前文
先週、
このニュースを見て思い出したんだけど、2012年に日本国憲法をWikiに置いて誰でも改憲できるようにしたことがあった。
日本国憲法を置いておいたので自由に改正してください https://t.co/umRgw9ao
— メルセデスベン子 (@nomolk) 2012年6月26日
当時のページはここにまだあるけど、jottitが放置サービスになっていてセキュリティ警告が出るので直接の閲覧はおすすめしない。
当時の主な改憲内容をかいつまむと、

前文は保護者へのおたよりに改憲され、

国家の象徴は栗山千明さんになり
※当時、涎先生という2chのコテハンの発言「栗山千明率いる謎の軍勢に故郷の村を焼かれたい」が身近な界隈で微妙に流行っており、その影響と思われる(参考)

第九条では国際平和を希求するため犬、猿、雉およびドリルスペイザーを放棄。3.56立方メートルのパンドラの箱を保持し、有事の際はこれを開けると脅すことで敵国を威嚇することに。

立法機関は猫会であり、シュギーンと女囚アマゾネス軍団で構成されている。


5章では行政権がかわいい柴犬に属することを規定され、8章では地方自治に相当するものがハムちゃんずであると定義。

最終章で伝説になった上にアンケート付きというおもてなしぶりであった。
久しぶりに見返して、なつかしいな~という気持ちとともに、「もう一度、だれの承認も得ず無責任に憲法が改正される様子を見たい」「野放図な改憲で国がめちゃくちゃになる様子が見たい」という思いがムクムクと湧いてきてしまった。
そこで、より現代的なプラットフォームであるGoogle Docsを舞台に、新たに2020年版の『誰でも改憲できる日本国憲法』を設置した。
本記事では、筆者の設置した『誰でも改憲できる日本国憲法』がその後どのような道のりをたどったか、改憲の様子を時系列で見ていきたい。
なお数千にわたる膨大な改憲履歴のすべては網羅できないため、特に筆者の目を引いたもの/移り変わりを見るうえで重要なものを抜粋して紹介するにとどめる。
第一章
2020年4月10日 21:36
Google ドキュメントを作成
2020年4月10日 21:37
日本国憲法を設置
2020年4月10日 21:41
まっさらだと編集しにくいかと思い、前章で紹介した、2012年版の改憲済み日本国憲法を再設置。
(※以降、筆者は編集に関与せず神の視点で鑑賞に徹します。全削除等された際の復旧を除く。)
2020年4月10日 21:47

初の改憲。前文の末尾に「以下、ラーメンの話を難しく聞こえるように記す。」の一行が追加される。憲法全体が、国家のあり方を規定するものからラーメンの話へと変質する。
2020年4月10日 21:59

特別の事情がある場合は拷問が許可される。
2020年4月10日 22:04
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すべての国民が暴力の下において平等になる。
2020年4月10日 22:06

ネタを追加するのではなく、条文を文法的に整えるユーザーが現れはじめ、分業により改憲作業の洗練化が進む。
2020年4月10日 22:08
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義務教育が基本無料から初回無料に。
2020年4月10日 22:09

日本国憲法史上初めて、条文に嘘が記載される。
2020年4月10日 22:20

5章 内閣のあとに、5.1章 外閣が追加される。この時点では外閣の内容は規定されていない。
2020年4月10日 22:27~22:37

数回にわたる改憲の中で、憲法が寄付を求め始める。
2020年4月10日 22:31

憲法にページフッタが整備される。
2020年4月10日 22:32

第13条に登場する「個人」の読みが「こんちゅ」であることが判明する。
こんちゅ、めちゃ笑ってしまった pic.twitter.com/WC9FpM9Foy
— メルセデスベン子 (@nomolk) 2020年4月10日
2020年4月10日 22:36

日本国憲法第2期の放送が決定する。
2020年4月10日 22:38

第8章がトレンドブログみたいになる。
2020年4月10日 22:45

日本国憲法がチャンネル登録を求めはじめる。
2020年4月10日 23:26

第9条が属する第2章(戦争の放棄)が「諸々の放棄」と、かなり雑に。
2020年4月10日 23:32

第8章のあとに、「図1:デルトラ・クエスト 第一巻 沈黙の森」が追加される。(※図1はどこからも参照されていない)
2020年4月10日 23:32

日本国憲法第2期放送決定の告知が完成度を高める。
2020年4月10日 23:40

日本国憲法に初めてメモ欄が設置される。
2020年4月10日 23:41

日本国憲法のメモ欄が初めて使用される。
2020年4月10日 23:45

日本国憲法が特定機密書類に指定される。
2020年4月10日 23:52

外閣の内容が憲法内で規定されはじめるも意味不明。
次いで中閣も現れる。(※別紙は存在しない)
2020年4月11日 0:16

第6章全体がラップに。
2020年4月11日 0:41
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毎年1回のフジロックフェスティバルの開催が憲法に盛り込まれる。
2020年4月11日 1:43

