していたけれど、出てきた人をこの目で見ると、なるほどというか、いやマジで私からなんでこんな大きな子が?!

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「妊婦様」というより、「胎児様とその従者、妊婦」やねん、と思わされる日々

いよいよ出産予定日まであと5日となり、もういつでも産まれてくれてもええんやで! という段階までやって来た。いや、ええんやで! というか、1日でも早く出て来てくださいお願いします……と切に、マジで願っている。 というのも、現在胎児の推定体重は3キロ半ば。世の出生時平均体重は約2.9kg程らしいので、なかなかに恰幅が良い。まぁ推定体重というのはあまりアテにならないと聞くが、BPD(頭の横幅)も10センチを超えており、こちらは確実に平均よりデカい。これ以上育ったら私の身体はどうな

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私、保守的になっちまったよ。

今月も怒涛の月末更新になってしまって、申し訳ないです……。 今月は参院選のことを書こうと思ってあれこれ調べていたのだけれど、どうにも頭が回り切らず、記事として出すには視野が狭すぎたのでボツにしてしまったのでした。結果、今月も妊婦の叫び一色になってしまいましたが……そうした期間もまもなく終わるので(終わったら新生児育児の叫びになる気もするけれど)堪忍してやってください。 しかし「視野が狭い」というのはネガティブな言葉だと思っていたけれど、それは良い / 悪いではなく、人生の

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