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『RRR』を観て作るプラモデル/「そのもの」じゃなくても滾る想いは乗せられる!


「いちよ、なぜ自転車を漕ぐのかを考えなくてはいかん。日常の脚としてではなく、趣味として、或いは競技として自転車を選択した俺たちはなぜ漕いでいるのかを常に意識しておいた方がいいんだ。」

 大学時代、私にそう言った自転車部の先輩は「みずほ先生に会いに行く」という動機で『おねがい☆ティーチャー』の聖地長野へ自転車で旅立ったことを覚えています。

 さて、遅ればせながら映画「RRR」を見てきました。いやあこれはすごかったですね。開始10分でえらいものが始まっちゃったぞと鷲掴みにされてから3時間ノンストップ。180分の間、煮え滾った努力友情勝利という熱湯をばっしゃんばっしゃんかけられ続ける快感。なんちゅうもんを観せてくれたんや……。

 この燃える衝動に駆られて模型店に走ります。さあ何を作りましょうか。ビームの乗った英国バイクがかっこよかったからタミヤさんの「イギリス軍用オートバイ BSA M20 MPセット」もいいかな。ラーマが乗った馬もかっこよかったから「ドイツ将校 乗馬セット」をいじるのもいいかもしれないな。そんな風に考えていると心の中でビームとラーマが語り掛けてきます。お前が作りたいのはそれなのかと。なぜ作りたいのか思い出せと。

 雷に打たれた私はむんずと模型店からバンダイさんの「30MM フォレスティエリ01・02」の2体をつかみ取って帰宅、30MMの名のとおり2体合わせて1時間もかけずに組み立てます。完成。どうして僕たちが選ばれたのかと不安そうな二人です。

 では、手のパーツを少し切った貼ったで弄って……。ポーズを揃えて……。Do you know “Naatu”?

 序盤の盛り上がり、ゴールデングローブ賞を受賞した「ナートゥ・ナートゥ」のシーン。ビームとラーマの息のあったダンス。劇場で踊りだしたくなったあのシーンのワクワクがよみがえります。

 次は家にある30MMに合う武器を見繕って……。ポーズを揃えて……。最強の肩車。


 終盤、ビームとラーマの共闘するシーン。なんでそうなるの?という疑問を差し挟ませない説得力のあるシーン。この二人が揃えば負けない、と手に汗握ったあのシーンの興奮がよみがえります。

 プラモデルを何か他のものに見せるいわゆる「見立て」という遊びとしても、この二人は比較的レベルが低いというか素組そのままやんけ、という状態なのですけれど、ここでの本質は「似せたい」ではなく映画を見たその情動を形にしたいという動機です。RRRで見た何よりかっこいい二人への気持ちを残したいという情動こそが原動力です。これからふと棚にあるこの二人のメカを見るたびに、私はRRRの事を思い出すし、このフォレスティエリの顔にヒゲの生えた二人の男を感じることでしょう。トップガンをみて作るスーパーホーネットの栄養はすごいんですけど、こういう適当な見立てで得られる養分もまた存在していると思っています。

 私は絵を書いて興奮を残せるほど達者ではないし、何度も見返すような才筆を振るえるわけでもありません。備忘録としてこちらの気持ちを受け止めてくれるプラモデルは楽しいですね。イラストでもレビューでもない……。プラモデルをご存知か?という塩梅で、これからも気軽にプラモデルに思い出を乗っけていってみましょう。

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