第9条の末尾に謎の単語「チャナティップ」が追記される。最高裁での憲法解釈の難航が懸念される。
2020年4月11日 2:09
Google ドキュメントの設定が「誰でも編集可・権限変更可」になっていたため、何者かが編集権限を「オーナーのみ」に変更。改憲が凍結される。
ここまでが初日の出来事。
なお、筆者は当初、TwitterにてこのドキュメントのURLを貼り改憲を促していたが、500RTを超えたため0時ごろにいったん削除した。
(経験上、Twitterで1000RT、はてなブックマークで200ブックマーク程度を超えると想定外の層にリーチしはじめ、突然怒られる可能性が高まる。)
第2章
2020年4月11日 11:39
筆者、編集権のリクエストが大量に送られてきたことで編集不可になっていることに気づき、編集権を再度付与。
2020年4月11日 11:51

日本国憲法のライセンスがCC-BYに設定される。
2020年4月11日 11:51

第53条と第54条の間にテキスト広告が挿入される。
2020年4月11日 12:10

第23条に余談(感想)が併記される。
2020年4月11日 12:13

日本国憲法の末尾にしもんきんが出現する。
2020年4月11日 12:23

第41.5条において、お残しが禁止される。
2020年4月11日 12:23

第100条で死ぬワニが出現する。
2020年4月11日 12:30

第100条で死ぬワニが死ぬ。
2020年4月11日 13:38

カードバトル調になっていた第19条にロマンスの要素が濃くなる。
2020年4月11日 13:56
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日本国憲法の施行日が不明瞭になる。
2020年4月11日 14:04

改憲家たちの自浄作用が高まり不適切な下ネタが削除される
2020年4月11日 14:21

日本国憲法が他国の国民(ネパール人)に口出しを始める。また、野放図な改憲が続いたことにより条番号が重複しはじめる。
2020年4月11日 14:41

日本国憲法の末尾に★おまけのコーナー★が開設され、しもんきんを公式キャラクターと誤認させるような悪質な記載がされる。
2020年4月11日 14:44

第9条で新たに、どくさいスイッチ、攻撃用大仏を放棄する。
2020年4月11日 15:03

第97条(基本的人権の本質)が文字化けし、日本国民の人権が失われる。
2020年4月11日 15:11

少しずつ村上春樹風に改憲されつづけていた第91条が完成する。
2020年4月11日 15:33

日本国憲法の冒頭にアクセスカウンタが設置され、にぎやかさを増す。
2020年4月11日 15:41

第0条ができる。
2020年4月11日 15:43

第41条のあとに空の表が挿入される。
2020年4月11日 15:52

第63条に脈絡なくCHAGE and ASKAが登場する。
2020年4月11日 15:56

第41条のあとの表がミニゲーム:オセロとして活用され始める。
2020年4月11日 15:59

第41条のあとの表でオセロをしたい勢力と、時間割表にしたい勢力との間で編集合戦が発生する
2020年4月11日 16:02

第41条のあとの表をごみ収集日一覧にしたい新勢力が参入する
2020年4月11日 16:08

メモ欄が充実してくる。
2020年4月11日 16:42

多人数が思い思いの改憲をすることにより冒頭部がごちゃついてくる。
2020年4月11日 16:42

日本国憲法の末尾にスタッフロールが追加される。
2020年4月11日 17:07

第9条に図が入りわかりやすくなる。
2020年4月11日 17:27
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もはや労働は義務ではなく、あんハピ♪またはゆゆ式を見るのが義務。
2020年4月11日 17:32

全条文が「学園生活部心得」に変更される。
2020年4月11日 17:38

デルトラ・クエスト 第一巻 沈黙の森が増える。
2020年4月11日 17:51

全条番号が「学園生活部心得」に変更されたことに対し編集合戦となり、最終的に第1章の章名のみ「学園生活部心得第1章」とし他は元に戻すことで決着。
2020年4月11日 18:01

最初期に前文に追記された「以下、ラーメンの話を難しく聞こえるように記す。 」のあと、本当にラーメンの説明が書かれ始める。(以降、どんどん詳しく改憲されつづける)
第3章
※ここまですべての改版履歴を目視して主要なものをピックアップしてきましたが、そろそろ疲れてきたので1時間ごとの目立った改憲内容を見ていきます。
2020年4月11日 19時台

