
2020年代に入ってから怪獣造形のプラモデルをひとつのジャンルとして大いに盛り上げたメーカーがエクスプラス。2023年発売の「ガメラ1999」と比べると、今回発売された「ガメラ1996」は構造の整理とパーツ分割の精度が一段向上しています。正直、組んでいてめっちゃ楽しかった。これはオススメです。

パーツの内側には大きな丸いダボが、フチにはお互いが噛み合う土手状の形状が設けられていて、接合位置を決めてくれます。こうした構造は、かみ合わせがキツすぎると組み立てに力が必要だったり、かえって確実な接着を妨げてしまうものですが、本作では良い意味でガバガバに作ってあります(これ、重要なんだけど設計製造の上ではすごく難しいことなんです)。結果として「パーツ同士を合わせてから流し込み接着剤を接合面に置く」という動作を繰り返していくだけで、テンポ良い組み心地を味わえます。

パーツ番号がランナーをまたいで飛び地になっていたり、挟み込み構造でユニットを接合していくところなどは少々戸惑いますが、アメリカの古き良きモンスタープラモをオマージュした説明書がそれも楽しい体験に変えてくれます。とにかく組み立ての手順を間違えると詰むので要注意。また、表面のディテールをスポイルしないように要所要所でアンダーゲート(パーツの裏面にゲートがある構造)が採用されているので、パーツをカットしたらしっかりと出っ張りを切り落としてから接着しましょう。

甲羅は表面、裏面ともに甲板をバラバラのパーツに分割しており、表皮の複雑な造形を表現しています。番号順にこれを貼っていくのがとても理路整然とした感触で、お互いのアウトラインがパズルのように組み合わさって幾何学的だった土台を生き物のように埋め尽くしていくのがとても楽しい!オモテとウラのパーツをバシッと貼り合わせるだけじゃない、重層的な構造を心ゆくまで楽しめます。

脚、腕、頭部、甲羅がそれぞれ独立したユニットになっていて、各部を仕上げてから最終的に組み合わせられます。 塗装はそれぞれの部位を仕上げてからでもいいですし、もちろん全体を組み上げてから筆でカッコよく塗ってもOK。

完成すると、GIIの禍々しさよりもどこか愛らしさの勝ったガメラの姿が立ち現れます。パーツ分割にどれも意味があり、パテ埋めやヤスリがけといった工程を経ずともプラモデルとは思えない立体的でシャープなガメラが手に入るというのはやはり素晴らしいことです。エクスプラスからは同スケールでレギオンも登場していますから、みなさんもぜひ迫力の対決シーンを作って下さい。そんじゃまた。