【独自】「“大学の後輩”に指名されたことも…」 デリヘルで働く医学生の告白、父親は年収1000万円超のエリートなのに学費を自分で稼ぐ理由
学歴不問の風俗業界において異彩を放つ、高学歴風俗嬢というジャンル。多くの場合、紹介文で「名門・◯◯大学に通う現役女子大生!」「◯大卒のエリート!」などと学歴を前面に出した喧伝で目を引く。
元デリヘル嬢のもっちさん(20代後半)のお店での肩書は、「看護学生」。だがその素性は都内私立大学医学部に通う医学生だ。数年間にわたる風俗勤務において、彼女はなぜ学歴を隠し、またそもそもなぜ風俗嬢になったのか。異端のなかの異端ともいえる元風俗嬢の独白を聞いていこう。
「今ならば本音を語れる」ともっちさんは言った。最初に聞いたのは、「嫌いな客」について。その答えはまるで意外だった。嬢に粘着質につきまとう、罵倒する、説教する――さまざまなイタイ客が想定されるが、そのいずれでもない。
「通っていた大学の後輩で、もちろん顔見知りではない子が、私を指名してきたことがありました。お店での私は看護学生という設定ですから、相手は当然そう信じています。『バイトしてるの?』と聞いたら、『バイトはしたことない。親が医者で、金をくれるんだ』とのこと。内心、『私は学費のために風俗をやっているのに、それを買う側の人間は親からもらった金でデリヘル遊びをしているんだ』とげんなりしました」
その“後輩”は“看護学生”のもっちさんを気に入り、指名し続けたという。
「あるときは教科書をベッドに広げて、『いま俺、こんな勉強してるんだ』とか。『えぇ、勉強大変だねぇ』とか言いつつ、心のなかで『それ、去年やったわ』なんて思いましたね(笑)。プレイ中も『舐めて』とか、普通の言葉だとわかっててもいちいちイラッとしてしまうんですよね。帰りがけに、『親が金あるから、またいつでも呼べるから』とか言われたりして。“看護学生”の私に『俺みたいな医者の卵と知り合えて良かったね』みたいなことを言ってきたり、つくづく見下されているなと感じました」
ほかにも、“看護学生”という身分に吸い寄せられた男たちは多いという。だが本当の肩書がバレたことも数回あった。
「看護学生を演じたのは、医学生だと身バレリスクがあるからですが、他に戦略的な側面もあります。男性が勝手に描いているであろう、献身的で弱い存在、みたいなイメージを持ちたかったんです。見た目が芋っぽいので、その設定のほうがウケると思いました。
しかしある日、勝手にカバンを漁った客がいて、学生証から身分がわれたことがあります。その客はかなり沈んで、『本当は看護学生じゃなくて医学部に通ってたんだ……』とうなだれていました。それ以来、指名はありません。医学生という、社会的に強いと思われている女性からは接客されたくない人が多いのでしょう。
医師として働いているお客さんが何度も指名をしてくれるようになって、素性を打ち明けたこともあります。最初は『気にしない』と言っていましたが、あるとき『日頃から女医と仕事をしていて辟易しているのに、なんで風俗でも医学部の女とプレイしなきゃならないんだ!』と怒り出しました。もちろん、それっきりです」
※看護学生という身分は風俗で生き抜くためのもっちさんなりの処世術であった。そんな、目端の利く彼女がデリヘル嬢として働くようになったきっかけには、独特の家庭事情からくる彼女なりの意地と信念があった。有料記事後半では、その内面を深く掘り下げていく。(残り:2867文字)
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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