模型店でシャークマウスと目が合って手に取ったハセガワのE-767 AWACS、無塗装でサックリ組むには大変気持ちの良いキットだった。ヒコーキ模型といえば尻もちをつかないように機首にオモリを入れるのが通例なのだが、キットにはオモリとしてのビスが同封されていて別途用意する必要がない。
ニッパーと流し込み接着剤があれば「切って貼ってのお手軽モデリングを楽しめる」のがハセガワのヒコーキ模型の強味なのだが、古いキットで「オモリを用意してください」と言われるとジャストなものが手元になかったりする。この1:200スケール飛行機シリーズにはオモリが同封されているのを見ると、長年ヒコーキ模型を手掛けてきたハセガワの熟達さを感じとれた。なので同シリーズの他のキットも気になるところ。

AWACS──早期警戒管制機のプラモデルの目玉パーツである円盤型レドーム。受けのヤグラにポリキャップを仕込んでレドームを回せるようになっているのだが、人はなぜ、たったこれしきのことで盛り上がってしまうのだろうか。プロペラやローター、自動車のタイヤもそうなのだが、実物が回っているならプラモでも回ってほしいという思いは何なんだろうか。接着剤で固定する構成でも良いはずなのだが、淋しい気持ちになるのが容易に想像できる。なぜだ……。

そう、このキット、必要最低限のパーツ構成で難なく組み立てられ、昼休憩の1時間でカタチになってしまった。プラモデルの楽しさのひとつに「速乾の流し込み接着剤で快調に貼っていく」があるのだが、このキットは難所もなく、気持ちよく貼りきれてナイスだった。接着剤ののりしろとか絶妙な塩梅だった。そしてオモリと同じく「ピンバイスで穴あけ加工をしてのパーツの位置決め」というヒコーキ模型の通例の手間があるものの、このキットでは細かいパーツが数個付くか付かないかなので省略してしまっても良いと思えた。

昼休憩の〆にシャークマウスの目と口だけ水転写デカールを貼っておき、仕事から帰ってきたら日没直前の夕陽にさらしての写真撮影。飾っておくにも撮影するにも付属のクリアスタンドが大変ありがたい。見慣れた旅客機のフォルムながら胴体の窓は全て塞がれ、円盤型レドームを背負うとしっかりエアボーン然としたヒコーキ模型となるのが面白い。実機はロービジ塗装なのでグレー単色のプラ成形色まんまでも物足りなさがないのも良い。以前、同シリーズのANA B787-8を組んだ際はANAカラーのデカールを貼りきらないと気が済まなかったので。その日のうちにサックリ組めて満足できるヒコーキ模型として、ハセガワのE-767 AWACSは大変ジャストなキットだと思えた。

航空自衛隊の飛行警戒管制部隊創設40周年記念(2023年)の式典仕様としてシャークマウスを特別にあしらったこのE-767 AWACSなのだが、実機では赤黒白のテープを切り合わせて目と口を描いたという話を見かけた。隊員皆で話あってシャークマウスに決め、協力してテープ貼って間に合わせたかと思うと妙に親近感が湧いてくる。シャークマウス、いちどはやってみたいよね…。結果、自分もシャークマウスじゃなかったらこのキットを手にして見つめることはなかったので、広報活動として大変効果的だったと言える。去年発売の限定生産品なのでネットでは品薄だけども、もし店頭でシャークマウスでオラついたAWACSを見かけたら手にとってほしい。良いプラモよ。