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ライトな組み味が嬉しいスーパープレミアムスポーツカーのプラモデル/タミヤ製メルセデス・ベンツSLR レビュー!

 エンジン上部、タイヤハウス、そして巨大なエアインテークが一体になっているパーツを見て予想できたのだが、仰々しい見た目と反して意外とライトな組味で楽しめたのが『メルセデス・ベンツSLRマクラーレン 722エディション』だ。シャーシ〜インテリアの組み立てがまずサクサク進み、切って貼ってにストレスがない嬉しいキットだった。その道中では存分にこのスポーツカーの設計思想を感じられるうえ、プラスチックの色のままでも大変リッチなカーモデルを目の当たりにできるので「タミヤ凄い!」と叫んだ。

 タミヤのGMA T.50を組んでから気になっていた同社キットのこのSLRマクラーレン。箱が妙に重いと思ったらダイキャスト製のアンダーパネルが上等な設えでパッケージされているので「皮肉が過ぎるぞ」と笑ってしまう。’00年初頭、メルセデス・ベンツとマクラーレンの共同プロジェクトで開発されたこの市販スポーツカーは「重いし派手すぎ」とチーフエンジニア兼デザイナーであるゴードン・マレーが後述するほどだったという。氏はそれを経てスポーツカーにおける軽量哲学を確固たるものとし、後のGMA T.50開発に繋がったという見かたもできる。ただ、このアンダーパネルはシャーシと同じくカーボン製だったと思うのだが、タミヤはダイキャストで重量感を演出してしまっている。なぜだ…… ただ、プラモがズッシリとした持ちごたえがあるのは何故か嬉しので、まぁ、いいか。

 シャーシの組み立て途中で「もう、ヘッドライトとエンブレムを付けちゃうの!?」と驚いた。ただ、じつはエンブレムがエンジン部品の一部を構成しているので必然の工程だと言える。実車ではこのスリーポインテッド・スターの抜きの箇所がメッシュになっており、そこから過給機へと空気を導入させているという面白ギミックだったのだ。メッキパーツはメッキを削り落としてタミヤセメントで接着しても良かったのだが、今回は瞬間接着剤でサッと貼り付けた。ヘッドライトはマウント部の凹にメッキパーツとクリアパーツもともに嵌合させる形状となっていたので瞬間接着剤で汚すことなく共に固定できる嬉しい配慮があった。

 後輪軸が金属シャフトだったのも嬉しいポイント。フリクションカーとしてシャー!と走ってくれそうなだけでも楽しく、前輪ともポリキャップを仕込んで非接着でハメ込むのだが、そのハメ合いも絶妙な塩梅だった。ホイールがフロント車軸にスッと入ってステアリングの各軸に負担が少ない感じ。このキットの寸法精度というか手触りでいちばん感動したポイントだ。

 クリアパーツに黒い窓枠を塗装するのに便利なウインドマスクシールが用意されていているうえ、そこにSLRマクラーレンのイラストが印刷されているのを見て、タミヤの心遣いとお洒落心にグッときた。無塗装で組み上げようとしていた自分だが、ここだけは塗装を頑張ってみようかという気が起きてきた。指紋や接着剤がついて汚れるとガッカリ具合がとんでもないクリアパーツなのだが、ノリシロが充分にとられていたりツメの嵌合の塩梅良いので、ヘッドライトと同じく緊張少なく扱えた。なんなら窓ガラスは接着もしないでもハマり込んで良しとしたくらい。

 ベースが20年程前のキットなので難所があるだろうと構えていたのだが、数々の気配りが用意されていて変な苦労はなかった。シルバーのボディのプラ成形色が充分に美しいので、部分塗りで気軽に仕上げて満足できるこのナイスキット。是非、ガルウイングドアを跳ね上げて皆さんもニッコリしてほしい。

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