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悲運の貨物船の歴史を指先で辿るプラモデル/ピットロードの君川丸

 説明書に「復元」と書いてあるのはゾイドワイルドだけじゃねえ!ということでピットロードの君川丸という船のプラモデルを買ったんですよ。模型店で出会っちゃったんだからしょうがない。下の動画で「ところで君川丸ってなんなの?」という話が盛り上がったゆえに脳裏にあった名前を模型店で見つけた瞬間買っていたというわけです。

 川崎汽船によって1937年に竣工した優秀な貨物船、君川丸。しかし世界大戦が始まると海軍に徴用されて水上機を運用する母艦に改造されちゃいます。このプラモを組みはじめていいな〜と思ったのは「貨物船としての君川丸が土台にあって、そこに甲板を足してカタパルトを足すと特設水上機母艦になるんすよ〜」というこの船の歩んだ生涯を追体験できるところ!

 船体は三分割で、船倉にアクセスするハッチが彫刻された甲板を載せればたった3パーツでフネのカタチに。その上に水上機を移動させるためのレールがくっついたパーツをガシャコンと載せると貨物船から水上機母艦へとクラスチェンジします。ピットロードの艦船模型は彫刻がとくに濃い味で、スケール相応な繊細さというよりもちょっとオーバーに機能や特徴を説明してくれるようなパーツがとってもいい。好きです。

 ここから先は小さなパーツを船のいたるところにチマチマと植え、最後に水上機を搭載すれば完成。このプラモデルは「特設水上機母艦 君川丸」として売られているからゴールは当然戦争に駆り出された姿なんですけど、ピースフルな貨物船時代の姿にも組めるパーツ(第三デリックポストとワイヤーブーム)が入っているんですよね。だから最初に見せたように、「貨物船への復元」という記載が説明書にあるわけです。

 いまではアオシマからもっと史実に忠実な(つまりもっと精密で厳密な)モデルが発売されているのですが、フネの歴史をおおらかに楽しめるピットロード製のパッケージングもステキだなぁと思った次第。貨物船好きのアナタにもおすすめできますから、見つけたら買ってくださいね。そんじゃまた。

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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