高市政権「75.9%」の高支持率の裏に潜む“2つの不安材料”。2026年は真価が問われる1年に
120兆円超という過去最大規模の’26年度予算案を巡っては、’25年内に自民党と国民民主が「年度内の早期成立」を盛り込んだ合意文書を交わしている。’26年の通常国会では結婚後の旧姓の通称使用を法制化する関連法案や外国人による土地取得規制の強化に向けた法案の審議が進む見込みだ。
高い支持率で順風満帆に見える高市政権だが、ジャーナリストの岩田明子氏は「足元には、見過ごせない“2つの不安材料”が潜んでおり、それ次第では政権運営が一変しかねない」と指摘する。(以下、岩田氏の寄稿)
’26年は高市政権の真価が問われる1年となる。首相就任2か月でガソリン暫定税率廃止や子供1人あたり2万円給付などの物価高対策を実現したが、その実感が得られるのは“これから”であるためだ。
1月後半に召集される通常国会は、注目法案が目白押しだ。最初の関門は過去最大規模となる’26年度予算案だが、「年収の壁」の引き上げで自民と合意した国民民主が賛成する姿勢を見せており、滞りなく成立する可能性が高い。また、インテリジェンス強化を目的とした高市氏肝いりの国家情報局の設置案やスパイ防止法案は、参政党などが賛成に回ると予想されている。紛糾しそうなのは、臨時国会から継続審議となった議員定数削減と企業・団体献金の見直しに関する法案ぐらいか。
ただし、野党との駆け引きが政権の足を引っ張る様子は見られない。台湾有事に関する発言で日中関係が悪化しても、’25年内の成立を目指すとされた定数削減が見送りになっても、政権支持率は上昇した。国民は文字どおり働きまくり、着実に政治を前に進める高市政権を支持している。産経新聞とFNNの合同調査(’25年12月20~21日)では75.9%が支持したというから驚くほかない。
おのずと永田町では、解散のタイミングが注目の的となっている。本予算成立後の3月ないしは、通常国会終了後の6月以降を予想する声が多い。吉村洋文・維新代表の国政進出の期待もあって、’27年統一地方選に合わせた解散論も浮上している。旧派閥の後ろ盾がなく、仲間が少ないだけに、支持率が低下して政局に発展するようなことがあれば高市政権の足元は揺らぎやすい。その前に政権基盤を盤石にすべきだ、という声が大勢を占めているのだ。
背景には、高市氏が抱える不安材料もある。1つは体調不安だ。計画的に休養を取らずに働き続ける姿勢は、持病の悪化で辞任した第一次政権時代の安倍元首相と重なる。免疫異常による関節リウマチを患い、片脚は人工関節で生活しているだけに、高市氏の健康状態を不安視する永田町関係者は多いのだ。
もう1つは債券と円のダブル安だ。国債売りが進んで長期金利は19年ぶりに2%を超え、利上げが実施されても円安に歯止めがかかる兆しは見えていない。支持率とは対照的に、市場関係者は高市氏の積極財政に警鐘を鳴らしている格好だ。金利上昇は住宅ローンの返済負担を重くし、円安はインフレに直結する。この状況が続くと経済不安が高まりかねないのだ。
“高市カラー”を強めるほど増大する2つの不安を、いかにして解消するか注目したい。
<文/岩田明子>
いわたあきこ●ジャーナリスト 1996年にNHKに入局し、’00年に報道局政治部へ。20年にわたって安倍晋三元首相を取材し、「安倍氏を最も知る記者」として知られることに。’23年にフリーに転身後、『安倍晋三実録』(文藝春秋)を上梓。現在は母親の介護にも奮闘中

写真/産経新聞社
高支持率で解散説も。政権を揺るがす2つの不安材料あり
政権を揺るがす2つの不安材料

岩田明子
いわたあきこ●ジャーナリスト 1996年にNHKに入局し、’00年に報道局政治部へ。20年にわたって安倍晋三元首相を取材し、「安倍氏を最も知る記者」として知られることに。’23年にフリーに転身後、『安倍晋三実録』(文藝春秋)を上梓。現在は母親の介護にも奮闘中
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