血圧値 121/83/77 酸素飽和度 98% 体温 36.3℃ 体重 70.5キロ運勢 The Devil :R
ひさびさに推理小説の話を書きましょう。

『横浜外人の森殺人事件』 斎藤栄
読んだ人いるかなあ。
「外人の森」ってなんだ。外人墓地か?
よく見るとウィトリッヒってふり仮名が振ってある。
カバー絵の女性は誰だ?
被害者か、犯人か、タロット日美子か?
ジャケ買いを誘導しているのか。
1966年、「殺人の棋譜」で江戸川乱歩賞。 「タロット日美子」シリーズ、「江戸川警部」シリーズなど420以上の作品を発表、多くのベストセラーを生み出した。
他の代表作に「奥の細道殺人事件」「水の魔法陣」など。
将棋ファンとしても知られ、アマ六段の腕前。97年に将棋の大山康晴賞に選ばれた。
去年の6月に亡くなりました。91歳。
昔、何作品か読んだことがあります。
今はあまり知る人も少ないかな。
ちなみに。
昨日からブログの冒頭のバイタルチェックの行に、その日の「運勢」のチェックを加えています。「大アルカナのカード」1枚を引くという占いをやります。
今朝は「運勢 The Devil :R」を引きました。「悪魔の逆位置」という意味ですが、その示すところは「思い込みや先入観から自由になれる/依存から抜け出す/誘惑を断ち切る」といったイメージです。

☆
わざわざ今になってこの本を読んだのは、この「ウィトリッヒの森」、というのに引っかかったからです。
さらに調べてみると、「旧ウィトリッヒ邸」という洋館があって、それは戸塚駅から徒歩10分ほどの場所にあり、横浜市の歴史的建造物の認定を受けているそうです。ただ一般公開はされていないみたいですが。

「ウィトリッヒの森」は戸塚区の南西部に位置し、面積はおよそ3.2ヘクタール(野毛山動物園とほぼ同じ)の自然公園で、もともと1983(昭和58)年に亡くなったスイス人建築家のアーノルド・ウイトリッヒ氏が所有していた土地。
彼の死後、妻である津田ひ亭(つだ・ひで)さんが森を横浜市に寄贈し、それを横浜市が「市民の森」として整備したものだといいます。
(市の公式HP)
なんかトトロの森、みたいですねえ。
![戸塚区にある謎の森!? 「ウイトリッヒの森」に住んでいたアーノルド・ウイトリッヒ氏って誰? - [はまれぽ.com] 横浜 川崎 湘南 神奈川県の地域情報サイト](https://hamarepo.com/writer/story/images/images/hamarepo/hirose/2017/08/600_011.jpg)
邸宅と森(私有の耕地かな)はちょっと離れているみたいですが、なんとなくこの「歴史的建造物」というのに興味をそそられますね。
別件で僕はこの辺りから大船にかけて行ってみる用事がいくつかあるものですから、ついでに観てくる意味はあるでしょう。
ということで、予習かたがた、推理小説を読んでおこうかと。
「殺人の棋譜」と「奥の細道殺人事件」は昔読んでなかなか面白かった経験があります。それ以降、斎藤栄はほとんど読んだ記憶がないなあ。
☆
というわけで、読んでみましたよ。
推理小説というのはサクサク読めるので良いですね。
本を読むのは億劫、という人でも推理小説は読める、という場合があります。
なのでこういう本を、「読ませる機械」といいます。

これから「あらすじ」を書きますが、ネタバレの心配はありません。
なんたって、文庫本の裏表紙カバーのテロップに、犯人もプロットも書いてあるもの!
見知らぬ三人の男女が軽井沢でゴルフを楽しみ、その夜、同じペンションに泊まった。三人にはそれぞれ殺したいと思う相手があり、その夜のうちに、交換殺人の計画ができあがった。第一の殺人は鎌倉で起きた。第二の殺人は横浜にある外人の森で、そして第三の殺人も…。二階堂警部と妻の日美子は、三件の殺人事件に共通する謎の解明にのり出した。
こんな感じです。
普通、交換殺人というのは2人でやるものですが、これは3重交換になっているところが工夫。たださすがにそれだけでは、と思ったのか斎藤栄は最後にもうひとひねり加えています。
こういう構成の小説を「倒叙法」といいます。
推理小説やミステリーでは、犯人視点で物語を見せて、後から出てくる探偵の主人公が物語を回収させる見せ方が「倒叙形式」・「倒叙ミステリー」として知られています。
初めに犯人を主軸に描写がなされ、読者は犯人と犯行過程がわかった上で物語が展開される形式。
その上で、探偵役がどのようにして犯行を見抜くのか、どのようにして犯人を追い詰めるのかが物語の主旨となる。
テレビシリーズの『刑事コロンボシリーズ』や『古畑任三郎シリーズ』がその代表例。
そうそう、この「倒叙法」という言葉、江戸川乱歩のオリジナルの訳語です。
英語では「inverted detective story(逆さまの推理小説)」と呼ばれているのを、昭和初期の評論の中でこのように訳しました。
乱歩の評論についての問題は、また別の機会に考察します。
さて。
第二の殺人は横浜にある外人の森で、というところが注目のポイントであるわけですね。
ここでは「犯人B」が「ターゲットB」をこの森の入口におびき出して猟銃で狙撃するのですが、その方法、というか決行する場所がちょっと変わっている。
文庫本のP.83にこのような図があります。

森の西側に沿って「横浜ドリームランド」から大船駅間を結ぶモノレール廃軌道というものが走っています。
いまはもう完全に廃止解体されてこの軌道は残っていませんが、物語の時機にはまだ残っていたのですね。
森の北西の入口付近に呼び寄せた被害者を、犯人はこの軌道の上から狙撃したのです。
そんなことが可能なのでしょうか。
営業用モノレールといえば、それこそ大船駅から片瀬江ノ島までを結ぶ「湘南モノレール」が今日も走行しています。
同じく大船駅からもう一系統のモノレールが運航していた(たったの1年半くらいの期間ですが)ということは、意外と忘れられているのかもしれませんね。
その廃軌道跡のことも。
僕は知りませんでした。
「横浜ドリームランド」って、僕は行ったことあるかなあ?
たぶんないなあ。
また書きます。