第4条がおじさんLINE文体に。

憲法のすごろく化

ラーメンの定義が拡大される。
2020年4月11日20時台

第3条が疑問形式となり、その回答をアキネイターが受ける形に。

ヨドバシカメラがゲーミング内閣を販売開始。
2020年4月11日21時台

文字化けしていた第97条(基本的人権の本質)がSCP案件に。

最末尾に退出の宣言が追加される。
2020年4月11日22時台-23時台

Googleドキュメントの1ページ目全体が完全に怪文書に。

第0章および第-1条の追加。

第91.5条の新設。※参考

第91.85条の新設。本格的なゲーム盤が設置される。
2020年4月12日0時台-5時台

2ページ目が荒廃。

第23条に続く余談の長大化。

第64条台、テンションで押し切るタイプの条文が出現。※参考
そして…
…
…
…

何者かの手により、日本国憲法はこの部分のみを残しすべて削除される。
2020年4月12日 6:14をもって、日本は無法国家となる。
第4章
2020年4月11日 9:17

新たな憲法の芽生え。
2020年4月11日 9:29

誰かが原文をコピーし、新たな改憲への道が始まる。
2020年4月11日 10:13

日本国憲法の前文で改憲を利用したチャットが始まる。
2020年4月11日 10:27

話としては落ち着くも、「日本国憲法の序文をチャット代わりに使わないでほしい」という苦情が寄せられる。
2020年4月11日 10:48

直後に再削除の憂き目にあい、日本国憲法がアメリカ合衆国憲法に置き換えられる。実質的な日本の米国植民地化。
この後しばらく、復元→大日本帝国憲法に置き換えられる→復元→京都大学規程集に置き換えられる等々、日本は荒らしとの戦乱の中に巻き込まれることになる。
2020年4月11日 11:04

日本国憲法の前文にGoogleドキュメントの操作マニュアルが挿入される。(改版履歴からのバックアップおよび復元方法)
2020年4月11日 13:40

日本国憲法が京都大学規程に置き換えられる。京都大学による国家の統治が始まる。(100条で死ぬワニがしぶとく居残っている。)
2020年4月11日 14:02

管理者(筆者)の介入により、9:29時点の日本国憲法(上、「新たな改憲への道が始まった」の時点)まで切り戻される。
ここで復元された日本国憲法が、現在も存在している日本国憲法の直系の祖先となる。
第5章
そしてその後も、しばしば荒らし行為による消滅を繰り返しながらも、更新履歴からの復元方法を学んだ参加者たちにより順調に改憲は進んでいる。
以下、執筆時点(2020年4月18日)の最新版より

日本国憲法、前文の冒頭。

第21条 表現の自由、検閲の禁止に関する挿絵。

第36条、拷問及び残虐な刑罰の禁止。
全体的に挿絵が多く、法律の知識の少ない国民にも理解しやすい憲法となってきている。

第8@条、裁判の方法。

第8章、しりとりのコーナー。

サイゼリアの好きなメニューを語るコーナー。

間違い探しもある。

あとがき。
以上が、だれでも自由に改憲できる日本国憲法の憲法史である。
補足
本当はこの憲法の中にはもっと政治色が強かったり日本や他国の政府/政党/政治家を揶揄する部分もあるのだが、それらは冗談としては受け手を選ぶものであると考え、紹介するにあたり割愛した。(中には秀逸な風刺もあったということは記しておく)
それから、Google Document 移行後、筆者は鑑賞に徹しており、荒らし対応の切り戻し作業を除けば編集に直接関わっていない。そのため本憲法内の条文は筆者の政治的主張や立場とは無関係である。
筆者の意図の表明としては、「だれでも自由に改憲できる日本国憲法」が存在すること自体は、ジョークとして現在の状況を風刺するものである。ただし今回紹介した改憲を事例として「憲法を改正するとこのように国がめちゃくちゃになってしまう」等の直接的な主張を行う趣旨のものではない(実際の改憲とは主体も手続きも異なるため)。
インターネットで誰でも改憲できる日本国憲法をやるとタガの外れたアンサイクロペディアみたいになることが分かったので、こんどは自民党員限定だれでも改憲できる日本国憲法と、共産党員限定だれでも改憲できる日本国憲法が見たい
— メルセデスベン子 (@nomolk) 2020年4月11日
追記:
「だれでも自由に改憲できる日本国憲法」改憲の歴史 - nomolkのブログb.hatena.ne.jp
- [書いた]
最初面白いけど後半荒らしが台無しにして残念、っていうのは物語の捉え方が甘くて、改憲の枠組みの中でみんなネタ比べしてたのが後半に反憲法の外敵が出てきて攻防戦になるゲームチェンジが起きてそこが面白いんです
2020/04/20 19:08